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答えのない数学#4 【津田塾大学 学芸学部 数学科 原隆先生 ロングインタビュー】
「大根を正宗で切る」編集者:突然こんなことを言うと変かもしれませんが,原先生は私なんかが気軽にお話してよい方ではないと,私は自分自身を戒めておりまして.
原先生:いやいやいや,そんなことないですよ(笑).なにをおっしゃいますか(爆笑).
編集者:そのことは最近,はっと気づいたんですけれど,本の宣伝として小社のX(旧ツイッター)のアカウントで『手を動かしてまなぶ 群論』のことをポストさせていただ
答えのない数学#3【津田塾大学 学芸学部 数学科 原隆先生 ロングインタビュー】
数学で赤点を取ったことも原先生:実は,中高のときは数学はそんなに得意ではなくて,赤点を取ったこともあったりで.数学自体は好きではあったんですけどね.秋山仁先生(東京理科大学栄誉教授,2016年度日本数学会出版賞受賞)の――.
編集者:有名な数学者の?
原先生:ええ.最近もちょっと出ておられますけど,昔は結構,NHKとかでいろいろ算数とか数学の番組をやっておられて,あれ,割と好きだったんですよ.
「物理学レクチャーコース」編集サポーターのお仕事紹介 Part.2
今回のPart.2では、Part.1に続き、「物理学レクチャーコース」の編集サポーターである須貝駿貴さんとヨビノリたくみさんが、本シリーズの中で具体的にどんな関わり方をしているのか、その舞台裏をご紹介させていただきたいと思います。
(須貝さんとたくみさんのプロフィールは、こちらをご覧ください。)
読者の目線で原稿を読み、フィードバックするPart.1にも記しましたが、「物理学レクチャーコース」で
答えのない数学#2【津田塾大学 学芸学部 数学科 原隆先生 ロングインタビュー】
読書遍歴と文体を巡って編集者:話は少し変わりますが,編集を担当させていただいている間,原先生の書かれた文章には機会があればなるべく目を通すようにしていました.『数学セミナー』さんで書かれたご原稿にしても,『手を動かしてまなぶ 群論』のご原稿にしても,原先生の個性が十二分に出ているなと.数学の本というのは個性を消すといいますか,”定義 - 定理 - 証明“ のスタイルの中でなるべく客観的に書くという
もっとみる答えのない数学#1 【津田塾大学 学芸学部 数学科 原隆先生 ロングインタビュー】
2024年7月某日,津田塾大学小平キャンパスを訪れた.歴史ある建物,芝生の刈り込まれた西洋庭園,豊かな緑.美しいキャンパスである.ここに立つと,筆者はケネディ大統領の1963年の演説を思い出す.今日は数学者・原隆先生にインタビューする日である.
『手を動かしてまなぶ 群論』誕生秘話編集者:この度は『手を動かしてまなぶ 群論』を出版させていただく運びとなり,大変ありがとうございました.まずはじめに
「物理学レクチャーコース」編集サポーターのお仕事紹介 Part.1
お蔭様で、2022年の10月に刊行を開始した「物理学レクチャーコース」は、大変多くの皆様方にお読みいただいているようで、担当編集者はもとより、編集委員、編集サポーターも嬉しく思っております。引き続き、本シリーズの趣旨に副った本創りに努めてまいりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
さて、読者の皆様方の中には、編集サポーターの須貝さんとたくみさんが本シリーズの中で具体的にどんな関わり方をしてい
群の “迷宮” へと誘い込む最強独学本!『手を動かしてまなぶ 群論』
「手を動かしてまなぶ」シリーズに、ついに代数の巻が新登場!
2024年7月上旬発売の『手を動かしてまなぶ 群論』のご案内です。
それでは、Let's go! ((* ´ ` )(* . .))”
本の「序文」から――抽象理論を修得するコツ早速、本の「序文」から見ていきましょう。
新進気鋭の若手数学者が贈る著者は津田塾大学学芸学部数学科の原隆先生。ご専門は 整数論 number theory ま
ひと味ちがうテキスト『ライブ感あふれる 線形代数講義』
今回は2024年2月刊『ライブ感あふれる 線形代数講義』(宇野勝博 著)のご紹介です(内容見本公開中)。
著者の宇野勝博先生は、大阪大学で一般教養の線形代数の講義を長年担当してこられました。本書は、宇野先生の工夫が随所に現れた特徴ある書籍に仕上がっています。
特徴その① です・ます調大学の数学の本というと、「た・である調」による無機質な一人語りのイメージが強く、読む側が置いてけぼりになってしま
『これからの 集合と位相』のすごいところ
数学科には欠かせない知識「集合と位相」。
これまでにもたくさんの好著が上梓されていますが、今回は2022年に裳華房より刊行された『これからの 集合と位相』(梅原雅顕・一木俊助 共著)の「すごいところ」を3つご紹介したいと思います。
すごいところ① 細かいことまできっちり書いてあるたとえば、選択公理の意味、整列集合の意味の丁寧な説明、本文の随所に挿入された小活字の注意など、とにかく隙なく細かいとこ
はじめて関数解析を勉強するならコレ『数学のとびら 関数解析』
2023年10月、シリーズ「数学のとびら」の一冊として『数学のとびら 関数解析 -基本と考え方-』(竹内慎吾著)が刊行されました。
実はこの本、既存の関数解析の入門書では、もっとも敷居が低い書籍だと思われます。
今回は、『数学のとびら 関数解析』のどの辺が初学者におすすめなのか、ご紹介したいと思います。
ポイント① ○○の不等式⁉第1章は「基本的な不等式」と題して、コーシー・シュワルツ、ヤング