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007. 悪魔の鏡

お風呂上がりにバッチリスキンケア、ヘアケアをした自分の顔を鏡で見つめながら「え、今私すごく美人かもしれない」と思う夜がある。朝バッチリナチュラルメイクを施し、お気に入りの服を着た自分を鏡で見ながら「え、今日の私めちゃくちゃ美人かもしれない」と思う朝がある。でもいざドアを開けて外の世界に出てみると、街のショーウィンドウに反射する自分の姿はただのずんぐりむっくりの勘違い野郎だったりする。iPhoneのインカメラで撮影した写真に映る自分は左右非対称のブサイクだったりする。自分の部屋の鏡が嘘をついているのか、それとも鏡に映る自分を見る眼球、もしくはその映像を処理する脳みそが嘘をついているのかわからない。あきらかな事実は私はブサイクだということだけだ。そんなこと十分に承知しているから、お願いだから変な夢を見させないで欲しい。私の部屋には悪魔の鏡がある。

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