「とにかく派手にやってやる!」勢いがものすごい快作~映画『PATHAAN/パターン』~

※ネタバレあります。







最近、今までにも増して「インド映画」が熱いですね。
インド映画と一口に言っても、撮影する地域によっていろいろと違うようですが、とにかく「歌って踊るのがインド映画」との認識が強いのは間違いないでしょう。

と言っても、私自身はインド映画、それほど多く観たわけではありません。とくに「現代を舞台にしたインド映画」は、ほとんど観た経験がなく、この『PATHAAN/パターン』は「スパイ映画」に分類されるとのことで、はてさてどんなものか……とワクワクと若干の不安を抱えながらの開演待ちだったわけです。

でもですね、もう始まってしまったら「こりゃーすごい」の一言でした。
もうとにかくアクションが派手派手。
「どうだ、こんなことしちゃうぜ!」「次はこんなこともしちゃうんだぜ、すごいだろ!」と、ガンガン主張してきます。
「スパイってのは、目立っちゃダメなんじゃないのか?」と思いましたが、そんな疑問は小さなこと、とにかく次から次へ披露されるものすごいアクションの連続に、細かいことは何も気にならなくなる勢いがありました。
あまりにもアクションが濃厚すぎて、ひと段落したところで「あれ、ストーリーはどんなだった?」と一瞬記憶が飛ぶくらいです。

途中でピンチに陥ったパターンの救出に、映画『タイガー 伝説のスパイ』の主役であるタイガーが現れ、これまたド派手なアクションを繰り広げます。
……が、実は私『タイガー 伝説のスパイ』は観ていません。
そのため「誰だ!?なんか強いけど!誰だ!?」とちょっと混乱状態でした。
でも大丈夫、理解する必要なんかないんです。
とにかく「すげー!」と思って、興奮しながら観ていれば良いのです。
この映画は、それを私に教えてくれました。

まあ、途中途中で挟まれる「インド万歳」的な雰囲気は、しつこすぎてちょっと食傷気味にはなりましたが。
でもこのあたりは、インド映画には共通して感じられる部分ですしね。
映画を使って国威発揚をしている、と考えれば、別に不思議なことではないかと。

でもこの「国威発揚」的な雰囲気、もし日本の映画でやったらいろいろな方面から非難されそうだな、とちょっと感じました。
日本人って「お国のために」って感じにアレルギー持ってる人が多いですしね。
この辺りはそれぞれの国の歴史の違いや、国民性の違いもあるでしょうから、どっちが正しいか、なんて言えるものではありませんが。

私も「国のために」なんて言われたら反発したくなるタイプですので、日本で同様の映画があったら非難はしないまでも、複雑な気分にはなることでしょう。
でもインドでは、これでガンガン盛り上がって、エンディングでは歌い踊る若者がたくさんいるとのこと。
そういう楽しみ方ができるのも、ちょっとうらやましいかな。

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