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奇妙な味のショートストーリーズ

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これまでに書いた掌編、短編、ショートショートをまとめています。奇妙な味の作品が多いです。
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2017年10月の記事一覧

大晦日の夜【掌編小説】

大晦日の夜。

こたつに大人達が集まって年を越そうとしている。

まだ子供だった、兄、私、弟は、除夜の鐘を聞こうと意気込んでいたものの、早々に寝床で布団をかぶってしまった。

眠い目をこすりながら小便に立った私は、障子の向こうで親戚の誰かが父と母にこう言ったのを聞いた。

「子供の内で、誰が一番かわいいか?」

父は田舎のオヤジらしく「長男だ」と言った。

母は優しい声で「やはり末の子がかわいい」

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部屋の写真【掌編小説】

彼の部屋にはおびただしい数の写真が貼られている。
本当におびただしい数だ。

貼られているというより、幾重にもかさなった写真の下に壁が塗り込められている、と言ったほうがいい。

彼は写真家を目指しているのだ。

彼には大きな情熱があった。

しかし、その情熱の器の中に才能は満たされてはいなかった。

それでも彼は毎日写真を撮って部屋に貼り続けた。

何十年かが経った。

彼は写真家にはなれなかった

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