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未来展望委員会は、みんなが気がつかない「関係性の変化」を考えました

「こんな大事なことに、どうして、みんな、気がつかないのだろうか?」
 
第6回の未来展望委員会はリアル会議にもどり、社会文化研究家の池永先生は冒頭にそう言って、白板にこう書かれました

© 摂津倉庫未来展望委員会

1 コロナ禍最大の変化

私たちは、「場と時間革命」のなかにいます
コロナ禍は「その人がいつもいる場所、そこで一緒にいる人」を変えました。コロナ禍前は、月曜日から金曜日の毎日、会社に通勤して、同じフロアに行き、同じ自分の席に座り、朝から夕方まで、同じ職場のメンバーと、同じ空気のなか、仕事をしていました。人事異動で職場が変わることもあるが、基本は同じ場所で、ずっと一緒に仕事をしていました

そんな時空間が、ぞれぞれの会社や職場ならではの文化を生み育んだ
 
それが、変わった。テレワークで、いつもいた所と、いつも一緒にいた人がいなくなりました。そして、どうなったのか?
 
会社・職場のなかの
人と人の関係が変わる

コロナ禍の「場と時間の構造」が変わることで、なにかを変える。場と時間の構造変化は、それぞれの「間」、関係性を変える
 
関係性の変化こそ
コロナ禍を契機とした最大の変化
ではないか?

 
関係性の変化が、なにをどう変えていくのか?これをおさえることが、これからの社会を展望する、ビジネスを考えるうえで、とても大切です。しかし、意外にも、多くの人、企業は、このことに目を向けていない

2 関係性の構造変化

未来展望委員会のわたしたち女子社員4名は、前回の宿題「関係性の変化で、どうなるか?」を話しあいました

「人と人のコミュニケーションがとれなくなる」
「お互いが分かり合えなくなる」
「阿吽(あうん)の呼吸がとれなくなる」
「人と人の関係が希薄になる」
「自分の居場所がなくなる」
「表面的な関係になる」


場と時間の構造変化に伴ない人と人の関係が変わると、こんなことがおこるのではないかと未来展望委員会のわたしたちの予測を白板に書き並べたあと、池永先生はこう語りだされました

© 摂津倉庫未来展望委員会

コロナ禍を契機にさまざまな変化がおこっていますが、その最大の変化のひとつが「関係性の変化」だとわたしは考えています。この関係性の変化が、それぞれの関係性の位置づけ、距離感、深浅さを変え、あらたな変化を引き起こしています。この変化は見えていない変化です

©IKENAGA.HIROAKI

コロナ禍を契機に、会社と家庭の関係、会社と家庭と近所の関係、東京と地方の関係、都市と郊外と地方の関係、子ども世代と現役世代とシニア世代の関係がかわりつつあります。そして、それでどうなるのか?

それぞれの関係性がかわり
→人の価値観、意識をかえ
→ライフスタイル・ビジネススタイルをかえる

 
たとえばコロナ禍で本格化したテレワークで、「会社と家庭の関係」が劇的にかわりつつあります。どうかわりつつあるかは、未来展望委員会で議論しましたよね?

「テレワークは、家で、家族とともに、濃密な時間をすごし、親と子とは、家族とは、働くとは、会社とは、学校とは、地域とは、生きるとはなにかを考えるようになり、『個人の価値観』『社会的価値観』がかわるーでしたよね?」とわたしたち未来展望委員会メンバーは答えました

© 摂津倉庫未来展望委員会

そうです
社会的価値観・意識がかわります
その価値観がかわると、行動様式がかわります。ライフスタイルやビジネススタイルやソーシャルスタイルがかわります。この順番が大切なのです。この流れが社会変化の構造(メカニズム)です

©IKENAGA.HIROAKI

この図は、第3回未来展望委員会で、池永先生が覚えておくようと教えていただいた社会の構造変化をつかむメカニズムです

「左から右の流れ社会は変化する―でしたよね?」
「価値観の変化が行動様式をかえるーでしたよね?」
「右に配置されている都市がどう?郊外がどうなる?経済・産業がどうなる?ーではなく、価値観・意識の変化からおさえていくのでしたよね?」

© 摂津倉庫未来展望委員会

3 「会社が」から「わたしが」への変化

会社の変化、ワークスタイルの変化について、さらに考えていきましょう

会社は会社の考える合理性の基準で
物事を判断するようになろうとしています

 
従来の方法に捉われることなく、会社が求める仕事の質と量が担保できるならば、東京出張も自由、リモートも自由、どこで働こうと自由、副業も自由、そのような動きがではじめています
 
そしてこれまでの

「みんなで一緒に、頑張る」
「業界・団体の護送船団で、頑張る」
「同じ池の中で、頑張る」

という会社観、就業観、ビジネスゲームルールがテレワークで崩れ、かわろうとしています
 
元来、働き方は合理性で判断されるべきものです。都心のオフィスに通勤して働くことをよしと考える人はそれでいい、郊外の自分の家で仕事をすることをよしと考える人は、それでいい
 
それで成果がでるならば、それでいい

「働き方が自由になったということですね?」

© 摂津倉庫未来展望委員会

ただすべてが自由だというわけではありません。会社が決めたルールがあります。それを守らなくてはいけなく、会社と個人の問題がクローズアップしていく可能性もあります。つまり会社のルール・文化・スタイルが自分の価値観にあわなければ、自分の価値観にあった会社に転職する。場合によれば自分で会社をおこすという動きをとることになります。コロナ禍を契機とした社会では、一律な価値観ではなくなりつつあります
 
「みんな一緒」から
「みんなそれぞれ」
になろうとしています。よって
 
仕事とはこんなもの
会社とはこんなもの

という固定的な考え、発想のままでは、通用しなくなりつつあります
 
仕事も会社もそれぞれ
人もそれぞれ
になりつつあります
 
よって「コロナ禍以前に戻る、戻らない」という議論そのものが意味を持たなくなるほど、コロナ禍の断層を乗り越えた新しいスタイルが浸透して、それが「当たり前」となりつつあります。コロナ禍3年間の「社会実験」を経て

「そもそも、それはおかしかったのでは?」
「こうしなければいけなかったのでは?」
「こうでもいいのでは?」

と合理性を考え、何が当たり前か?という価値観がかわった結果が、いまのスタイルを「当たり前」にしようとしています
 
このような「価値観がかわった」という前提条件を認識しないと、これから先を読み違えてしまいます。働くうえでの前提条件をかえられない会社は、選択されなくなります

では、本日の未来展望委員会を整理します
それぞれの関係性がかわるだけではありません。関係性の変化が、なにをもたらすのか?を考えることが大事です
 
関係性の変化が
価値観を変える
 
コロナ禍を契機としたテレワーク・オンライン化で、場と時間の構造を変え、社会的価値観と個人の価値観を変えつつある。価値観の変化は、ワークスタイルやライフスタイルなど行動様式を変え、一人一人が思う、こうありたいという姿を追い求めて、その実現をめざしていこうとする
ずばりいうと
 
ビジネスにおける「主語」が
かわろうとしている

 
「会社が」から「わたしが」
にかわろうとしている
 
会社勤め、企業人、会社人、サラリーマンは、主語は「会社」だった。そうではなく、主語が「わたし」にかわろうとしている。すごい変化が進みつつあります。コロナ禍後社会を読み解くうえで、大変重要なキーワードがあります

Well‐Being(佳く生きる) 

です。このWell‐Beingとはなにか?Well‐Beingでどうなるか?を次回は考えていきます

「Well‐Being、最近よく耳にする言葉ですね。次回も楽しみです。本日も、ありがとうございました」

© 摂津倉庫未来展望委員会

次回の第8回「note摂津倉庫未来展望委員会」は、来週10月8日(火)に配信させていただきます

【ご案内】 
池永先生にご指導いただき、摂津倉庫グループ若手社員中心に作成した「コロナ禍後社会を考えるー未来展望・2030年社会はどうなる?」冊子をご希望の方は、当社にご連絡ください
【摂津倉庫 広報室 (kouhou@settsu-soko.co.jp)まで】

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