最初の1冊にオススメ『物理学レクチャーコース 相対性理論』
須貝駿貴さんとヨビノリたくみさんの帯が一際目を引く「物理学レクチャーコース」の第3弾となる『熱力学』と『相対性理論』が11月末に刊行しました。
この記事では、『相対性理論』をご紹介したいと思います(『熱力学』の記事は、こちらからお読みいただけます)。
「特殊相対性理論」だけを解説
アインシュタインが提唱したことで有名な相対性理論。相対性理論といえば、一般的には「特殊相対性理論」と「一般相対性理論」の両方を指しますが、本書では、「特殊相対性理論」に限定して解説しています。
特殊相対論理論のみを扱っている本の中では、厚い方なのではないでしょうか。
1つ1つの項目にしっかりとページを割いて、とても丁寧に解説されています。
相対性理論を初めて学ぶ方や、特殊相対性理論を勉強したけれど、いまいちよくわからなかった、という方にオススメです。
本書の推しポイント
本書の中でも、特にオススメしたい「推しポイント」をご紹介したいと思います。
推しポイント1:図が豊富
相対性理論からは、私たちの日常的な感覚とは異なる、一見不思議な現象が導かれます。
そのため、図を用いて、1つ1つしっかりと理解していくことが大切。読者が置いてきぼりにならないように、わかりやすい図がたくさん配置されています。
推しポイント2:共変・反変ベクトルやテンソルの考え方もバッチリ
相対性理論で、テンソルに初めて出会ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方でも安心して読めるように、この本では共変・反変ベクトルやテンソルの使い方や効用が、図を用いて丁寧に解説されています。ExerciseやTrainingなどの問題もたくさんあるので、手を動かしながらしっかりと学ぶことができます。
担当編集者も、学生時代にテンソルをあまり理解できていなかったので、大変勉強になりました。
読み終われば、「ついに、テンソルがわかった!」と言いたくなるかもしれません。
推しポイント3:「高エネルギー粒子の運動状態」もしっかり
粒子を光速度近くまで加速させる加速器実験は、相対性理論が欠かせない分野ですが、相対性理論の本によっては、簡素な解説にとどまっている場合もしばしば……。本書では、最後の1章を使ってしっかりと解説していただきました。
これで、重心系や実験室系での2粒子の衝突エネルギー計算も怖くない! 特に、原子核・素粒子分野に進みたいと考えている学生さんは、要チェックです。
下記URLから目次や内容見本が見れますので、ぜひ覗いてみてください。
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