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社長の思い

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八鹿警備保障の代表取締役である田路智洋社長による手記。日々の仕事上の気づきや若社長としての心情を赤裸々に綴ります。
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2018年9月の記事一覧

消費増税による影響を考えてみる

来年10月から消費税が10%に上がる。

これにより警備業者はどのような影響があるのか。

1. まず増税により日本経済はどのような影響を受ける事が予想されるか。

自分なりにはじき出した結論から言えば、この増税により日本経済はかつてのデフレとまでは言えないものの消費が冷え込んで、一時的な景気低迷の可能性はあるかもしれないと考える。

一般に増税はインフレーション時にとる政策と言われている。

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自社の教育方法とこれからの課題

1.このブログで何度か教育の必要性について述べているが、具体的にどのようにやるべきか。

(1)この点に関して自社の企業理念は本物の警備の提供を通じて日本の警備業の在り方を変える事である。

とすると、現場の隊員が現場でお客様やユーザーの方に安全・安心を与えられるようなサービスができるようにする必要があるので隊長による現場での指導を重視している。

こういった現場で実際に仕事を行いながら、上司やベ

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経営者中田英寿から学ぶコミュニケーションの重要性

1. 前にYouTubeで元日本代表、中田英寿と脳科学者の茂木健一郎との対談を見た。

中田氏は今日本酒や日本文化の魅力を世界中の市場に紹介する株式会社JAPAN CRAFT SAKE COMPANYの代表をしているという。

フィジカルが強く論理的でクール、そんなイメージの中田氏。対談を見ていると意外に人当りがよく、ものすごく気の効く方なんだなあと思った。

特に彼の職人に対するリスペクトと人に

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ジャイプールでの出来事

1. かつてインドに放浪の一人旅にいった時の出来事。

砂漠の街ジャイプールに赴き、地球の歩き方を片手にピンクの街を堪能していた。
とある建物で狭い道に地元のいきった悪ガキとねえちゃんと遭遇した際に、怖かったわけではないが、一種の防衛本能からとっさに道を譲ってしまった。

こちらに勝ち誇ったような笑みを浮かべながら、がに股で道を通る兄ちゃん達。

そのときお互い譲らなければ、喧嘩になったかもしれな

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建物を所有する時代は終わった

1.野村総研によれば、日本の空き家率は2018年時点で総住宅数中の17%,2023年には21.1%,2033年には30.4%に達する見込みとのこと。

家を建てる事は結構だが、その中の何割かが将来空き家になれば困るのはその地域の住民。

空き家が増えれば現行の法制では自治体の管理が不十分にならざるをえず、その荒廃による治安悪化は避けられなくなるから。

でも警備業者にとっては仕事が増えることを意味

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大手に依存しない態勢を

 1. 昨日、公正取引委員会が来月から「下請いじめ」の実態調査に乗り出すというニュースをみた。

下請いじめとは大企業が優位な立場を使い、中小企業に不当な要求を押し付け、従わせることをいう。

このような下請いじめは、ある事業者が、相手方に対する取引上の優越的な地位を利用して、正常な商慣習に照らして不当に相手方の事業活動を制限したり、相手方である会社の役員の選任について指示する等、相手方に不利益と

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ラオウの教え

1. 子供の頃、学校から帰ってテレビをつけるとよく北斗の拳の再放送がやっていた。それをみるのが1つの楽しみであった。

このアニメでなぜか印象深かったシーンがある。それはラオウ率いる部隊がとあるムラに進出した際に怯える少年に「意志を放棄した人間は人間にあらず! ただ笑いと媚びに生きて何が人間だ! 小僧、怖くば俺の腕を食いちぎってでも抗え。戦わねばその震えは止まらぬ。」とラオウが言い放った場面。

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「帳簿の歴史」を読んで感じた事

1. 昨日、ジェイコブ・ソール著「帳簿の歴史」を読んだ。古代での帳簿の誕生からリーマンンッショック時のアメリカまで、世界史の中で担ってきた帳簿の役割を描いたもの。

メディチ家のフレンツェ、ルイ14世・コルベール時代のフランス、産業革命時の英国、そしてアメリカなど帳簿による会計を文化に取り入れた国家なり都市は繁栄する。

しかし、帳簿、特に複式簿記はその正確性ゆえに、好きにやりたい王家・貴族・キ

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消費者重視から関係性重視の発想へ

1. 来月最低賃金が上がる。

自社も取引先現場によってはその影響を受けないわけではないこともあり、値上交渉をしていく予定なのだが、この最低賃金値上がり問題は何もそんな一部の話ではなくすべての企業や労働者が影響を受ける話だと思う。

2. つまり、最低賃金が上がるということは必然的に世の中に出回るお金の量が増える。お金の量が増えても物の量がそれに見合わなければ、お金の価値は下がり、結果として物価が

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刑法の構造と逮捕の意味から考える警備業のリスクマネジメント

1. 警備員は悪い奴を見つけたら戦うべきだとおっしゃる方もおられるが、それはできない。そんなことをすれば刑法にひかかって逮捕される可能性があるから。警備員は権限がなくあくまで一般人。

2. 刑法の構造はいわば形式から実質を考えましょうというもの。

(1)例えば警備員A(以下A)が工事中の契約施設の巡回中、不審者B(以下B)を発見したとする。「そこの君、何をしている?」と聞いたところ、相手は素

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勝利の女神のバッドフェイス

1. 最近読んだビジネス書の中で一番よかったのは「SHOE DOG 靴にすべてを」という本。

この本はナイキの創業者であるフィルナイトが自身の生い立ちから、はったりで神戸のシューズメーカー・オニツカ(現アシックス)のアメリカ代理店の地位を掴み、やがてナイキを創業して株式上場して世界的企業にしていくまでの軌跡を著した自伝である。

自分が小さい時、すでに有名メーカーだったナイキ。爆発的にヒットした

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イノベーションを阻害する国民性

1. この前ネット記事でAI研究の第一人者である東大の松尾准教授が日本のAI研究は遅れているというものがあった。

いわく、AI研究をめぐる戦いはAI研究そのものだけでなく後方で資本等でそれを支援する企業や国側のスタンスの問題であると。

にもかかわらず、日本では経営者や国側のAIリテラシーがないので投資が進まないか、間違った方向に資本や予算がつぎ込まれている…。

2. この記事を読んだ時、あら

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いい時代になった

1. 「音楽はマーケティングじゃない、感情だ」。昨日、Facebookを見てたらとある音楽フェスの動画広告でこんな台詞をいうミュージシャンの映像があった。

おそらくこの広告は音楽はマーケティングじゃないと思っている人達向けのマーケティング戦略の一環なのだろう(笑)。マーケティングの意味を分っておらず、また、そういう横文字的なものに対して嫌悪感を抱く音楽ファン向けの(これ以上言うとへんな反発があり

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CE的な思想を現場に取り入れる

1. 一人暮らし時代の自炊を思い出してみる。

例えば炒め物を作る時、フライパンに味ウスターソースや豆板醤がこびり付くと、食事後、洗う時になかなか取れず、ムダに時間を浪費してしまう。

なので炒め物が出来てからそれを皿に移した後、すぐにフライパンを洗う。すると上記ソースがすぐ取れ、全体の調理・片付け時間を短縮出来る。

2. こういった物を作る順序にとらわれないという発想は製造業でもあるらしく、製

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