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本の紹介

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2021年6月の記事一覧

良質な英文を丁寧に読んでみる。

良質な英文を丁寧に読んでみる。

「キレイな英語を話したいな。」

「一度、英語の原書をしっかり読んでみたいな。」

「ネイティブスピーカーと話さないと伸びないのはわかるんだけど、ネイティブ相手だと、身構えて緊張しちゃうんだよな。」

「どうせ英語を勉強するならば、ネイティブスピーカーのちょっとオシャレな英語表現も学びたいな。」

 英語学習の中級者になれば、そう思った事がある人は多いのではないでしょうか。米英の首相、大統領のスピ

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"使える"英文読解力を効果的に伸ばすには

"使える"英文読解力を効果的に伸ばすには

 本書「英語の読み方(北村一真 著)」は、とても実用的。外国語の習得には、Speaking, Lisening, Writing, Readingなどのセクションがありますが、特にReading (読解)に焦点を当てた本書は、英文読解のヒントが満載です。

 まず、著者は冒頭で、なぜ日本人は英語が話せないといわれるか、その背後にある理由をズバリと説明しています。

 英語話者の読解スピードと言われ

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【本紹介】Brain 一流の頭脳④

【本紹介】Brain 一流の頭脳④

前回の続き。

今回のポイントは、ずばり「運動こそがすべて!」。

これでもかと言うほどに、著者のアンダース・ハンセン医師は強調する。もちろん、運動だけしていればいいという意味ではなく、身体を動かして心拍数を上げる事により、集中力が高まりやすくなり、勉強の効果が上がりやすくなるという意味だ。机に向かう時間は、十分に確保しなければならない。

現在の社会は、脳の進化の速度をはるかに凌ぐ速さで変化して

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【村上春樹】走ることについて語るときに僕の語ること

【村上春樹】走ることについて語るときに僕の語ること

 自己啓発なら、この一冊で十分。そんなある書評を読んだが、確かにそうかもしれない。運動が脳(特に創作活動)に与える影響について、小説家のことばにヒントがあるかもしれないと思い、本書を購入したが、思いの外、自分との向き合い方について、示唆を与えてくれる文章だった。

 ご本人も語られているように、小説家が、自らの私的な部分を開示することはあまりない。しかし本書はランニングという、村上さんの半生におい

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【本紹介】Brain Driven②ストレスとの向き合い方

【本紹介】Brain Driven②ストレスとの向き合い方

前回の続きです。

自分を守るためにも、"自分はどんな状況でどんなストレスを受けると、過剰なストレス反応が出るか"は、知っておいた方がいい。

過剰なストレスを感じる→前頭前皮質のdlPFCが働かなくなり、正常な判断力を失う(現実性の把握、エラー検知機能をモニタリングする機能が停止)

慢性的なストレスは、脳によくない

慢性的なストレス→コルチゾールが出続ける→海馬に悪影響で細胞を委縮させる(論

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【本紹介】Brain 一流の頭脳③

【本紹介】Brain 一流の頭脳③

・創造性の作り方 (前回の記事はこちら)

スタンフォード大学の研究チームが176名の被験者を対象に、創造性を測る数種類のテストを行った。屋内や屋外で歩いたり、座って体を休めたりといった様々な条件下で、被験者にテストを受けさせた。(実験のタイトルは、「アイディアを働かせよ、創造的思考におけるウォーキングの効能」)

新しいアイディアを出す能力において、歩きながらテストを受けた被験者の成績は、歩かず

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【本紹介】スタンフォード式 生き抜く力/星友啓

【本紹介】スタンフォード式 生き抜く力/星友啓

 弱肉強食。効率重視。シリコンバレーのお膝元。偏差値の高い世界中の優秀な若者が集まってくる場所。賢い者が全てのような価値観を、スタンフォード大学に対してお持ちの方も多いでしょう。そのスタンフォード大学に、思いやりを専門にする施設があるのをご存知でしょうか。
 正式名称は、思いやり利他研究教育センター(Center of compassion and altruism research and ed

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【本紹介】Brain 一流の頭脳①

【本紹介】Brain 一流の頭脳①

本書の著者は、スウェーデンの精神科医Anders Hansen氏。ノーベル生理学・医学賞の選考委員会がある名門カロリンスカ研究所にて医学を、ストックホルム商科大学でMBA(経営学修士)を取得修めている。本書は、一般読者を対象に、極めて平易な文章で書かれているが、記述の裏づけ(参考文献、参考研究)はしっかりしており、何の論拠もない自己啓発本ではない事を最初にお断りしたい。論拠を深く知りたい場合には

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【本紹介】Brain Driven ①モチベーションの高め方

【本紹介】Brain Driven ①モチベーションの高め方

 やる気が起きない、続かない。そんな悩みを持つ人は多いだろう。やらなければならないとわかっているのに手がつかず、後回しになってしまい、いつの間にか継続できなくなっている。そんな自分を変えたいと思っているが、変え方がわからない。そんな人には、本書「Brain Driven」(青砥瑞人著)がオススメだ。巷に溢れているHow to本ではなく、脳の専門家である著者が、脳神経科学に基づいた知見を私たちに共有

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【本紹介】妄想する頭 思考する手 - 想像するアイデアの作り方 (暦本純一)

【本紹介】妄想する頭 思考する手 - 想像するアイデアの作り方 (暦本純一)

今や誰もが使っている、スマホ画面を2本の指でつまんだり、開いたりすることで画像を縮小拡大させる、スマートスキンと呼ばれる技術を発明したのが、著者の暦本純一さん(Twitterはこちら)。その他にも100以上の特許を持つ著者が、妄想の大切さ、思考のヒントを紹介してくれるのが、本書だ。

本書からの学びは以下。

p.57 良い"クレーム"(自分の考え/主張を表したもの)とは、一行で言い切れて、仮説と

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【本紹介】How to create a mind (レイ・カーツワイル 著)

【本紹介】How to create a mind (レイ・カーツワイル 著)

 シンギュラリティが2045年に訪れると1980年台から提唱をしている、レイ・カーツワイル氏。2005年に発表された著書「 Singularity is near」 (和訳版はこちら)は、記憶に新しい。

 今もその考えは、多くの人に影響を与えている。若い頃からその才能を発揮してきた氏は、(その人生で初めて従業員として)Googleで働き始めた事や、シンギュラリティ大学の創設のニュース等で、ご存じ

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