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004. 「彼氏」という響き

ひょんなことから過去にアプリで出会った男性と連絡を取り合うことになり、近況を報告し合うなかで「彼氏できました?」と聞かれた。過去に恋人を探す目的で出会った者同士、それ以外なんの繋がりもないのだから至極当然な質問だと思う。でも私はそのラインのテキストを見て”彼氏”という字面に何とも言えない気持ち悪さを感じてしまった。その単語自体に罪があるのではなく、”彼氏”という単語と自分が少しでも結びついたときに無性にむず痒くなるのだと気づく。最後に”彼氏”がいたのはもう6年前、しかも留学先でのひと夏の関係だったから、果たして彼を”元彼”と定義していいかはわからない。(周りには最後の彼氏は2年前くらいかな?と一生嘘をついている。)それくらい”彼氏”という概念から離れ過ぎてしまった私は、自分と”彼氏”を結びつけることに脳が拒絶反応を起こすようになってしまったのだ。この先万が一誰かとお付き合いをすることがあったとして、友達に「彼氏できた」なんて(私にとっては)高校生みたいな報告をするような日が来るとしたら、私は自分自身に耐えられるのだろうか。その瞬間に自分が自分でなくなってしまわないだろうか。そんなことまで考えてしまう私はやはりこれから先も一人で生きていかなければいけないのだろうか。ずっとひとりぼっちなのだろうか。

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