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読書記録

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ジャンル問わず。読んだ本の記録、紹介。
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#信仰

消された信仰 広野真嗣~読書記録310~

消された信仰 広野真嗣~読書記録310~

著者は1975年生まれ。2002年に猪瀬直樹事務所に入所したフリージャーナリスト。
2018年ユネスコが長崎県の潜伏キリシタン遺産を世界遺産とした時期に発行された書である。

著者は「生月島」という隠れキリシタンの住む島を取材した。

書物のない時代であったからか、こちらの隠れキリシタンと呼ばれる人の祈りは口頭でカタカナでポルトガル語(ザビエルの出身地)を書いたもののようだ。
又、今のバチカンから

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死について考える~読書記録265~

死について考える~読書記録265~

1987年、作家・遠藤周作のエッセイである。
「本当に苦しいでしょうね」「やがて私たちもそうなるんですから」生き残る者のこの言葉はまもなく地上を去っていく者に理解と人間的連帯とを示し、ある程度の慰めを与える。だが、それは死んでいく者の苦しみの半分を慰めてあげても、あとの半分を鎮めはしない。その50パーセントをも鎮めるためには…。著者が遺そうとした心優しいメッセージ。(版元紹介より)

この頃、遠藤

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人間の絆~読書記録226~

人間の絆~読書記録226~

イギリスの作家・モームの長編小説。半分は自伝で、そこにフィクションも取り入れている。

この作品は、キリスト教を少しでも知っている者と、全く知らない者とでは感想も違ってくるかもしれないと思う。

私が田舎娘で、聖書やらクリスチャンやら全く知らないで過ごしていた若い頃に、中野好夫先生の訳で読んだのが最初であった。

幼くして両親を失い、牧師である叔父に育てられたフィリップは、不自由な足のために、常に

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大草原の小さな家で ~読書記録219~

大草原の小さな家で ~読書記録219~

ローラ・インガルス・ワイルダーの研究者として知られる、スティーブン・ハインズの著書。

「大草原の小さな家」シリーズで知られるローラ・インガルス・ワイルダーの信仰に光をあて、その生涯と物語の底に流れるスピリットを読み解く。「真実はいつの時代も変わらない。誠実であること。うそをつかないこと。物事がうまくいかなくても朗らかに。そして勇気を抱くこと」。大草原で信仰を育んだ永遠のパイオニアガール、ローラの

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旅のヒント~読書記録169~

旅のヒント~読書記録169~

2004年 五木寛之先生のエッセイ。

五木寛之先生は大好きな先生だが、更に好きになった。
外国、並びに国内を旅した時の現地の風景が情景として観えるのだ。
さすがだ、と言わざるを得ない。

そもそも私が、日本各地、或いは、県内の寺院を廻り、「自分なりの百寺巡礼」などと適当な事を言っているのは、五木寛之先生に感化されてだ。
旅は健康であること!その通りだ。膝が痛い、お腹が弱い、などと言っていたら、ど

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牧師ミツコ先生に学ぶ楽な生き方~読書記録2~

牧師ミツコ先生に学ぶ楽な生き方~読書記録2~

何気なく駅ビルの一般図書館で見つけた1冊の本。それがこちらだ。
どこの教会かはわからないが、今は引退されて無償の協力牧師として週に2回教会に奉仕。月に7万円の年金とシルバー人材センターの給与で慎ましく。神様に感謝して生きる日々を綴られている。

牧師や神父の書いた本というのは、日本基督教団出版局や女子パウロ会などのキリスト教出版社からが常であるが、こちらの本は一般の出版社から販売されている。何より

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善人のやめ方~読書記録12~

善人のやめ方~読書記録12~

宗教家・ひろさちや先生の書。2012年出版ということで、出だしは、2011年の原発事故の件から。私たちは「世間」に騙されている。世間の騙しに引っ掛からない為のテクニックの本である。

ひろさちや先生は東大哲学科で学ばれた。小さい頃からの優等生であったが、ずっと努力して勉強してきた高校2年生の時に「自分の人生」を考え、大阪丸善でモームの「人間の絆」を買ってきたのだ。しかも、英語版で。英語でそのまま読

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捨てちゃえ!~読書記録14~

捨てちゃえ!~読書記録14~

宗教学者 ひろさちや氏著
可愛いイラストと共に簡単に読め、心が楽になれる本だ。

参考になったものを抜粋します。

1.過去、未来に悩まず、現在を大切に。
過去の事を悩んでも仕方ない。どうにもならないのだから忘れてしまったほうがよい。未来の事も極端に思いつめないこと。

2.事実をありのままに受け入れる。
冷静に、己のとらわれを取り除き、ありのままを見ること。

3.いない人に心奪われるよりも、目

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夜もひるのように輝く~読書記録21~

夜もひるのように輝く~読書記録21~

長谷川保氏の自伝的著書。
長谷川保氏って?と思わる方は、こちらを。。。

静岡県浜松市にある聖隷福祉事業団の創設者である。
病院、並びに、老人ホームが全国にある。
昭和21年 戦後すぐに衆議院議員となり、日本における生活保護法の制定に力を注がれた。
それには、長谷川保氏の背景がある。キリスト教に触れ、隣人愛の実践。
宗派はメソジストである。
戦前、人々から見捨てられた結核病患者の為に文字通り、心身

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聖書における愛の実践~読書記録25~

聖書における愛の実践~読書記録25~

聖隷福祉事業団(本部・静岡県浜松市)創設者、長谷川保氏、妻の八重子さんの著書。

聖路加国際病院はアメリカ聖公会、宣教医師トイスラーにより創設された。(戦時中は米英の施設として使われた故、東京都では空襲を逃れたのが築地地域である)
大阪の淀川キリスト教病院は、アメリカの長老教会、ブラウン宣教医師によって創設された。キリスト教系の大きな病院はアメリカ宣教団体が創設が多い中、日本人が創設した医療法人で

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回帰としてのカトリック~読書記録28~

回帰としてのカトリック~読書記録28~

藤原治著 教文館 2014年刊。

「青年時代に教会を離れた著者が、老年期を迎える今、信仰への回帰を試みた「告白」の書。神存在の矛盾を説く科学者の友人への反駁を通して、実存的関心に基づいた「自分自身のためのカトリック」論を大胆に展開する。荒削りながらも奇想天外な飛躍と着地を見せる、痛快で型破りな神学通論風エッセイ。」

(教文館出版の書籍紹介文より)

著者の藤原治氏は1946年生まれの京都出身。

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大草原の小さな家の旅~読書記録65~

大草原の小さな家の旅~読書記録65~

1993年に発行された服部奈美さんの「ローラの故郷を巡る旅」のエッセイ。

服部奈美さんは、作家、ジャーナリスト、翻訳家などではない、あくまでも、1人のローラファンである為、こちらの本。続く「大草原の小さな家と自然」の2冊しか本は出されていない。年齢や出身校なども不明である。

この物語は、アメリカの開拓精神、フロンティアスピリットを描いているのだが、白人の側から観た面しか描かれていない。
服部さ

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日曜日の午前中~読書記録66~

日曜日の午前中~読書記録66~

「日曜日午前中だけに集まる教会は終わる」
関野和寛先生の「天国なんてどこにもないよ」より

カトリックでも、プロテスタントでも、教会の中と外では人格の違う人が多い。イヤイヤ、それが当たり前なのだ。
司教と言う立派な人でもそうなのだと実感した経験もある。

キリストは好きだが、キリスト教会で嫌な思いをした人、又、教会と言う建物自体の敷居が高すぎて近づけない。という人の数はとても多い。
そもそも、仕事

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ローラのノート~読書記録77~

ローラのノート~読書記録77~

「大草原の小さな家」シリーズでお馴染み、ローラ・インガルス・ワイルダー。
その研究家としては第一人者であるウイリアム・アンダーソン氏は、ローラの残した様々な文章を探しては本にまとめている。
有難い。
そのアンダーソン氏によって、編集解説された本がこちらになる。

内容は、ローラの残した詩であったり、ローラの姉妹たちが書き残したものも載せてあり、小さな家ファンにとっては嬉しいものだ。

こちらは、ロ

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