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「世界漂浪の記」 羽生隆 101選

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50年遅れの同じ日付で毎日投稿されていた羽生隆さんの旅行記「世界世界漂浪の記」の中から、何度も読み返したい特に印象深い投稿を集めました。
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2022年10月の記事一覧

❨405❩1972.10.10.火.曇/待つ時は、待つ以外に用がなければ、じっと待つのだ。/ポッセ:ブラジル(Posse:Brazil)

❨405❩1972.10.10.火.曇/待つ時は、待つ以外に用がなければ、じっと待つのだ。/ポッセ:ブラジル(Posse:Brazil)

2日待った。車はダメだった。
4台の車が来たが、全て満タン。先客がいてダメ。のらりくらりと、半日が終わる。
マンゴが鈴なりになってるのを、石で落として食べる。

近くのほったて小屋には、これまた俺同様、バイヤへ向かう2家族がいて、車を待っている。

長い旅をしているのか、汚れた衣類に鍋まで持っている。
可哀相に、雨が降って来ると小屋の隅っこにかたまっている。ロクな物も食っていない。

焚き火で豆を

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❨411❩1972.10.16.月.晴/サルバドール·インー好きなタイプの街・思い付いた未来案/Salvador:Brazil

❨411❩1972.10.16.月.晴/サルバドール·インー好きなタイプの街・思い付いた未来案/Salvador:Brazil

サルバドール。
古い建物が並ぶ落ち着いた感じの中に、露店が沢山立ち並び、いいムードの街だ。
俺の好きなタイプの街だ。

兎に角、海が美れいだ。
浜は、漁師のヨットが出入りする。そして子供が沢山いて、海水浴客達でにぎやかだ。

砂浜で太陽を一杯浴びながら、あの澄んだ水、美れいな砂のもとで伸び伸びサッカーに夢中になっている子供達は、ほんとうに生きている事の喜びという様なものを感じさせた。
人間も自然も

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❨421❩1972.10.26.木.晴/フォルタレザの強盗/フォルタレザ:ブラジル(Mossoro→Fortaleza:Brazil)

❨421❩1972.10.26.木.晴/フォルタレザの強盗/フォルタレザ:ブラジル(Mossoro→Fortaleza:Brazil)

フォルタレザ·イン。
日の出と共に、夜の涼しさは吹っ飛んでしまう。じっとしているだけで体力が消耗していく様だ。
一刻も早く、この赤道に近い土地から立ち去りたい。

午前10時、オニ·ブス(バス)に乗る。
フォルタレザまで240km、11コントで座席指定。誠に楽な旅となった。

1時、フォルタレザに着いた。街は割といい感じだ。海辺へ行く。
海岸に沿って、汚ないバラックが並ぶ。
潮の匂いと、その軒先か

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❨426❩1972.10.31.火.晴·曇/色々な人種の部落があるところを通る・日記2冊目終了/Teresina→Codo→D·Pedoro→(Brazil)

❨426❩1972.10.31.火.晴·曇/色々な人種の部落があるところを通る・日記2冊目終了/Teresina→Codo→D·Pedoro→(Brazil)

昼までに、80kmを走った。
二ヶ所小川があり、しばらく泳いだ。というより、 つかっていた。

かなりの坂道だったが、今日は割と良く走った。久々に調子がいい。

CodoとD.Pedoroの入口で昼飯。日記を付ける。頭がボ~~ンとしている。

このところポルトゲスが全く通じず、人間を見ると拒絶反応が起きて来る。
この辺の人間は、イヤな感じだ。ヤケに日本が恋しくなった。

意気込んで地道に走り込んだ

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