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今夜も私はひとり生きる

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平成7年生まれバリキャリアラサー女の手記
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2024年2月の記事一覧

011. ボロボロで楽しい夜

飲み会の帰りのタクシーでこれを書いている。実は体調があまりよくなくて体はボロボロだ。きっとサムネイルを設定する余裕もない。だけれど私は書かなければいけない、毎日この手記を書くと決めたから。毎日書くことで未来で何かが変わることを期待しているから。話は変わるが、先ほど浅草橋駅の都営浅草線の改札口に「浅草は2番線で2つ目の駅です」という案内があった。この案内を見てふと思う、これはもし浅草駅が1番線だった

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010. イケメンが私を見つめていた

010. イケメンが私を見つめていた

朝、職場が入っているオフィスビルのエントランス階に向かうエレベーターの前にイケメンが立っていた。高身長・おしゃれ・清潔感ありで、この人絶対モテるんだろうなという雰囲気を醸し出していた。モテるんだけど長年付き合っている彼女を大切にしています、みたいなイケメンだった。そのイケメンがエレベーターの斜め前に立っていたから、私はあくまでもエレベーターを待つふりをしながら少し遠くからイケメンを眺めていた。出勤

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009. 同僚とお昼は3人までが限界です。

009. 同僚とお昼は3人までが限界です。

最近同僚(多数)とお昼を食べることが多く、あまり心が休まらないと感じている。同僚のことは好きだ、好きだし同僚と話すことも好きだ。なんなら自分からご飯を誘うことだってよくある。だけれどそれは1対1とか3人を前提にした話であって、それ以上になると「ああ、休憩時間を無駄にした」という気持ちになる。4人以上で話していると、どうしても話題にあまり入れず口数が減る人が出てくるし、そんな人に気づいてしまうとなん

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008. 金はいらないから愛をくれ

008. 金はいらないから愛をくれ

給料があがった。年俸でいうと20万ほど、手取りで言うと正確に計算してはいないが毎月1万くらいだと思う。うちの会社は外資系のベンチャーなので成果に応じてちゃんと給料があがるし、もともとの基準も高いので同年代の平均年収の2倍以上はもらっている。給料が上がることは世間一般的には嬉しいことかもしれないが、私は「お給料が上がりました」という報告を上司から受けるたびに憂鬱な気分になる。結構本気で「もうこれ以上

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007. 悪魔の鏡

007. 悪魔の鏡

お風呂上がりにバッチリスキンケア、ヘアケアをした自分の顔を鏡で見つめながら「え、今私すごく美人かもしれない」と思う夜がある。朝バッチリナチュラルメイクを施し、お気に入りの服を着た自分を鏡で見ながら「え、今日の私めちゃくちゃ美人かもしれない」と思う朝がある。でもいざドアを開けて外の世界に出てみると、街のショーウィンドウに反射する自分の姿はただのずんぐりむっくりの勘違い野郎だったりする。iPhoneの

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006. 彼らの光は生きていた。

006. 彼らの光は生きていた。

大学時代の友人と(元)推しグループのライブを観に東京ドームに行って来た。(元)をつけたのは当時のような熱量で彼らの活動を追うことができなくなってしまったからだ。中学生のころから応援してきたグループへの熱量が変わってしまった理由は、私の年齢や環境の変化に加え、彼らに起こったたくさんの変化のせいでもあると思う。もっとも大きかった変化は、彼らの音楽を支えていた一人のメンバーが自死したこと。彼はグループの

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005. 最高の休日だった。

005. 最高の休日だった。

今日は最高の休日だった。朝10時に起きてベッドの上でダラダラした後に、ちゃんと化粧をしていつも着ない組み合わせの服を着てみたりした。無事12時になる前に家を出て丸の内、銀座、新宿と回ってショッピング。次月のカード請求額に目を瞑り、ずっと買おうと思っていたsacaiの財布を買った。銀座の美味しいパスタ屋さんでお昼を食べた後に、上野に戻ってHARBSで季節限定のマロンタルトを食べながら、お昼に丸の内の

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004. 「彼氏」という響き

004. 「彼氏」という響き

ひょんなことから過去にアプリで出会った男性と連絡を取り合うことになり、近況を報告し合うなかで「彼氏できました?」と聞かれた。過去に恋人を探す目的で出会った者同士、それ以外なんの繋がりもないのだから至極当然な質問だと思う。でも私はそのラインのテキストを見て”彼氏”という字面に何とも言えない気持ち悪さを感じてしまった。その単語自体に罪があるのではなく、”彼氏”という単語と自分が少しでも結びついたときに

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003. 私はあなたが羨ましい

003. 私はあなたが羨ましい

「藤原さんも人生辛いって思うことあるだね。仕事できて、みんなに頼られてて、かっこいいって憧れられてて…私はいつも藤原さん見てていいなー羨ましいなーて思ってるのに。」同僚と飲みに行って『子供が欲しいか』という話題になったとき、「こんな辛い人生を子供に生きさせたくないからいらないかな」なんて答えたら先の反応が返って来た。とくに驚きはしない。私は確かに良い家庭に生まれて、良質な教育を受けて、お金に困るこ

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002. 彼が死んだことが当たり前になった

002. 彼が死んだことが当たり前になった

推しが死んでから6年が経った。自殺だった。彼が死んでから、一瞬たりとも彼のことを考えなかった夜は多分ない。だけれど彼が死んだことを悲しんで、彼を想って涙を流した最後の夜がいつだったかは覚えていない。それくらい、彼が死んだことが、死んでいることが当たり前になってしまった。すでに彼の年齢は越した。彼のデビュー曲が年上の女性に対する叶わない恋を歌った曲だったから、2、3年前までは「私があなたより歳上にな

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001. 「肌が綺麗だね」なんて言わないで

001. 「肌が綺麗だね」なんて言わないで

「肌綺麗だよね。」ベッドやソファで私を後ろから抱き締めながら、そろそろキスを始めようと顔を覗き込んだタイミングで、大体の男はこのセリフを吐く。私は「えー、女の子みんな肌綺麗じゃん」なんて適当に返しながら、心の中では「肌綺麗だよね」を「肌が綺麗だよね」「肌は綺麗だよね」と勝手に変換し『やっぱり私って肌しか褒めることないんだな。』と現実を噛み締めている。健全な関係の男女の昼間の会話でこの褒め言葉が出て

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