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神戸新聞文芸(神戸新聞 2024/5/20月付朝刊 14面読者文芸欄)でショートエッセー(3枚)「神戸人形と吉田太郎さんのこと」が入選・全文掲載されました。
神戸新聞文芸
(神戸新聞 2024/5/20月付朝刊 14面読者文芸欄)で
ショートエッセー(3枚)
「神戸人形と吉田太郎さんのこと」
が入選・全文掲載されました。
選者の三浦暁子先生、ありがとうございます。
★神戸人形の作者・吉田太郎さんへの追悼文として書きました。廃絶していた「神戸人形」を復興させた吉田太郎さんの偉業は、絶対に、絶対に語り継がれるべきです。
【参考】サンテレビのYouTu
【エッセイ】文学賞に落選したときに確認したいこと
学校では絶対に教えてくれないことの一つは間違いなく
世の中には「選ばれし者」がいる
世の中には「注目されやすいひと」がいる
だと思う。
学校で教えないのは、この種の「残酷な真実」を言ってしまうと誰も勉強しなくなるからである。
わたしが思いつく「選ばれし者」「注目されやすいひと」のひとりはさくらももこ氏である。彼女は小学生の頃からよくコンクールに入選し、賞状をたくさんもらっていたらしい。まさ
【告知】日本篆刻家協会 主催公募 第40回日本篆刻展@兵庫県立美術館王子分館原田の森ギャラリー(2024年5/29[水]–6/2[日])
兵庫県立美術館王子分館原田の森ギャラリーの本館1・2階展示室で
(最寄り駅は阪急神戸線の王子公園駅・J Rなら灘駅・阪神なら岩屋駅)
日本篆刻家協会 主催
公募 第40回日本篆刻展
会期 2024年5/29[水]–6/2[日]
10:00–17:00 *最終日は16:00閉場
40周年ということで気合いが入っているようです。
篆刻作品は何と約1,200点!
入場無料!
篆刻に興味のある方も
【ショートエッセー 神戸新聞文芸202403】白菜のように ※落選作
寒くなると白菜が出回る。大好きな野菜というわけではないが、体を温める鍋料理や煮込み料理をする機会が増えると自然と白菜の出番が増える。
白菜が入るとボリュームが増すし、ビタミン類や食物繊維も豊富で体調が整う気がする。それに、だしを吸った白菜は美味しい。そのときどきの旨みを吸って蓄えた白菜は、白菜自身が持っているかすかな甘みも加わって、他の野菜では得られない満足感を与えてくれる。何より、旬のもの
【短編小説 原稿用紙15枚】スモモの木で一羽の鳥が 〜藤井佯「故郷喪失アンソロジー」落選作〜
いっそ雪になればいいのにと思う、冷たい雨の降る晩だった。
残業を終えて勤め先からアパートに帰ってきたヨウイチが郵便受けを検めると、クリーニング店や新興宗教やデリバリーピザのフライヤーに混じって、高校の同窓会案内の封書が入っていた。
ヨウイチは初めて見る封書だけ鞄に収め、濡れたフライヤーを握ったまま、部屋のある三階まで用心しいしい階段を上っていった。
濡れた階段に足を取られそうになる。靴の買
【ショートエッセー 神戸新聞文芸 202201】十二月十二日の逆さ札の謎解き ※落選作
上方の風習の一つに「逆さ札」がある。 名前の通り、十二月十二日に「十二月十二日」と書かれた札を上下逆にして玄関に貼っておくというものである。
一説によると十二月十二日は天下の大泥棒・石川五右衛門の誕生日で、それを上下逆さに書くと命日――文禄三年(一五九四年)八月二十四日、京の三条河原で釜煎りの刑に処された――を表す。 この逆さ札を玄関などに貼っておくと、それを見た泥棒は石川五右衛門の命日
【エッセー】ナポリタンのお焦げ 〜第50回明石市文芸祭 落選作〜
ここのところ、ナポリタンのおこげが食べたくてたまらない。どこの店のナポリタンでもいいわけではない。より正確に言えば、二十年近く前、東京の目白にあった、行きつけの小さな洋食屋のシェフが作ってくれる、ハンバーグプレートのつけあわせの一つだったナポリタンのおこげが食べたくてたまらないのである。
熱々の鉄板で供されるのだが、すぐには手をつけない。火傷するからというのは表向きの理由で、つけあわせのナ
【ショートエッセー 神戸新聞文芸202311】日曜の晩の怪事 ※落選作
二〇二三年八月二十七日の日曜の晩、午後十時四十分頃のことだった。
カレーライスを作ろうとキッチンの水道のハンドルをひねったところ、蛇口の直径と同じ太さの水が勢いよく流れ出た。
水流を抑えようとハンドルをひねったが、水はいっこうに止まらなかった。
出す方、止める方、両方にひねっても水の勢いは変わらなかった。
野菜くずがキッチンシンクの排水口を塞いでいることもあって、シンクの水位は無