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「変化を求めないこと」の閉塞性が強く感じられる物語~映画『アリスとテレスのまぼろし工場』~
※ネタバレがあるかもしれないです。
正直、この映画に関しては鑑賞する前には、あまり期待していませんでした。
映画の上映前に流れる予告映像を観る限り、個人的に「なんか暗い話っぽいな……」と感じてしまっていたためです。
また、それ以外に「なんか気持ち悪い」という思いもありました。
気持ち悪いというか、なんとなく「居心地が悪い」とでも言うべき違和感を持っていたんです。
そんなふうにかなりのマイナス印
ホラー映画のテイストを取り入れた推理映画~映画『名探偵ポアロ べネチアの亡霊』~
※ネタバレをする。
こういう「世界的な名作」と呼ばれるような作品の映画だと、なんだかその時点で安心して観られるような精神状態となってきました。
なんだか精神的に「守り」に入っているようで、なんとなくイヤな感じもしますが、年を取ってくるとそんな感じになるのかな、とも思ったりします。
そんな個人的な感傷はさておき。
この『名探偵ポアロ ベネチアの亡霊』は、タイトルからもわかるように「探偵モノ」と「
「特別な人間」らしさを消した名探偵の物語~映画『ミステリと言う勿れ』~
※ネタバレをするかもしれません。
人気作だとは知ってはいましたが、漫画もドラマも未見です。
とは言え、いろいろと良い評判は聞きますし、映画単品でも楽しめそうな雰囲気ではありましたので、観てみました。
結果、まあ面白かったです。
事前知識が乏しくても楽しめるのは、非常に良いところですね。
一話完結型の原作モノは、こういうところがありがたいです。
ストーリー的には、まあまあ、て感じでしたかね。
結末がわかっている作品をどう楽しませるか~『ドラキュラ/デメテル号最後の航海』~
※ネタバレありますのでご注意を。
ブラム・ストーカーの書いた小説『吸血鬼ドラキュラ』、そのなかに登場する「デメテル号船長の航海日誌」を映画化する、という、そのコンセプトがすでにマニアックすぎる映画です。
とは言っても『吸血鬼ドラキュラ』は知名度は高いですが、実際に原作を読んでいる人間は少ないかと思われます。
その点では、かなり面白い試みなのではないでしょうか。
『ドラキュラ/デメテル号最後の航
約30年ぶりの邂逅~映画『ホーンテッド・マンション』~
※ネタバレはあるかもないかも。
「ホーンテッド・マンション」と聞いて、仲間由紀恵さんが声優を務めていたアニメ『HAUNTEDじゃんくしょん』を思い出す少数派は私くらい、として。
ほとんどの方は当然、ディズニーランドのアトラクションである「ホーンテッド・マンション」を思い出すことでしょう。
そんな「ホーンテッド・マンション」が映画化する、と聞いて楽しみにしていた……と言えれば良いんでしょうけれども
「なんか気持ち悪い」をうまく演出した良作~映画『スイート・マイホーム』~
※ネタバレあります。気を付けて。
「家を買う」って、ほとんどの人にとっては大きなイベントだと思います。
自分は賃貸の気軽さから逃れられない人間なので、おそらく家を買う経験はしないでしょうが、友人から「ローンが数十年」みたいな話を聞くと、ちょっとやそっとの覚悟ではできないことかと。
ただしそんな「ちょっとやそっとの覚悟ではできない」からこそ、自分の家、マイホームを手に入れるのは大きな喜びでもあり
人生もお芝居のようなもの……ってこと?~映画『アステロイド・シティ』~
※ネタバレしてる可能性あります。ご注意。
映画館でフライヤーを見つけて「あ、なんか面白そう」と思ったのが、この『アステロイド・シティ』。
この感覚、なんか既視感があるな……と思っていたら、ウェス・アンダーソン監督の前作『フレンチ・ディスパッチ』のときも、同じ感じで観に行ったのでした。
なんかポップでオシャレな感じが好きなのかもしれません。
私自身には、オシャレ要素は欠片もありませんが。
この『