幸せを感じにくい脳から感じやすい脳へ
上のタイトルを見て、あなたはまず何を感じただろうか。
●どうしたら自分らしく生きることができるのか?
●折れにくくて強い心を育てるには?
●本当にしたいことを見つけて仕事にしていく方法は?
●人間関係で悩まずにすむ心構えは?
これらの疑問を持つ人は多いであろう。実存的不安と不確実性が現代社会に蔓延する中、私たちは自分の生き方を見失っている。2021年に行われた調査では、「人生において大切にしたい価値観」の第一位が「好きなことをやって生きる」(78.1%)とのこと。SNSの影響が考えられる。SNSで活躍して何十万人のフォロワーがいる人たちは、好きなことをやって自由に発信して生きているように見える。
その空気にあって私たちもいつの間にか影響を受けている。
多くの社会学者が指摘しているように、こんな世の中で混乱してしまうのは無理ないことだ。
これらの質問に答える自己啓発書や自己啓発コンテンツはごまんとあるし、よくある売れ線の「何か良いこと言ってそうな本」の表紙にあなたも引きつけられたことがあるかもしれない。
でもあなたの答えは、これらの啓発本には見つからなかっただろう?
私自身もそうだ。何のために生きるのか、どうしたら平常心で生きられるのか、どうしたら幸福感が続くのか、その動かない真理の道をずっと探してきたような気がする。
そこで本にしたのがこの「生きやすい空気:ストア派の叡智;死にいく私へ」ちょっと何を言ってるのかわからないタイトルだ。言いたいことを3点並べただけのタイトル。でも読み進めてもらえればなぜかわかってもらえる。
本書を出版した理由
私の名は浅井さとこ。2002年にアメリカで起業し、現時点では世界でトップ3に入る「スクーンカップ 」という月経カップを開発エンジニアリングし、世界36カ国で販売。起業するまでは、日本で生まれ日本の大学に行き、その後地方公務員として教育委員会に勤めていた。公務員の仕事は性に合わず、毎日がいやで暗い重雲の日々を過ごしていたが、まわりの反対を押し切ってアメリカへ留学。ニューヨーク大学でMBA取得後に大手のコンサルティング企業でマーケティングの仕事をして経験を積んだ。ソニーやエスティローダー、朝日新聞インターナショナルなどさまざまな企業のアカウントを持つ中で少しずつ力を蓄え、その後にニューヨークで起業。娘がまだ2歳の時だった。
それから22年間、会社を維持して大きくすることに専念し、日本にも会社を設立して日米の間を行ったり来たりする生活を続けている。
事業を経営するという事は、私にとってはお金を儲けることだけではなくて、楽しいこと、ワクワクするようなことをするための媒体。そして精神の修行でもある。
自分の信念や正義というものを生き方として具現化していくことを念頭に生きてきたし、これからもそうありたい。
人は皆それぞれなので、あなたにも好きなことを見つけようなどと言っているのでは決してない。この本があなたなりの正義や真実を見つけられるようなヒントになれば嬉しい。
見える景色は美しい方がいい。
今のままで、そのままで、心が穏やかな気持ちになる風景、モノの見方を先人の叡智にしたがって、ここで紹介していきたい、それがこの本の主旨である。
生きることの意味を求め、雑多な悩みに明け暮れ、不安や怒りを処理しながら生きていたのは何千年もの人間の歴史の中で、繰り返されてきたことである。
それを先人哲学者は、どう考え、どのように対処してきたのか。それを考察できる本にした。
もちろんこの本にあることをすべて鵜呑みにする必要はない。あなたが自分の心と頭で考え、自分なりの答えを出していけばいいし、また自分の答えを出さなくてもいい。心が軽くなればいいし、全く変わらなくてもそれでいい。ただ周りの人生に別の角度から光を当てることで見え方が違ってくる事は実感できると思う。
それだけでも何か新しい心と考え方が生まれ、勇気が湧いてくるかもしれない。
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目次
生きやすい空気 : 死にいく私へ
光と、水と、魂 18
時空間をかける脳 21
第1章
空から我を俯瞰する
コントロールの二分法 51
「これは不可欠なことか?」と自問する 52
静かな心でいる。 53
共同体の一員よりも「個」として生きる 54
なぜ人の目が気になるのか 55
俯瞰することで世界の見え方が変わる 57
逆境について黙考する 58
あえて試練を選んで逆境に強い魂を作る 59
テールエンドで時間をとらえる 60
目標かプロセスか 62
ゴッドファーザーに学ぶ裏切りの法則 65
怒りは自分自身へ牙をむけることになる 67
心が折れると骨折よりも長くかかる 69
限界を知る 70
物事にはいくつも側面がある 72
すべては親切を練習する機会 73
他人を裁かない 74
最善の復讐とは敵の様にならないこと 75
夢の叶え方と夢の手放し方 76
離れてみることも大切な一歩 77
自分で決めた人生なんてない 79
他人の評価は気にするな、自己をしっかり持て 81
言葉という武器の使い方 82
驚かぬこと、臆さぬこと 83
第2章
静謐な心。臨風の精神
何に善をおくのか 89
自分探しなんてクソだ 90
日誌をつける 92
脳の癖を攻略(ハック)する 93
負けのほとんどは自滅 94
勝ちと負けについて 98
クールでカームなものが勝つ 100
所作と呼吸。落ち着きと静かさ。 101
言葉に媚がない。態度に迎合がない 102
自分の人生を採点しない 103
良い気分でいようとせず今のままでよいと知る 104
人間関係は「返報の法則」を知ることから 105
第3章
感情について
感情なんてアテにならない 107
ネガティブでも大丈夫 108
ポジティブ思考への崇拝を止める 110
人生の避けられない挫折に備える(premeditatio malorum ) 112
ポジティブ思考の落とし穴 113
感情に囚われないで、自分を俯瞰する目 116
ノート言う勇気を持つ 117
まだ起こっていないことで苦しまない 118
第4章
旅人のように生きていく
苦しい時や辛い時は 120
語ること。黙すること。中途半端にしない。 122
黄粱一炊の夢: 栄枯盛衰もひとときの夢。 123
もしも●●がなかったら? 125
衝動に流されてはならない 126
幸福は安定せず、暫定的なり。 127
意見を持たないこと 128
朝が人生のクオリティを決める 129
貸しと借りについて 130
杞憂することはまず起こらない。 131
傲慢なく成功を受け入れ、無関心で失敗を処理する 132
会う人々に善を見る 133
不平不満は何も生み出さない 134
聞くことが学ぶこと 135
自分を他人と比較しない 136
自分自身に厳しく、他人に寛容であること 137
行動を起こす前に 138
すべてに学ぶ 139
あなたにとっての成功を定義する 140
課題を探す 141
日々、叡智を積む 142
多面的なものの見方 144
日々のこと 146
怒っている人のそばにいる時 147
一粒の砂の中に世界を観る 148
第5章
時間について
今を生きる 152
運命とは 154
所有することよりも時間を大切に 155
信念の炎を燃やせ 156
顔にも心にも怒りを浮かべない 157
誰かに怒りを持つ時 158
自らを厳しい場所に置く 159
あらゆる場面で冷静さを忘れないこと 160
すべてのものに限りがある 161
シンプルに、そして適切に 162
辛さは一過性のものと知る 163
努力は裏切らない 164
習慣化している日常に意識を向ける 165
よどみのない人生 166
自分が傲慢になっていないか振り返る 167
期待を裏切られたら予期しなかった自分を反省する 168
毅然として立ち続ける 169
不幸になるのは難しくはない 170
第6章
死に行く私へ
思い悩む事柄は全て灰と消える 172
心の静けさ 174
何事もとどのつまりは重要ではないのだ。 175
自分の死について瞑想する 176
浪費した時間の振り返り 177
何度も死んで何度も生まれ変わる毎日 179
毎日を最後の日として過ごす 181
一糸乱れぬ不屈の魂が善である。 182
静けさが鍵である 183
最後に 184
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