砂漠の真ん中で空から自分を見つめてみる
エジプトの地中海沿いの町、アレキサンドリアから、まっすぐ西のリビアの方角に向かい、さらに南に下がった場所の砂漠のオアシスの町、シーワがある。
町から少し離れると、どこまでも、どこまでも続く砂漠。
その砂漠でボードを使って、砂漠滑りもできる。これがまた何にも変えがたい体験。サーフィンでもなし、スケードボードでもないが、周りに見える砂漠の絶景を見下ろしながら、砂の上を滑っていく、至福の心持ち。このまま砂漠を突っ切って、天へ昇っていくようだ。
シーワには、エコロッジという電気もインターネットもない、自然なロッジがいくつもある。そこで出された食事の一つ。これはダックの丸焼きザクロソースかけ。ザクロの甘酸っぱい味と、濃厚なダックの味が溶け合って、口の中でまろやかな天国を作る。
シーワには塩の濃度が濃い塩の湖が点在している。塩の濃度があまりに濃いので、何をしても沈まない。ずーっと浮いてられる幸せ。
砂漠ツアーでは、4WDで砂漠の起伏をガンガン走っていく。光る風に動く砂漠の砂。一刻一刻変わる風景。胸を突くアラビアの曲。
砂漠で見る夕日も絶景だ。案内してくれたベドウィンのドライバーのおじさんたちと、夕日を見ながら熱いお茶を飲む。
こんなシーワはまるで第二の故郷のよう。エジプトに行ってカイロのピラミッドだけ見て帰るのではなく、ぜひ足を伸ばしていただきたい場所だ。
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この美しい砂漠の旅をもとにした小説「金の砂漠」。
死を宣告された主人公が広大な砂漠に向かう。イスラムの文化を背景に、繰り広げられる冒険と不可思議な出来事の数々。ユダヤ民族主義と殖民運動を組織するユダヤ人シオニストたちとアラブの流血の紛争。女子割札(女性器切除)の悲しい実態。悪霊と幻想に翻弄された数々の奇怪な出来事。砂漠の古城の中、空中を旋回する魚やクラゲや鯨たち。次々に起こる非現実的な体験の後、主人公は、「土壌を清く保ちて個なる種を蒔け」という謎の言葉の意味を自分なりに探りあて、新しい自分への一歩を踏み出していく。
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