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傍観者効果

今回は醸造の話ではありません。時々、醸造関係でイップスになったら宇宙、心理、文学、アートなどで気晴らしするのですが、その類です。最後はWikipediaの引用で締めくくっているので、全く難しい話はなく、愚痴っぽい無駄話と思ってください。

中学生のときのこと。
詳しくは覚えていないから、所々に間違いや脚色はあるかもしれないけれど、主観的に覚えている15年前の記憶にアクセスしてみる。

ありがちな「今年の学校祭は何をやるか」という先生の問い。僕の担任の専門は音楽だったから、どうやら合唱をさせたいようでした。民主主義の形態をとってはいましたが、明らかに先生のバイアスがかかりまくっていることが誰の目にも明らかでした。その場ではすぐには決まらず、先生は一度、教室を出たと記憶しています。クラスの皆んなは先生がいなくなると「合唱なんて絶対に嫌だ。」「ボイコットしようか。」など口々に言っていた。結局何をやりたかったから、合唱に反対したのかは覚えていないけど、多数決で「合唱をやりたくない」に手を挙げたのは僕だけでした。ショックとかは無くて、ただただ「皆んな、お利口さんで、糞野郎だな。」と思いました。

先生は目を血走らせながら僕に「反対なら何をやりたいのか言ってみなさいよ!周りは皆んな賛成しているわよ!」と怒ってきたと記憶しています。さらに、先生は怒った勢いのまま教室から出ていってしまいました。でも、実は廊下からクラスメートの声や反応を盗み聞きしていたんです。僕は頭の悪い子だったけど、ずる賢さはあって、どの先生がどんな足音を鳴らすかはよく知っていました。クラスメートはそれを知らずに「英雄だ!」「よく言い返したな!」「俺も手を挙げようと思った。」など色々空っぽなことを言っていたけど、僕は何も言わずに黙っていた。何故ならもちろん盗み聞きされているから。今更、文句言っている奴らの意見を先生に聞かせたかった。

案の定、廊下でそれを聞いていた先生は、教室のドアの前に姿を現して、何も言わず、睨みをきかせて職員室に戻っていきました。顔は見てないけど、僕に声をかけてしまったクラスメートは戦慄していたと思います。今回は、短い間隔でコツコツと硬い音が廊下から聞こえてきて、次第に小さくなっていった。その音からはプライドの高さと、悔しさが読み取れるようだった。

その後、何人かの生徒がその出来事を親に話して、保護者説明会みたいなのが開かれた。結局、やり取りの印象の方が強くて、合唱はやったのか、やらなかったのかは覚えていない。でも、その先生は結局、担任を降ろされたんじゃなかったかな。たしか。

その先生はその後、僕に厳しくなったということはなく、逆に少し特別扱いのような優しさすら見せてくれたけど、それがかえって奇妙でもあり、大人って怖いなとは思いました。怖い大人は担任もそうだけど、担任を引きずり下ろしたクラスメートの親たちも怖くて、イカれているように思えたんです。

これらの登場人物で僕が1番嫌いなのは、裏で陰口ばかり言って、力のある者の前では媚び諂えて、自分の意見を主張しない傍観者のクラスメートでした。完全に安全なところでしか自分の意見を話さない人たちは信用がならないと思ってしまった。だから僕は今も自分の意見を言わない奴のことは信用しません。昨今のSNSで炎上騒ぎに薪をくべる連中もこの類いだと思ってます。目の前にいると小動物のように怯えて、安全な場所からは百獣の王のような振る舞い。もはや負けることからも逃げているような姑息な奴が1番嫌いという話なんです。

最近、職場で長年会社に尽力してくれた方が辞める際に、職場のLINEで、最後に感謝のメッセージを添えてくれたというごくごく普通の出来事があった。僕が見たときは、既読は5.6人付いているのに、誰も反応はなかった。私はこれからも付き合いがある方と思ったので、あまり形式ばらず、長ったらしくせず、手短に感謝の気持ちをグループLINEに送りました。そうすると今度は、次々と他の人たちが追随するように感謝のメッセージを送った。どうやら周りの様子を伺いあっていたらしい。何の空気を読みあっていたのか知らないけど、先に話した中学生のときの出来事に似たような気持ちになったのです。

お世話になった人に感謝するのを禁じる会社がどこにあるんだと思ったのと、大切なのはお世話になった人に感謝する方であって欲しかったなと思いました。

傍観者効果の1番最悪なケースは目の前で誰が倒れていたりしても、誰かが困っていても「俺じゃなくて誰かが」とか考えたりして、1番最初に駆け寄らないことですよね。

そんなに周りの目とか、空気を読むって大切ですかね?

出ていく人に感謝を伝えるというそんな当たり前のことが怒られてしまうようなそんなふざけたルールが仮にも会社にあるのだとしたら、そんなルール破ってやって、ぶっ壊してやれば良いと思うんです。

ましてや、そんなルールはないのに、勝手に見えない敵に怯えるって感覚は捨てた方が良い。

やっぱり僕は意見を言わない傍観者が嫌いだという話でした。ほとんど愚痴ですが、文字に起こすことでスッキリしました。

心理学の世界では、そういった冷徹な人が悪いのではなく、傍観者効果が発生しないようなシステムの構築が必要と言うのですが、なかなか難しい問題ですよね。これができたら色んなことに応用できそうです。

傍観者効果(ぼうかんしゃこうか、英語: bystander effect)とは、社会心理学の用語であり、集団心理の一つ。ある事件に対して、自分以外に傍観者がいる時に率先して行動を起こさない心理である。傍観者が多いほど、その効果は高い。

これは、以下の3つの考えによって起こる。
1. 多元的無知 - 他者が積極的に行動しないことによって、事態は緊急性を要しないと考える


2. 責任分散 - 他者と同調することで責任や非難が分散されると考える


3. 評価懸念 - 行動を起こした時、その結果に対して周囲からのネガティブな評価を恐れる

(Wikipediaより)

言わなくてもいいことを言いたい性格をどうにかしたいと思いながらも、今日も鈴木栄は黙らないのでした…。

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