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エッセイ・思い出

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#日記

かわいい

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学生時代に受けた社会学の先生の講義をもう一度受けたい。保険の成り立ちや都内の治安などの話をもう一度聴きたい。そう思い立ち、オンライン講座とかやっていないかなと思って先生の氏名をググった。なんとFacebookにいきあたった。なんでもわかる世の中だ。ちょっと怖い気もするけれど。先生は麦わら帽子を被っていて、私の印象ではあまり笑わない人だったのに写真は笑顔だった。「かわいい」と思った。私が人に対して「

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ひみつ

ひみつ

自分の本名を変えて「◯◯子って呼んでね」と周囲に言っていた明るい女性は「40歳になるまで生きていないと思う」とはっきり言っていた。私は密かに100歳まで生きてやる、と思っていたので、その意味が当時よくわからなかった。

追いやられたような場所にあるアトリエは、隣の部屋でインスタレーションが随時行われており、生ゴミの臭いが漂ってくることもあった。私はよくそこで寝ていた。池の近くに喫煙所があり今はど

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馬鹿野郎じゃねえか

怖い体験(※心霊系ではないです、人間の方です。怖いのはだいたい人間)をした。
とある店に行き、帰り際にトイレに向かっていたら目に入ったのはふらりと女性トイレに入る白髪の初老の男性。あまりにも自然に入って行ったのであれ?目の錯覚か?と思った。恐る恐る伺うと既に個室に入っていたようだ。一旦外に出てなかったことにしようかと思ったが(仕事帰りで脳疲労が半端ない状態)、瞬時に諸々を天秤にかけて、「クソしょう

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日記 明け

日記 明け

あまり眠れなかった。職場も心なしか気だるい雰囲気。苦手な人に新年の挨拶を、一応やっとくかと思ってやってみたら、ものすごい笑顔で返ってきて、へえこの人ってこういう表情もできるのかと思った。もしかして今まで孤独だったのかもしれない。全然違う部署からやってきた人。過去に攻撃されたことがあるから笑顔に絆されてはいけないと気を引き締める。新年早々やらかして、早く辞めちまいたいという念が沸々と湧いてきたが、恐

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休み明け 働きたくない

休み明け 働きたくない

休み明けは働きたくない気分がマックスになる。怠慢と言われたら身も蓋もないが、金稼ぎに興味がない(簡単な計算もできない)。そもそも労働に対して熱意や意欲がない。しかしこの熱意や意欲がないというのは恐ろしい側面がある。極めて淡々としているのでかえって長続きする。勤続可能となる。変化を嫌う惰性の力というのは侮れない。ぬるま湯の中で慣らされたカエルは、徐々に水温が上がっても、そのことに気付かずに茹で上がっ

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寒い

寒い

まだ学齢期に満たない頃、公園で遊んでいたらホームレスの人が汁粉のようなものを食べていた。レストランの入り口に飾ってある食品レプリカを食い入るように見つめていたら、いつの間にか迷子になっていた経験がある私は、おそらくその時も汁粉に釘付けになっていたのだと思う。ホームレスの人は「美味いぞ。食べるか。」と言って、汁粉のような食べ物を差し出してきた。「知らない人から話しかけられてもついていっちゃダメだ」と

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白い背景のあのブログ

白い背景のあのブログ

私は引っ込み思案なので対人が苦手だと思っていたが、もしかしたら人のことが結構好きなのかもしれない。
だから誠実さに欠けるとムカつくし、世の中がちゃんとしてないと感じると、腹が立つのだ。一方的ではある。
基本的に人が好きだという驚くべき事実が、疲れやすさの原因のひとつなのではないか、と思ったのが発端でまとめきってない状態でいつものようにこうしてメモしているのだが、うまく言語化できていない気がする。ま

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それは最初から知っていること

それは最初から知っていること

たまに無性に寂しくて悲しい夢を見る。
理由はわからないが、しんとした寂しさが一面に存在している夢。起きた後も余韻がしばらく続く。
それでも1時間も経たないうちに日常を、働かなくてはいけない。もうその時点では夢のことなどすっかり忘れて、そんなことは最初からなかったかのように人と話したり笑ったりしている。
夢というのは不思議だ。夢が普段見えない深層心理や無意識を表すものであれば、私が無意識に抱えている

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味方

味方

明日から職場に行くのが嫌で嫌で仕方ない。ノートに罵詈雑言を書き殴らなくてはおさまらない。この状態は、キャパのない頭にどんどんどんどん怒りが溜まり無秩序のまま混乱している状態。明確な理由がわかっているからこそ辛い。気持ちが晴れない。夕方頃から遠出してショッピングモールに向かう。空いてきたコーヒーショップに入り、本を読む。気持ちが落ち着いてきたら罵詈雑言を書く殴る。書いたり記すことは、美辞麗句であろう

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不自由です

不自由です

結局今まで受けてきた教育や信じていた価値観はみんな出鱈目だった。出鱈目といったらなんだが、もう太刀打ちできない、効果がない。対処できない。もとい、最初からそうだったのだろう。ハナから問題だらけだった。日本は民主主義の国家らしいがよくよく考えると自由ではない。自由ではないと感じる。何が苦しかったのか、何を苦しめていたのか、何に苦しめられていたのか。
多分「こうなっているはずなのに」という理想と現実が

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合わない

合わない

どうやら自分は、自分に注意を向ければ向けるほど社会にも関心が向く構造をしているようだ。そもそも自分の構造なのか、もはや制度や政治が生活に介入しすぎているので起こっていることなのかはわからない。いずれにせよ「自分のことばかり考えている」からこそ起こる現象で、自分に思いを馳せることと社会に関心を向けることは完全なイコールではないけれど繋がってしまう。自分について一心に考えるのはそんなに悪いことではない

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曇天

曇天

全部の責任から逃れられるなら、楽になるのにと思う。昼間のことを引きずって行き場のない燻りみたいのを抱えている。
そもそも責任なんて、本来誰にもないのに。
よく目を凝らしてみると、どうしてゾッとするような言葉が平然と幅を利かせているのだろう。ものすごくいいことのように思い込まされている。
世間の言う、いいこと。
でもそういう言葉にポジティブな印象を持ったり勇気づけられる人の方が多いのだ。当たり前だ。

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日記 ギラギラ

日記 ギラギラ

どうもこんばんは金曜日。金曜日の夜は好きだけれどまた夢の中を漂うように寝まくる休日が来る。バランスよく、とか、バランスが取れているってどういう状態なのだろう。自分にはよくわからない。とても疲れている。どうしてこんなに疲れているのに朝、起きていられるのだろうと思う。毎朝毎朝、憂鬱の繰り返し。
やっぱりどこかおかしいのだろうかと思いながら意地でも現実を生きているのだ、生きてやると思う。500円玉を握っ

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日記 縄張り

日記 縄張り

また台所で寝ている。疲&労。一からわからない悪夢のような業務から解放された、と思ったがそう思ったのも束の間だった。こういう日に限って上司が不在で腹が立ちまくりだった。しかし今思うと、かえって良かったのかもしれない。生活のために労働しているがいい加減辞めたい。逆に仕事以外に悩みがない気がする。それは幸福だからというよりも、社会の基準から逸脱していること、すなわち変わり者の自分をある程度受け入れている

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