ひと味ちがうテキスト『ライブ感あふれる 線形代数講義』
今回は2024年2月刊『ライブ感あふれる 線形代数講義』(宇野勝博 著)のご紹介です(内容見本公開中)。
著者の宇野勝博先生は、大阪大学で一般教養の線形代数の講義を長年担当してこられました。本書は、宇野先生の工夫が随所に現れた特徴ある書籍に仕上がっています。
特徴その① です・ます調
大学の数学の本というと、「た・である調」による無機質な一人語りのイメージが強く、読む側が置いてけぼりになってしまう感があります。
本書では、本文の記述は「です・ます調」を採用しており、著者の宇野先生の講義を聴いているかのような親しみやすさがあります。
ちなみに、裳華房の数学書で「です・ます調」で書かれたものは、『本質から理解する数学的手法』(荒木修・齋藤智彦 共著)以来のようです。
特徴その② 思い切った記述
本書の際立った特徴として、通常のテキストには書かれていないような「動機づけ」(気持ち)に関する事柄等にかなり踏み込んでいる点が挙げられます。
いわゆる洗練された数学書では書き起こしにくい内容も思い切って記述されており、その意味でも「です・ます調」の語り口が大きな役割を果たしています。
本書全体に、「このように理解してほしい」「このように考えてみてはどうか」「このように教えるとどうか」という宇野先生ならではの仕掛けが散りばめられています。
ひと味ちがった線形代数のテキストで学びたい方にどうぞ。
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