鈴木栄は黙らない。

とあるBreweryのHead brewer。兼、休日副業Bixer Brewing(…

鈴木栄は黙らない。

とあるBreweryのHead brewer。兼、休日副業Bixer Brewing(個人事業)。ビール作りは簡単で難しい。noteの売上は全額、セーブ・ザ・チルドレンに寄付しています。 Bixerの方でビール醸造の教科書執筆中。興味ある方ご連絡ください。

記事一覧

ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.8 Alora(アロラ)

「Mosaic」、「Citra」に続くスーパースターの誕生となるか! 前書き 私のnote「鈴木栄は、黙らない」ですが、すっかり黙ってしまっていて申し訳ございませんでした。ブ…

ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.7 Superdelic(スーパーデリック)

前書き まだ「Nectaron(ネクタロン)」の話題がホットなうちに続いてのスター候補の噂が流れてきています。その名も「Superdelic(スーパーデリック)」。私も教えてもら…

DIP HOP製法が思っていたよりクラフトクラフトしていた件

結論から言うと、①「DIP HOP製法はかなりクレイジーでクラフトってる」というのと、②「DIP HOPを正しく理解できいている人ほとんどいない説」という2つのことを説明して…

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Hotな話題?のCold IPA

100年ぶりの投稿になりますね。 「note見ています。」と言われることが増えまして、「ありがたい」と思う反面、「変なこと書けないな」って緊張し始めている今日この頃で…

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ドライホッピングのドライって何のことか説明できる人います?

ひろゆき風な題名ですが、煽っているわけではないので悪しからず。 というか、私も説明できない人の1人です。 結論、答えは結論づけられていないようです。 こんなに使…

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傍観者効果

今回は醸造の話ではありません。時々、醸造関係でイップスになったら宇宙、心理、文学、アートなどで気晴らしするのですが、その類です。最後はWikipediaの引用で締めくく…

ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.6 Nectaron

前書き 近年、『ニュージーランドスタイルペールエール』と『ニュージーランドスタイルIPA』がアメリカのブルワーズアソシエーションの発表しているスタイルガイドライン20…

〇っぱいは正義

最高ですよね、酸っぱいビール。ですが、酸っぱいビールについては好みが分かれます。嫌いな人は本当に嫌いだし、日本の酸っぱいビール市場はまだまだ小さいように思えます…

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ブルワーという職業

ビール醸造士に転職から2年半(2020年時)が経って日々思うことについて綴ります。 この職業に興味を持つ若い人へのヒントになればと思っています。 ※有料記事も書いてま…

ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.5 Sorachi Ace

前書き 避けては通れない、ソラチエース。 日本産のホップとしては最も有名なホップかもしれないですね。 そして、僕が知る中で最も不遇な経験をしたホップでもあります。…

ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.4 Ekuanot

前書き 私が選ぶワールドクラスホップベスト10の1つです。 かつてはEquinoxと呼ばれていました。 レモンやライムの柑橘類、パパイヤやリンゴなどの果物、ピーマンやハ…

IBUの舞台裏

クラフトビールに精通している方ならIBUがInternational Bitterness Unitsの略で、苦味の強さを表す尺度であるということまではご存知かもしれません。では、例えば「25 IB…

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ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.3 El Dorado

前書き 鈴木的、ワールドクラスホップベスト10の1つです。前回のSimcoeもワールドクラスホップベスト10の1つです。すっかり書きそびれていました。今度、ワールドク…

ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.2 Simcoe

前書き 僕はかなり好きで多用しがちです。「ステロイドのカスケード」と称賛されることもあるようですが、カスケードとは比較が難しい、異なるキャラクターだと思います。…

ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.1 Columbus

前書き クラフトビールに熱中し始めた2014年頃は、ビールに関する知識や情報が欲しくてもWikipediaに書いている程度のことを、わざわざ書籍や記事にしたような〇〇みたいな…

シン・「ジアセチル」問題

ちょっとマニアック過ぎるので醸造に興味ない方は見ない方が良いです。今からの掲載する問題は、比較的に新しい研究の成果であって、日本においてはあまり議論されていない…

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ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.8 Alora(アロラ)

ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.8 Alora(アロラ)

「Mosaic」、「Citra」に続くスーパースターの誕生となるか!

前書き

私のnote「鈴木栄は、黙らない」ですが、すっかり黙ってしまっていて申し訳ございませんでした。ブルワリーの所属先が変わるなど、怒涛のような空白期間を過ごしていました。投稿は11カ月ぶりだそうです。最近では、「note見ています」とメッセージ頂くことや、声をかけて頂くことが増えました。ありがたい限りです。今後は、投稿頻

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ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.7 Superdelic(スーパーデリック)

ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.7 Superdelic(スーパーデリック)

前書き
まだ「Nectaron(ネクタロン)」の話題がホットなうちに続いてのスター候補の噂が流れてきています。その名も「Superdelic(スーパーデリック)」。私も教えてもらうまでは全く知りませんでした。学生時代にニュージーランドに住んでいた業界の仲間が、しばらくぶりにニュージーランドを訪れて、このホップを使ったビールを持って帰ってきてくれました。なんとこのホップ、2023年になってから発売さ

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DIP HOP製法が思っていたよりクラフトクラフトしていた件

DIP HOP製法が思っていたよりクラフトクラフトしていた件

結論から言うと、①「DIP HOP製法はかなりクレイジーでクラフトってる」というのと、②「DIP HOPを正しく理解できいている人ほとんどいない説」という2つのことを説明していきたいと思います。ちょっと敵を作ってしまいそうな出だしですが、そんな意図はないので怒らないでぜひ最後まで見てください。

僕が説明なんかしなくてもこれらを読めば正しく理解できると思います。

https://ipforce.

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Hotな話題?のCold IPA

Hotな話題?のCold IPA

100年ぶりの投稿になりますね。

「note見ています。」と言われることが増えまして、「ありがたい」と思う反面、「変なこと書けないな」って緊張し始めている今日この頃です。こうやってロックなミュージシャンも丸くなっていくのかな。そんなこんなで執筆が滞っておりました。えぇ、嘘です。皆様のせいではありません。普通に忙しすぎて何も書けない状態で、もっと言うと、書くほどのネタを収集できていないというのが現

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ドライホッピングのドライって何のことか説明できる人います?

ドライホッピングのドライって何のことか説明できる人います?

ひろゆき風な題名ですが、煽っているわけではないので悪しからず。

というか、私も説明できない人の1人です。

結論、答えは結論づけられていないようです。

こんなに使われている言葉なのに意外じゃないですか?

では、どのような説があるのか。

調べてみた結果、なかなか面白い説を見つけたのでご覧頂きたいです。

そもそも、私の記事を見てくれている方々は、ドライホッピングについては、ご存知かと思います

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傍観者効果

傍観者効果

今回は醸造の話ではありません。時々、醸造関係でイップスになったら宇宙、心理、文学、アートなどで気晴らしするのですが、その類です。最後はWikipediaの引用で締めくくっているので、全く難しい話はなく、愚痴っぽい無駄話と思ってください。

中学生のときのこと。
詳しくは覚えていないから、所々に間違いや脚色はあるかもしれないけれど、主観的に覚えている15年前の記憶にアクセスしてみる。

ありがちな「

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ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.6 Nectaron

ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.6 Nectaron

前書き
近年、『ニュージーランドスタイルペールエール』と『ニュージーランドスタイルIPA』がアメリカのブルワーズアソシエーションの発表しているスタイルガイドライン2021年に追加されたように南半球のホップが「ニューワールドホップ」として注目を浴びています。ニュージーランド産ホップのアイデンティティとオリジナリティが世界に評価されているということです。今回紹介するのは17年以上の年月をかけて開発され

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〇っぱいは正義

〇っぱいは正義

最高ですよね、酸っぱいビール。ですが、酸っぱいビールについては好みが分かれます。嫌いな人は本当に嫌いだし、日本の酸っぱいビール市場はまだまだ小さいように思えます。一口に酸っぱいビールと言っても、酸っぱいビールは非常に多様性があり、ビールという飲み物をより面白くしている必要不可欠な要素の1つであり、その事実を否定することは誰にもできません。最近、サワービール、特にケトルサワービールの人気も非常に高ま

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ブルワーという職業

ブルワーという職業

ビール醸造士に転職から2年半(2020年時)が経って日々思うことについて綴ります。
この職業に興味を持つ若い人へのヒントになればと思っています。

※有料記事も書いてます。全額寄付しますので、興味ありましたら読んでください。自分のアウトプット力と世の中に少しでも役立つようにゆるく頑張ってます。

家業が酒造や酒屋関係でもない限り、20歳を前にこの世界を目指す人はほとんど居ないはずの少し特殊な職業で

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ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.5 Sorachi Ace

ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.5 Sorachi Ace

前書き
避けては通れない、ソラチエース。

日本産のホップとしては最も有名なホップかもしれないですね。
そして、僕が知る中で最も不遇な経験をしたホップでもあります。
ちょっと関係者関連に絡む話でもあるので、これに関しては詳しく述べませんが、産まれてくる時代を間違えたのか、時代が追いつけなかったのが悪いのか。

基 本
ソラチエースは平均12%〜13%のアルファ酸。
最大16%を達成したという報告も

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ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.4 Ekuanot

ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.4 Ekuanot

前書き
私が選ぶワールドクラスホップベスト10の1つです。

かつてはEquinoxと呼ばれていました。

レモンやライムの柑橘類、パパイヤやリンゴなどの果物、ピーマンやハーブの香りと表現されることが多く、「なんのこっちゃ分からない」なんでもありの例えと、一貫性のなさに捉えどころがない感を醸し出しています。ホップの使い方が上手じゃないときの「ピーマン」感は確かに分かる気がします。収穫年差はあります

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IBUの舞台裏

IBUの舞台裏

クラフトビールに精通している方ならIBUがInternational Bitterness Unitsの略で、苦味の強さを表す尺度であるということまではご存知かもしれません。では、例えば「25 IBU」や「1000 IBU」とは何を計算したものなのか?ここまで説明できるあなたはビアギークです。

手短に説明すると「1IBUは1リットルの水またはビールに1 mgのイソアルファ酸が含まれる」ことを指し

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ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.3 El Dorado

ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.3 El Dorado

前書き
鈴木的、ワールドクラスホップベスト10の1つです。前回のSimcoeもワールドクラスホップベスト10の1つです。すっかり書きそびれていました。今度、ワールドクラスホップで打順組んでみます。とても雑に、一言でこのホップを言い表すならば「パイン飴」フレーバーです。

基 本
α酸 13-17%程度
トロピカルフルーツ、パイナップル、ストーンフルーツ、マンゴー、キャンディの味。洋ナシ、スイカの香

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ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.2 Simcoe

ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.2 Simcoe

前書き
僕はかなり好きで多用しがちです。「ステロイドのカスケード」と称賛されることもあるようですが、カスケードとは比較が難しい、異なるキャラクターだと思います。フレーバーはColumbusと同じく、「ダンク(マリファナっぽい香り)」と表現されます。

個人的には同じダンクでも「Columbusは土」に寄っていて、「Simcoeは草」に寄っているような捉え方をしています。また、コフムロンといって「不

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ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.1 Columbus

ギーク過ぎる原料解説HOP Vol.1 Columbus

前書き
クラフトビールに熱中し始めた2014年頃は、ビールに関する知識や情報が欲しくてもWikipediaに書いている程度のことを、わざわざ書籍や記事にしたような〇〇みたいな文字の羅列ばかりが並んでいてウンザリしたことを覚えています。しかしながら、生きた知識が一部のブルワーから発信されていたことは僕にとって救いでした。それがこの世界に投げられた数少ない情報と手がかりにして、小さな入り口だったのかも

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シン・「ジアセチル」問題

シン・「ジアセチル」問題

ちょっとマニアック過ぎるので醸造に興味ない方は見ない方が良いです。今からの掲載する問題は、比較的に新しい研究の成果であって、日本においてはあまり議論されていない問題の一つです。久しぶりにググッてみたら新ジアセチル問題の「Hop Creep」について書いている日本人がいた!正直、僕より分かりやすいです。100円払わず勉強できます。それでも、僕目線からこの記事を読んで頂ける方は是非。

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