さんぽ絵ずし

さんぽしてスケッチ。 絵地図を描きます。 植物と古いものが好き。

さんぽ絵ずし

さんぽしてスケッチ。 絵地図を描きます。 植物と古いものが好き。

マガジン

  • 三浦半島釣り魚図鑑

    三浦半島の海で主に子どもが岸から釣った魚をイラストとあわせて紹介します。釣りも魚も初心者なので、まちがった記載があればお知らせいただけるとうれしいです。 タイトルは、基本的には標準和名をカタカナで、この地域で多く呼ばれている通称を(ひらがな)で記載しました。

  • 旅のスケッチ

    かつて旅で描いたスケッチを綴る「旅のスケッチ」ほか、旅に関する投稿をまとめました。

  • さんぽ絵図

    さんぽして描いた絵地図の投稿を集めました

  • さんぽ絵日記

    さんぽの記録をスケッチとともに綴ります

  • 庭には4羽にわとりがいる

    庭で飼っているニワトリについて

最近の記事

  • 固定された記事

風景をつくる手仕事

ほとんどの日本人がそうだと思うけれど、棚田が好きです。 私が育った場所では大きな川沿いにどこまでもまっすぐな車の通れる農道が続いていて、両側には一面に田んぼが続いていました。秋の台風のシーズンにはたまに、あふれそうになった川から越流堤を越えて流れてきた泥水をためる遊水池としての役割も果たしていた大きな田んぼは多分、そう古くない時代に整備された農地で、春から秋にかけてトラクターやコンバインが活躍していました。春には水が張られて田植えの頃には初夏の青空を写し、緑色の稲がいつしか

    • 三浦半島釣り魚図鑑(45) イシダタミヤドカリ

      実はタイワンガザミを釣った日に、もう一つ釣果があった。パパが釣った大きなヤドカリ。今までにもヤドカリが釣れたことは何度かあったけれども、そのまま海に投げ返して終わっていた。けれど、この日のヤドカリはなかなか大きかった事もあって、持ち帰ることにしたらしい。 イラストはもう殻から出されたあとの、無防備なヤドカリの姿だけれど、実際にはこんな大きなサザエがいるのか、というくらい大きなサザエの殻に入っていて、さらにその殻にはたくさんのフジツボや海藻がもしゃもしゃと生えていたので、さな

      • 旅のスケッチ 水上の町

        初めてそこを訪れたとき、地球上で一番素朴で、美しいところだと思った。 フィリピンの青年海外協力隊員だったとき、ときどきこっそり訪れていたのがここ、スリガオ州の小さな集落だった。 なんでこっそりかというと、当時(たぶん今も)ミンダナオ島はイスラム過激派の活動がさかんで、特に山間部を隊員が訪れることは禁止されていたのだけれど、私がいるダバオ州はミンダナオ島南端にありスリガオ州は北端にあるため、通常なら空路でいかないといけないところ、航空券はもちろん高いのでバスで行かざるを得ず

        • さんぽ絵日記 長井町荒井の道切り

          長井の道切りのことを知ったのは、三浦半島の地図でだった。いくつかのさんぽコースがピックアップされたマップのひとつに、長井の「道切り」と呼ばれるワラでできた魔除けの風習が、町内3カ所にある、と書かれていた。ほう、三浦半島にもあるのか、と思った。 以前、私の出身地の近くの、房総風土記の丘という公園で、再現された道切りを見たことがあった。わらで作られた魔除けの縄や大蛇を作る習わしは、今も房総の一部で引き継がれているとのことだったけれども、本物は見たことがなかった。 なんだか呪術

        • 固定された記事

        風景をつくる手仕事

        マガジン

        • 三浦半島釣り魚図鑑
          48本
        • さんぽ絵図
          8本
        • 旅のスケッチ
          10本
        • さんぽ絵日記
          14本
        • 庭には4羽にわとりがいる
          4本
        • 「世界漂浪の記」 羽生隆 101選
          101本

        記事

          三浦半島釣り魚図鑑(44) タイワンガザミ

          その日息子は、スマホゲーム、ポケモンGoのイベントがあって、わざわざレアなポケモンが出現する時間を狙って人が集まるところに行ったのに、結局捕まえることができず、残念な顔をして帰ってくるなり、「夜釣りいきてー」と言い出した。オンラインの世界のうさをリアルで晴らす、悪くない選択だ。 確かに風がなく、雨予報もなく、(行ってわかったことだけれど)潮はこれから満ちてくるところで、寒くも暑くもない釣り日和だったので、久々に行こうか、と親子で夜釣りに出かけたのだった。 いつの間にか息子

          三浦半島釣り魚図鑑(44) タイワンガザミ

          さんぽ絵日記 材木座の宵宮

          材木座の五所神社の祭りは神輿が海に入ることで知られ、「乱材祭」と呼ばれている。かつての地名、乱橋村と、材木座村の頭文字を取ったのだという。滑川を挟んだ対岸の由比ヶ浜の祭りが鎌倉の夏祭りシーズンの到来を告げると、その次の週が乱材祭の日程となる。 私も何度かこの祭りの海上渡御を見に行ったことがあるけれど、ふんどし一丁の男たちに担がれた神輿が浜を一直線に海へと進んで、そのまま波の中にざぶざぶと入っていく様はただ見ているだけでもなかなか面白くて、実際に担いだらさぞかし楽しいだろうな

          さんぽ絵日記 材木座の宵宮

          さんぽ絵日記 由比ヶ浜の宵宮

          夏の匂いが町じゅうに立ち込めていた。お米屋さんに行こうとしたら、いつもの駐車場が祭りの休憩所になっていたので、お米屋さんに尋ねると、今日明日が葛原岡神社の祭りだという。 鎌倉の祭りシーズンの幕開けとなる由比ヶ浜の祭りは、丘の上にある葛原岡神社の祭りなんだそうだ。普通、氏神さまは町内にあることが多いと思うけれども、ここでは何故か少し離れた神社の神輿を下ろして、由比ヶ浜周辺の町内で担ぐのだそう。 そういえば今までもこの祭りには何度か遭遇している。たいてい車で鎌倉を抜けようとし

          さんぽ絵日記 由比ヶ浜の宵宮

          さんぽ絵日記 黒崎の鼻

          私はどちらかというと風景において、大自然の造形というよりは人々の暮らしの見える景色が好きだ。ちまちまと細い道の先の空や階段から細切れに見える海を見て、そこに暮らす人とすれ違うようなさんぽが好きだ。 だから、黒崎の鼻と呼ばれている三浦半島の岬の風景にそこまで惹かれていた訳ではなかったのだけれど、一度くらい行ってみようかな、と京急の終点、三崎口駅から歩くことにした。 ちなみに、地元の人は知っていると思うけど、三崎口駅をよく見ると、口の前に小さく「マグ」と書かれていて、三崎マグ

          さんぽ絵日記 黒崎の鼻

          まちを、あつめる

          物心ついた頃から、旅先でタダでもらえる紙類を集めるのが好きだった。切符、動物園のチケット、箸袋、紅茶のタグ。思い出のかけらで、そこでしか手に入らないから、普段生活範囲が狭かった女の子にとっては貴重な品々。 中でも観光地の見所を示した地図が特にお気に入り。無料でいただけるパンフレットにのったその土地ならではの素敵な場所を教えてくれる絵地図。上から見る、ことで鳥のように自由にあちこちを見渡せる楽しさ! なので各地に行くたびに絵地図をもらって貯めているのだけれど、年齢を重ねてそ

          まちを、あつめる

          吉沢川から二階堂川へ 滑川源流歩き

          早春の山もいいけれど、八重桜が散ってから蚊が出てくるまでの貴重な新緑の季節も大好き。汗ばむ季節は水辺を歩きたくなる。 鎌倉のほぼ中央を流れ、北と南に二分している滑川には別名が多くあり、場所によって名を変えていく。下流では閻魔川。中流にある本覚寺の夷堂橋のあたりでは夷堂川。雪ノ下あたりでは座禅川。そして上流の朝比奈あたりでは、鎌倉殿の13人でも名場面のひとつだった上総介広常を梶原景時が切ったその太刀を洗ったといういわれから大刀洗川と呼ばれている。 この大刀洗川のあたりで枝分

          吉沢川から二階堂川へ 滑川源流歩き

          さんぽ絵日記 長勝寺の水行

          海岸のイメージが強い材木座だけれど、それよりはだいぶ内陸に入った、横須賀線の線路に近いあたりにある長勝寺。道路から見ると白っぽく新しい塀が目立つのでそんなに古いお寺ではないのかも、なんて思っていたが、やはりそんなことはなかった。鎌倉だもの。 境内にある法華堂と呼ばれる建物は、創建当時のもので、室町時代に建てられたのだという。 この日長勝寺に向かったのは年に一度行われている水行があるからで、さんぽついでに立ち寄ってみようと思ってのことだった。山門や本堂には五色の布がかけられ

          さんぽ絵日記 長勝寺の水行

          さんぽ絵日記 御谷(おやつ)の森

          今年は咲くのが遅かったさくらがちょうどあちこちで鎌倉を彩っていた頃、名前だけはよく知っていた御谷を訪れた。 ここは鶴岡八幡宮のすぐ裏手にあり、北鎌倉から鎌倉へぬける通りからも近いので、きっと近くを通り過ぎたことのある人は多いと思うけれど、御谷の奥まで入ったという人は案外少ないのではないか。これまでの私のように。 かねてから、鎌倉の山は書き割りのようだと思っている。海側から八幡さまの方を向いて見ると、鎌倉にはまちをぐるりと囲むように山が巡っていて、それこそが天然の城砦であり

          さんぽ絵日記 御谷(おやつ)の森

          さんぽ絵日記 久木神社の豆まき

          だいぶ季節外れになってしまったけれど、節分の日こと。 小さい頃は父が帰ってくるのを待って豆まきをした。寒い夜空に響く父の大きな「鬼は外、福は内」の声と、闇に吸い込まれていく豆。 もちろん子どもだった私も豆はまいたけれど、どちらかというと豆まきは家長がやるもの、という感じだったので、夜に大きな声で大人が豆をまくというのが、子ども心に面白いなあと思っていたものだった。 今、うちでは子どもたちが豆をまくことが多い。イワシの頭をヒイラギに刺して魔除けにする、というのも、もうやる

          さんぽ絵日記 久木神社の豆まき

          旅のスケッチ ダバオへ

          青年海外協力隊に応募しようと思ったのは、海外で働いてみたいという気持ちからだった。勤めていた会社が倒産して同じような職種につくのもなんだかな、と思っていたときに、半ばモラトリアムのような不純な気持ちで選んだものだ。誰かを助けたいというような高尚な気持ちはあまりなくて、今までの専門分野を生かしつつ、今までと違う環境に身を置くことができる協力隊に魅力を感じていた。 協力隊は、イメージでは汗水流して発展途上国で井戸を掘ったり、畑を耕したりするのだと思っていたけれど、実際には教師な

          旅のスケッチ ダバオへ

          漂浪の果てに

          長い旅は終わった。とあるnoteの話だ。50年前にいた、ある若者の2年半に渡る旅。その当時の日記を50年後の日付けで書き起こしてnoteに投稿していたのは、若者こと羽生隆さんの娘さん。きっと毎日記事を投稿する彼女にとっても長い旅であったはず。 私がnoteを始めるきっかけにもなった、羽生隆さんの「世界漂浪の記」については、以前も書いたので、詳細は省くけれど、 その、2年半におよんだ毎日の日記という記事を私もほぼ毎日楽しみに読んでいて、また読み返したいな、というものをコレク

          漂浪の果てに

          庭には4羽にわとりがいる エサやり

          ニワトリとの暮らしを始めて3年近くになる。記事を書いてはいなかったけれど、トリたちは元気。このシリーズもずいぶん間があいてしまったけれど、今回はニワトリを飼いたい人の参考となればとうちであげているエサについてまとめてみます。 土と微生物 まずは、土。土を食べるの?と半信半疑だったけれど、腐葉土になりかかっているような土にはたくさんの微生物がいて、どうやらこれを土と一緒に食べているよう。微生物とは言っても、よく目を凝らせば見えるような小さな虫のようなダニのようなものから、目

          庭には4羽にわとりがいる エサやり