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チョコレートが溶けるまで
この間、いつもより長めに散歩をした。時世柄窓越しに見ることが多かった空は久しぶりに肉眼でみると記憶よりも遥かに広くて、色味が強かった。鮮やかなブルーを隈無く照らすおおきな陽光に、夏の気配を感じた。季節の狭間に立ってその変化を見届けるのは本来とても好きな事であるはずなのに、どこか他人事だった。理由は明白だった。わかりやすく居場所がわかるものよりも、さっきまで手元にあったはずなのにいつの間にか随分と
もっとみるJ’irai étudier à l’université de Lausanne
今年も、あと一ヶ月弱で終わる。2019年は、私にとっては大学三年目の年で、それは一年目とも二年目とも全く違う年だった。前年二年のあいだに出会い、大切だと信じて側に置いていたいくつかのものが、私の元から離れていった。泡立つ白い波がふわりと押し寄せてきて、私は嬉々としてそのなかに入っていったけど、気が付いたら私を覆っていたはずの水はもうどこにもなくて、むき出しの、濡れて黒く湿った地面に一人で立ち尽くし
もっとみる夕暮れの図書室で、世界をこっそり旅することについて
高校生の頃、一時期Twitterの自己紹介欄に「世界史は楽しいよ。この教科書さえあれば、世界じゅうを旅行できるんだから。」というようなことを書いていたことがある。
高校三年生の春、クラスにいる30人くらいの女の子のうち20人近くが日本史を選択するなか、私は迷わず世界史のクラスに飛び込んだ。
決め手は、教科書の色だった。私の高校では世界史、日本史ともにおなじみの山川出版社から出ているもの
私はコミュニケーションの際にあまりにも激しくお手付きをしてしまうばかりか、さらに悪いことに、その激しさを受けて立ち昇った風で見事に相手まで吹き飛ばしてしまうことがある 私がどこにもいけない理由