仲町六絵

小説家。第17回電撃小説大賞「メディアワークス文庫賞」受賞。2011年5月デビュー、現…

仲町六絵

小説家。第17回電撃小説大賞「メディアワークス文庫賞」受賞。2011年5月デビュー、現在単著29冊。2023年3月放送大学大学院修了。 『からくさ図書館来客簿』シリーズなど、京都を中心とする優しいファンタジー世界「からくさ図書館のある京都」を書き続けています。

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記事一覧

書評『料理人という仕事』稲田俊輔著

 それができれば苦労しないよ、と思っている格言があります。  「彼を知り己を知らば百戦殆うからず」。  中国の戦国時代の兵法書『孫子』の言葉です。戦いに際して、相…

仲町六絵
3週間前
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限界鶏むねひき肉ストック

アイラップに鶏むねひき肉1パックを入れ、塩と白ワインと刻んだトマト小1個を加え、アイラップを二重にして平たくします。レンジで加熱して火を通し小分け冷凍します。以上…

仲町六絵
4か月前
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新玉ネギと小松菜のスープ

新玉ネギなのか新タマネギなのか表記に迷いつつレシピを書きます。 ◆材料(お椀に2杯分) 新玉ネギ  1個 小松菜   2株 オリーブオイル 小さじ2 塩     少々 …

仲町六絵
5か月前
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商業小説家を続けながら放送大学大学院を修了できた理由7か条 その7

 3週間ほど間が空いてしまいました。 その7 マインドマップを書く  書きたいことについてマインドマップを書くという方法は知っていて『南都あやかし帖』構想時に活…

仲町六絵
1年前
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読書メモ『中世の喫茶文化 儀礼の茶から「茶の湯」へ』

「茶の湯」成立前のこと  私の修論は『看聞日記』にみられる唐物に関するものなので、茶の湯が成立するよりも前の時代にあたる。この頃の茶について、橋本素子先生の『中…

仲町六絵
1年前
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商業小説家を続けながら放送大学大学院を修了できた理由7か条 その6

 ハモとかパフェっぽい生菓子とかが食べたくなる気候です。今回は「書く」行為に重点を置いています。 その6 しんどい時はカフェで書く  どこで書くかは大切です。修論…

仲町六絵
1年前
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商業小説家を続けながら放送大学大学院を修了できた理由7か条 その5

 梅雨入りしましたね。皆さま足元にはお気をつけて。 その5 忙しいなら早めに用事を断る  普通ッ! と自分でも思いますが、案外難しいことです。  確か2022年の春で…

仲町六絵
1年前
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商業小説家を続けながら放送大学大学院を修了できた理由7か条 その4

 外では紫陽花が色づいています。お待たせしました、その4です。     その4 院試の前に放送大学(学部)の3年次に編入した  念のため最初に書いておきますが、放送…

仲町六絵
1年前
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商業小説家を続けながら放送大学大学院を修了できた理由7か条 その3

 画像はデビュー作『霧こそ闇の』(メディアワークス文庫)です。発売から今日で12周年です。やったね。皆様のおかげで版を重ねています。  その3は具体的で詳細な内容を…

仲町六絵
1年前
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商業小説家を続けながら放送大学大学院を修了できた理由7か条 その2

 画像は京大近くの喫茶店のチーズトーストです。厚めでチーズあっさりめ。スパゲティSサイズが200gとメニューにあったのですが、それは2人分のような気がします。さて、一…

仲町六絵
1年前
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洗い物を出したくない小説家の蒸しニンジン

 先ほど作って美味しかったので。キッチン周りが狭いため、いまだに食洗機を買っていません。画像はニンジン色の花です。 材料  ニンジン 1本     すりごま 小さ…

仲町六絵
1年前
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商業小説家を続けながら放送大学大学院を修了できた理由7か条 その1

 暑くなってきました。ツバメが飛び交い陽射しはまぶしく、今はもう6月じゃないかと錯覚します。確か8月には放送大学大学院の願書受付が始まるはずです。受験予定の方々の…

仲町六絵
1年前
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仲町六絵と申します。小説家デビュー12周年、放送大学大学院修了したてです。

 この記事に目をとめてくださってありがとうございます。京都に住む小説家で仲町六絵(なかまちろくえ)と申します。より良い小説を書くために放送大学大学院修士課程に入…

仲町六絵
1年前
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書評『料理人という仕事』稲田俊輔著

書評『料理人という仕事』稲田俊輔著

 それができれば苦労しないよ、と思っている格言があります。
 「彼を知り己を知らば百戦殆うからず」。
 中国の戦国時代の兵法書『孫子』の言葉です。戦いに際して、相手つまり敵の情勢とこちらの情勢を理解せよという意味です。
 いくら現代が情報化社会でも、敵の情報を知るのは困難です。そもそも自分の敵が何なのか理解するのも難しそうです。
 最近読んだ稲田俊輔著『料理人という仕事』(筑摩書房)は、敵と自分が

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限界鶏むねひき肉ストック

アイラップに鶏むねひき肉1パックを入れ、塩と白ワインと刻んだトマト小1個を加え、アイラップを二重にして平たくします。レンジで加熱して火を通し小分け冷凍します。以上。

新玉ネギと小松菜のスープ

新玉ネギと小松菜のスープ

新玉ネギなのか新タマネギなのか表記に迷いつつレシピを書きます。

◆材料(お椀に2杯分)
新玉ネギ  1個
小松菜   2株
オリーブオイル 小さじ2
塩     少々
お好みで醤油少々
お湯    適量

◆作り方
1 新玉ネギは皮をむいて両端を切り落とし縦二つに切ってから繊維と直角にスライスする。
2 スライスできたらジップロックスクリューに入れて塩を混ぜ、蓋をずらして載せ、とろっとして透き通

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商業小説家を続けながら放送大学大学院を修了できた理由7か条 その7

商業小説家を続けながら放送大学大学院を修了できた理由7か条 その7

 3週間ほど間が空いてしまいました。

その7 マインドマップを書く

 書きたいことについてマインドマップを書くという方法は知っていて『南都あやかし帖』構想時に活用したのですが、読んだ論文のマインドマップを書くという方法をTwitterで知り、実行してみました。
 確か@piyota0先生(リンク参照)のツイートだったと思います。間違いだったらすみません。
Molecular mechanism

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読書メモ『中世の喫茶文化 儀礼の茶から「茶の湯」へ』

「茶の湯」成立前のこと

 私の修論は『看聞日記』にみられる唐物に関するものなので、茶の湯が成立するよりも前の時代にあたる。この頃の茶について、橋本素子先生の『中世の喫茶文化 儀礼の茶から「茶の湯」へ』(吉川弘文館、2018)に興味深い記述がある。
 室町時代には、将軍御成の公式プログラムに茶は組み込まれていなかったらしい。「茶事」や「茶会」は、喉をうるおすためや軽食の消化をうながすために、奥向き

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商業小説家を続けながら放送大学大学院を修了できた理由7か条 その6

商業小説家を続けながら放送大学大学院を修了できた理由7か条 その6

 ハモとかパフェっぽい生菓子とかが食べたくなる気候です。今回は「書く」行為に重点を置いています。

その6 しんどい時はカフェで書く

 どこで書くかは大切です。修論も、『京都西陣なごみ植物店』4巻も後半の追い込みは自宅で書きましたが、カフェで書いたおかげで捗った経験は数限りなくあります。
 前回、研究テーマを変えねば修論を書けないことが分かった話を書きました。気づけた遠因は新たな原稿依頼を受けな

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商業小説家を続けながら放送大学大学院を修了できた理由7か条 その5

商業小説家を続けながら放送大学大学院を修了できた理由7か条 その5

 梅雨入りしましたね。皆さま足元にはお気をつけて。

その5 忙しいなら早めに用事を断る

 普通ッ! と自分でも思いますが、案外難しいことです。

 確か2022年の春であったかと記憶しています。私は修士論文を仕上げるどころか全体の構成すら書けず苦しんでいました。
 今、新たな原稿依頼を受けたらつぶれてしまう。だから、それまでに複数回原稿依頼をくださったところ(特に名を秘す)に正直に現状を知らせ

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商業小説家を続けながら放送大学大学院を修了できた理由7か条 その4

商業小説家を続けながら放送大学大学院を修了できた理由7か条 その4

 外では紫陽花が色づいています。お待たせしました、その4です。
 
 

その4 院試の前に放送大学(学部)の3年次に編入した

 念のため最初に書いておきますが、放送大学の学部を卒業すれば院の入試で優遇されるという制度はありません。推薦入試もありません。
 じゃあ何が役に立ったのか。それは「放送大学エキスパート」です。2007年度の学校教育法改正で設けられた「科目群履修認証制度」の一環で、内容に

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商業小説家を続けながら放送大学大学院を修了できた理由7か条 その3

商業小説家を続けながら放送大学大学院を修了できた理由7か条 その3

 画像はデビュー作『霧こそ闇の』(メディアワークス文庫)です。発売から今日で12周年です。やったね。皆様のおかげで版を重ねています。
 その3は具体的で詳細な内容を目指しました。こちらです。

その3 研究計画書と放送大学大学院院試の情報を集めた

 その2で府立図書館を歩き回っていた頃の話です。まず院試関連のブログをざっと見て(放送大学大学院以外の院試でも参考になることがありました)、次にネット

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商業小説家を続けながら放送大学大学院を修了できた理由7か条 その2

商業小説家を続けながら放送大学大学院を修了できた理由7か条 その2

 画像は京大近くの喫茶店のチーズトーストです。厚めでチーズあっさりめ。スパゲティSサイズが200gとメニューにあったのですが、それは2人分のような気がします。さて、一昨日に引き続き、小説家と大学院生二足のわらじを履けた理由をお話しします。

その2 図書館でとうらぶの博多藤四郎を思い出した

 ゲーム「刀剣乱舞」(略称・とうらぶ)に詳しくない方もご安心ください。要は、図書館で歩き回ったおかげで研究

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洗い物を出したくない小説家の蒸しニンジン

洗い物を出したくない小説家の蒸しニンジン

 先ほど作って美味しかったので。キッチン周りが狭いため、いまだに食洗機を買っていません。画像はニンジン色の花です。

材料  ニンジン 1本
    すりごま 小さじ1~大さじ1(お好みで)
    醤油   少々
    ごま油  1滴
    水    大さじ1
 
道具  まな板
    包丁
    ピーラー
    ジップロックスクリューロック(容量473ml)

消耗品 アイラップ
 

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商業小説家を続けながら放送大学大学院を修了できた理由7か条 その1

商業小説家を続けながら放送大学大学院を修了できた理由7か条 その1

 暑くなってきました。ツバメが飛び交い陽射しはまぶしく、今はもう6月じゃないかと錯覚します。確か8月には放送大学大学院の願書受付が始まるはずです。受験予定の方々のお役に立てるかもしれないので、私自身が2021年度入試に合格し2年で修了できた理由を大まかに、なるべく時系列に沿って書いてみます。

1.人に恵まれた

 受験必勝法ちゃうんかい、とお思いの方もおられましょうが、まずは環境が整っていないと

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仲町六絵と申します。小説家デビュー12周年、放送大学大学院修了したてです。

仲町六絵と申します。小説家デビュー12周年、放送大学大学院修了したてです。

 この記事に目をとめてくださってありがとうございます。京都に住む小説家で仲町六絵(なかまちろくえ)と申します。より良い小説を書くために放送大学大学院修士課程に入り、この3月に2年で無事修了しました。
 修士課程の最終関門である口頭試問で、主査と副査の両先生から「もっと自己主張をするように」と研究者としてのご助言をいただいたこともあり、noteで自分が読んだ本や取材のことなど書いてみようと思います。

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