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最近の記事

ひと味ちがうテキスト『ライブ感あふれる 線形代数講義』

今回は2024年2月刊『ライブ感あふれる 線形代数講義』(宇野勝博 著)のご紹介です(内容見本公開中)。 著者の宇野勝博先生は、大阪大学で一般教養の線形代数の講義を長年担当してこられました。本書は、宇野先生の工夫が随所に現れた特徴ある書籍に仕上がっています。 特徴その① です・ます調大学の数学の本というと、「た・である調」による無機質な一人語りのイメージが強く、読む側が置いてけぼりになってしまう感があります。 本書では、本文の記述は「です・ます調」を採用しており、著者の

    • 『物理学レクチャーコース 熱力学』で熱力学の本質を理解する

      物理学レクチャーコースは、書籍ごとにカバーの色が異なります。 2023年11月末に刊行した『熱力学』は、「熱だし、やっぱり赤でしょ」ということで、真っ赤なカバー。 今回は、本書の特長をお伝えしたいと思います。 (同時刊行した『相対性理論』の記事は、こちらからお読みいただけます。) 主役はエントロピー本書の特長は、ゆっくりと章をたどっていけば、エントロピーの意味が自然に飲み込めるように書かれていること。 熱力学の書籍には様々なスタイルがありますが、温度からはじめるスタイルや

      • 研究者の本棚: 時間を忘れて、一気読みできる本

        「読書に夢中になっていて、気づいたら数時間たっていた」という経験をお持ちの方は多いのではないだろうか。このときに得られる多幸感は、他の娯楽では代替できないと思うことがある。 今回は、まさにそんな ”読み始めたら止まらない本” を、北里大学の野島先生に3冊お薦めしていただいた。 ■ 野島 高彦 (のじま たかひこ) 北里大学 一般教育部 准教授。専門は生体高分子。 北里大学では、医療系向けの「化学」の講義を担当している。 ブログやXを活用し、講義情報の発信や、教育教材の提供を

        • ツールとして使いこなす!『理工系学生のための 量子力学・統計力学入門』

          今回は、2023年8月に刊行した書籍『理工系学生のための 量子力学・統計力学入門』をご紹介します。 本書は、書名からもわかる通り、量子力学と統計力学が1冊にまとまった書籍です。 それにもかかわらずとてもコンパクトなのが特長で、「え! この2科目が、こんなにコンパクトにまとまるの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。(どのくらいの厚さなのか気になった方は、書店で要チェックです!) しかし、これこそが本書の魅力。オススメの使い方とあわせて、その魅力をお伝えします。 ツ

        ひと味ちがうテキスト『ライブ感あふれる 線形代数講義』

          最初の1冊にオススメ『物理学レクチャーコース 相対性理論』

          須貝駿貴さんとヨビノリたくみさんの帯が一際目を引く「物理学レクチャーコース」の第3弾となる『熱力学』と『相対性理論』が11月末に刊行しました。 この記事では、『相対性理論』をご紹介したいと思います(『熱力学』の記事は、こちらからお読みいただけます)。 「特殊相対性理論」だけを解説アインシュタインが提唱したことで有名な相対性理論。相対性理論といえば、一般的には「特殊相対性理論」と「一般相対性理論」の両方を指しますが、本書では、「特殊相対性理論」に限定して解説しています。 特

          最初の1冊にオススメ『物理学レクチャーコース 相対性理論』

          『これからの 集合と位相』のすごいところ

          数学科には欠かせない知識「集合と位相」。 これまでにもたくさんの好著が上梓されていますが、今回は2022年に裳華房より刊行された『これからの 集合と位相』(梅原雅顕・一木俊助 共著)の「すごいところ」を3つご紹介したいと思います。 すごいところ① 細かいことまできっちり書いてあるたとえば、選択公理の意味、整列集合の意味の丁寧な説明、本文の随所に挿入された小活字の注意など、とにかく隙なく細かいところまで配慮されています。 とりわけ本書の大きな特色は、空集合・空写像の取り扱い

          『これからの 集合と位相』のすごいところ

          はじめて関数解析を勉強するならコレ『数学のとびら 関数解析』

          2023年10月、シリーズ「数学のとびら」の一冊として『数学のとびら 関数解析 -基本と考え方-』(竹内慎吾著)が刊行されました。 実はこの本、既存の関数解析の入門書では、もっとも敷居が低い書籍だと思われます。 今回は、『数学のとびら 関数解析』のどの辺が初学者におすすめなのか、ご紹介したいと思います。 ポイント① ○○の不等式⁉第1章は「基本的な不等式」と題して、コーシー・シュワルツ、ヤング、ミンコフスキーなど、関数解析で頻繁に使われる不等式とその証明がまとめられていま

          はじめて関数解析を勉強するならコレ『数学のとびら 関数解析』

          『基本群と被覆空間』イチ推しポイント

          佐藤隆夫先生による『基本群と被覆空間』が、2023年11月中旬に刊行されました。(内容見本公開中です) トポロジー(位相幾何)を勉強する場合、「ホモロジー論」から入るか、「基本群」から入るかの二択になりますが、本書はこのうち、後者の「基本群」と、その延長線上の「被覆空間」の理論を詳しく解説するものです。 実は、「基本群と被覆空間」というタイトルの和書は(意外とありそうですが)本書が初めてのようです。 今回はこの本のイチ推しポイントをご紹介します。 ポイント① 丁寧でき

          『基本群と被覆空間』イチ推しポイント

          『生物学』を、より深く

          今回、大学で生物学を学ぶ方のために『新しい教養のための 生物学(改訂版)』を刊行しました。 基礎から解説していますが、生物学を好きな人にとっても十分満足できる内容になっています。 さらにこの本の大きな特色は、著者の赤坂甲治先生自身による講義動画を、49本も公開していることです。 本書の目次はこちらから↓ 講義動画の一覧は、こちらをクリック↓ 1.講義動画で、効率的な学習を生物学は毎年新しい研究や発見があり、日進月歩で発展している学問なので、とくに近年、授業時間の中で

          『生物学』を、より深く

          『食虫植物』の魅力を、存分に。

          (更新: この記事は 2023年12月14日に、パラワン島の動画を追加しました) 今回は、『食虫植物 ー多様性と進化ー』(長谷部光泰 著)を紹介します。収録された写真と図は、なんと2000枚以上! 著者渾身の一作となっています。 著者である長谷部先生から、本が完成した記念に「ウツボカズラ」の標本をいただきました! 貴重な標本を、動画でどうぞ↓ 記事の後半には、ウツボカズラにまつわる長谷部先生のエピソードがありますので、ぜひ最後までお読みください! 本書の目次はこちらから

          『食虫植物』の魅力を、存分に。

          『物性化学』を学ぶならこの一冊

          今回は『物性化学  ―分子性物質の理解のために―』を紹介します。表題どおり、「物性化学を学ぶならこの一冊」といわれるにふさわしい仕上がりとなっています! 詳しい目次はこちらからどうぞ↓ 1.読者対象本書は、物性化学の基礎教科書です。図が多く、物性化学の理解に最低限必要な量子化学も少し含めています。敷居は低く、初学者に最適です。 大学生や大学院生はもちろん、「基礎から学び直したい」という社会人(研究者・技術者)にもお薦めです。  2.本書の特長特長①:統一的な解説 物性化

          『物性化学』を学ぶならこの一冊

          新刊を紹介します☆『医療・看護系のための やさしく学べる化学』

          『医療・看護系のための やさしく学べる化学』(野島高彦 著)を紹介します。この本は、大学1年生向けの 基礎化学 の教科書です。 この記事では、編集者のおすすめポイントを紹介しています。 本書の概要や目次はこちらからどうぞ↓ 1.こんな本です!読者対象: 医療・看護系の大学生、専門学校生 本書は将来、医療従事者として活躍する大学生・専門学校生を対象とした、基礎化学の教科書です。 高校の「化学基礎」や「化学」で苦労した経験があっても大丈夫。むしろそういう方が、安心して学べるよ

          新刊を紹介します☆『医療・看護系のための やさしく学べる化学』

          裳華房 編集部です

          裳華房(ショウカボウ)と読みます。開業1895年。 東京にある小さな出版社です。 このたび、noteをはじめました! どんな会社?大学生向けの、自然科学(数学・物理・化学・生物)の教科書を出版しています。 良質な本づくりを目指し、精進しています。 梅のマークが目印です!東京での開業は1895年(明治28年)ですが、江戸時代に仙台で出版活動を行っていた記録があり、現存する出版社では2番目に古いとかなんとか・・・。 社名である ”裳華房” は、襟裳岬の ”裳” が入っているか

          裳華房 編集部です