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2023年3月の記事一覧

Vツイン 《詩》

Vツイン 《詩》

「Vツイン」

妖精か死神か 
ただの気配 錯覚か

尖った瞳 薬の数と刺青と

老いぼれた街 
走り抜けたVツイン

タンデムシート カサブランカ
マークボランのブキ

ティラノザウルスの化石

愛の行方を探し彷徨ってる

静かに目を閉じたら見えて来る

届かないけど ハッキリと

はみ出なよ少しくらい
もっと夢は見れるはず

愛し合いてぇなお前と

Photo : Seiji Arita

捨て猫 《詩》

捨て猫 《詩》

「捨て猫」

世界の片隅 
孤独を抱いた捨て猫

残されたものは僕の弱さ

大切なもの ただ一つ

忘れたくないもの ただ一つ

わかっているよ痛いほど

誰の言葉も要らない

君に逢いたい

Photo : Seiji Arita

メリーゴーランド 《詩》

メリーゴーランド 《詩》

「メリーゴーランド」

神様と悪魔を巻いて火をつける

吐き出す煙と転がすネタ 

表と裏の悪事と山積みの束

判決 血祭り 留置の下り降り

媚びずに芯を通せば
筋書き通りの筋者 前科者

裏切りは無い 
法の網目 轍無き道

ばら撒く配当 群れる羊共

悲しみと憎しみ 絶望と欲望

回る希望と言う名のメリーゴーランド

見えない勇気 《詩》

見えない勇気 《詩》

「見えない勇気」

頑なまでの本当の言葉 

正しい道を示し出す

何処かに無くした純粋な心 

虹の行方を辿る

名前も知らない風が
迷うな振り向くなと背中を押す

目には見えないもので 
この街は出来ていて

魔法の呪文を囁く君が僕を手招きする

気付かなかった流星 

ダイアモンドの光

痛みを知る怖さに逃げ出した日々

いつか今も過去に変わる 
嘘みたいだろう

変わらず星は其処で輝いてい

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空に 《詩》

空に 《詩》

「空に」

貴方を想う空に 
木漏れ日が射す

貴方を想う空に 
風が揺れた

貴方を想う空に 
花が咲き

貴方を想う空に 
星が流れ

貴方を想う空に 
黄昏の光が包み込む

狭い街角で出逢った 迷子のふたり

独り手を伸ばす明け方

そして

貴方を想う空に 止まない雨が降る

Photo : Seiji Arita

無敵の詩 《詩》

無敵の詩 《詩》

「無敵の詩」

ビルに引っかかった歪な月

砂混じりの風

誰かが読み捨てた雑誌のページ
風に揺れてる

投げ捨てた煙草の空き箱

神様は超えられる壁しか与えない

どっかで聞いた様な話し

優しさと強さ 
振り向くと消えてしまいそうな夢

悲しみとは喜びとは

お前の影を抱きしめた夜

時代が映し出す鏡 己の生き様

夜の外れ 
道の終わりに答えはあるのかい

混沌に満ちた言葉の羅列

お前の無

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オルゴールの夜 《詩》

オルゴールの夜 《詩》

「オルゴールの夜」

道化師舞う滅びゆくエルドラド

微睡の円環 などる指先

ゼンマイ仕掛けのオルゴールの夜

蒼く乾いた風が漆黒の闇を染め
時の欠片に刹那の口づけを

愛の亡骸は永遠の慟哭と知る

禁断の夜に見た夢

闇の色彩 砂に変わる

Photo : Seiji Arita

明日 天気になーれ 《詩》

明日 天気になーれ 《詩》

「明日 天気になーれ」

星の数ほど流した涙が
小さな花を咲かせます 

祈る様に誓う様に
高く昇った月を見つめて

流される事なく前を向いて

見失いそうな心を
強く抱いてくれました

蒼白い月明かりの下
一緒に泣いた日 忘れません

明日があると
教えてくれたのは貴方でした

明日 天気になーれ
明日 天気になーれ

何度もそう言ってくれました

決して揺るがない力
愛しています

聞こえます

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春日 《詩》

春日 《詩》

「春日」

虹を描いた欠片 

途切れた想い蕾のままで

記憶の扉 

声にならない言葉を綴る

閉じたままの瞳は昏迷し覚醒を待ち
常識的思考を外れ彷徨う

重ねた未来 
まだ見ぬ花となり

目覚めても醒めない夢を見続ける

昏睡 狂想 春の日に

中原中也

スパンコール 《詩》

スパンコール 《詩》

「スパンコール」

時を埋め尽くす 終わりの無い夜

風が過ぎ去り季節は変わる

想いだけを残したまま

歩けず立ち止まり
見上げた夜空

スパンコールの星屑
照らす道化師の無言劇

消えゆく影を売り物にして

Photo ; Seiji Arita

記憶の星 《詩》

記憶の星 《詩》

「記憶の星」

戻る事ない愛の証

繰り返し孤独を写す夜空

狂い咲く記憶の星

虚像の薔薇 
束ねた愛

想いを掲げ 飾る満月

横たわる詩に明日の夢を

影を連れた届かぬ詩に
口づけを

二度と無い時に君の名前を

Photo : Seiji Arita

菜の花 《詩》

菜の花 《詩》

「菜の花」

枯れ葉舞い落ち 野に吹く風踊る

菜の花咲く季節 
心は留まり 花芽を見つめ

柔らかな光 

確かに君は其処に居た
僕は今でも此処居る

振り返ってよ 

笑顔に揺れるあの頃の顔で笑ってよ

Photo : Seiji Arita

夢の始まり 《詩》

夢の始まり 《詩》

「夢の始まり」

言葉にする前の想い

胸の中にある その気持ち

そのままでいいよ 怖くないよ

飾らなくていいよ 
本当の君が知りたいんだ

笑ってごらん 
もっと自惚れてごらんよ 

夢なんて 其処から始まる

綺麗だよ

Photo : Seiji Arita

岐路 《詩》

岐路 《詩》

「岐路」

虚栄を突き破る星の電光石火 

既成概念で練り固められた壁

瞑想 沈黙 
静かに忍び寄る足音

投げ捨てたジョーカー
錆びついたナイフ

昇る暁の聖地に深く沈めた
砕け散った偶像

誰かが俺を呼ぶ声が聞こえる

苛立ちと窮地 絶望感と孤立

苦悩 動乱 ひび割れた霧 

残された荒野に立ち尽くす岐路

Photo : Seiji Arita