大切にしたい「課題の分離」
1. 自分と他人は違う。ゆえにそれぞれが抱える課題もまた違う。それは家族であっても変わらない。
だからもし自分がその他人のためにできることがあるとすれば、それは他人自身が解決する環境を提供すること。
にもかかわらず、他人が解決する問題に自分が介入すると、それは他人の課題を自分が代わりに行うことになり、他人が自立する道を奪うことになってしまう。
アドラーのいう課題の分離はそんな内容だったと思う。
この考えは自分と他人はあくまで違う存在だからこそ、お互い一方的に価値観を押し付ける事なく、その違いを尊重しましょうという事だと思う。
2. これは会社・顧客や従業員間の関係でも言えると思う。
(1)一昔前、お客様は神様だと言う言葉が一人歩きし、客がコンビニ定員を土下座させるという事件が話題となった。
確かに顧客重視というのは商売の基本である。お客様がお金を落としてくださって初めてビジネスとして成立するから。
でもお客様と自分はあくまで同じ人間でかつ別の存在。
だからこそ、お客様が商売人にいいサービスを受けたければ彼を尊重すべきだし、商売人もお客様を大切に思うなら、人として今自分が出来る精一杯のサービスを提供する。一旦結んだ約束を自分だけの都合で一方的に破るのは論外。
もしそうせざるをえない事態であればせめて頭を下げて謝り、どこかでうめあわせを考える。
(2)従業員間の関係もまた同じ。
今やたら従業員第一主義がもてはやされている。それはそれでいいことだし、時代の要請でもあるのだろう。
でもその前提にはお互いが対等であり、一人の自立した大人という考えが必要だと思う。
だから上司も緊急時を除いては、部下に対し、一方的な命令は控えるべき。また部下もまた一旦約束したなら、親が倒れるなどよほどの場合を除いては、それを直前で破ったり、ごねて破棄しようとするのは違うと思う。
そしてお互い、自分の行動の結果を誰かのせいにすることなく真摯にうけとめることが大切だと思う。
(3)そしてそれは自社、もっといえば自分自身にもいえると思う。
自身の襟を正し続ける姿勢が健全さを呼ぶ。
自分の価値観ややり方を一方的に相手に押し付け、支配しようとする態度や考えは相手の人格を軽視するもの。それは健全ではない。
3. こういった自律的な考えがあって初めて、自社の立ち位置がはっきりとし、星野リゾート社長のいうような顧客の選別ということも出来るのだと思う。
要は私生活でもビジネスでも基本が大事ということ。でもこれを貫くことは本当に難しい。なのでこれは自分自身への戒めとしたい。
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