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2022年、ただの大学生が作家になれた話。

――6月29日、僕は小説『Message』を出版しました。僕が20歳でいられる最後の日でした。そんな風にして、僕は本を出せたのです。ただの大学生が作家になれたんです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

今回は「2022年を振り返る」というテーマで話していこうと思います。

今日は12月31日、2022年最後の日です。一年を振り返る記事にしようと思います。

自分の軌跡を確かめるのと同時に、最近僕のことを知ってくださった方に、この1年こんなことをしてきたんだよと報告する目的もあります。是非、最後まで読んでいってください。


📚ただの大学生が作家になれた日


2022年1月10日、僕は成人の日を迎えました。思えば、2022年の活動の全てはここから始まったのです。

成人式で地元の旧友たちと再会しました。僕は中高一貫校に通っていたので、小学校を卒業して以来会っていない子もいたくらいで、多かれ少なかれみんな変わっていました。でも、僕らが打ち解け合うのにそんなに時間は必要なくて、すぐにあの頃の距離感を思い出しました。

僕らはそのまま同総会を企画して決行。高田馬場のレンタルスペースに集まって、お酒や食べ物を持ち込んで宴を開きました。2次会は池袋のカラオケ。僕は幼馴染を含む3人と一緒に朝まで歌い、呑み、語り合いました。

思い出話に花を咲かせたり、近況を報告し合ったり、未来のことを交換こしたり、ステキな時間がそこにはありました。その思い出を忘れたくなくて、僕は作品の中に閉じこめることにしたんです。


僕には、『メッセージ』という小説がありました。2021年の秋頃に綴った成人式が舞台の物語。とはいえ、成人式や同窓会のシーンはなく、登場人物の回想で登場するだけだったのです。成人式の経験をしたことで、改めて『メッセージ』と向き合い、作り直すことにしたのです。


同じ頃、僕はAmazonのサービスを使えば、無料で本が出版できることを知りました。原稿のデータと表紙のデータがあれば、コスト0で出版できるのです。そのサービスと出会ったとき、僕は文学賞のために作品を書き続けることだけが夢を追いかける方法じゃないなと思ったんです。

確かに、従来作家になるといえば、どこかの文学賞で賞を獲って、その作品が書籍化され……という流れを経るじゃないですか。しかし、今や作家になる方法なんていくらでもあるのです。

「本を出した」ことで「作家になれた」といえるのなら、とりあえず本を出せばいい。自費出版という選択肢もありますが、僕はAmazonのサービスを使うことにしました。さっきも言ったように、データさえあればノーリスクだったからです。


ということで、2月から6月にかけて、『メッセージ』を再創作する時間が設けられました。

noteのサークル(今のメンバーシップ)を使って、クローズドな空間のなか、メンバーと共にみんなで作り直していきました。いわゆる共同創作というやつです。執筆は僕ですが、物語の展開や表現の仕方など、あらゆることをメンバーと共に決めていきました。複数人の目を通すことで、より客観的な作品に仕上がったのではないかなと思います。

紆余曲折ありながらも、6月29日、僕は小説『Message』を出版しました。僕が20歳でいられる最後の日でした。

そんな風にして、僕は本を出せたのです。

ただの大学生が作家になれたんです。



📚ただの大学生が本を届ける


Amazonで出版したとはいえ、まだ無名の僕の本が見つかるはずもありません。作品をどう届けていくのか、新しい問題に直面することになったのです。


兼ねてから決めていたことはありました。とりあえず手売りしていくということ。僕のことを知らない人に小説『Message』を買ってもらうのは難しいこと。ならば、僕のことを少なからず信用してくれている友達や周りの大人に向けて、届ける作業を始めようと思ったのです。

小説『Message』を出版してから半年、機会があれば逃さず手売りする日々を送っていました。おかげさまで現時点での手売りの冊数は123冊。この数は侮れなくて、僕が何も動かなかったら、この数字に辿り着くことは絶対にありませんでした。そう考えると、手売りしてきた良かったなと改めて思います。

手売りの様子


手売りだけでは限界があると悟った僕は、別の方法で届けることを企みました。その時に目を付けたのが、ビブリオバトルです。

ビブリオバトルとは自分のおすすめの本を5分間で紹介する書評合戦のこと。オーディエンスは発表を聴いて1番読みたくなった本に票を入れます。最も多くの票を集めた本がチャンプ本になるというわけです。

僕は高校時代から公式戦に参加していて、高2のときには東京都代表として全国大会に出場しました。ただ、1回戦敗退で悔しい思いをする始末。大学生になってからもふとした瞬間に思い出すほどです。

去年大学2年のときにも実は参加していて、そのときは何故か知らないけど、大学予選で負けたんです。それなりに自信があったんだけどね。

それはともかく、そのときに知ったのは、大学前のTSUTAYAでビブリオバトルのコーナーが組まれ、大学予選で紹介された本が目立つ場所で売り出されるということ。小説『Message』を出版した頃にそれを思い出し、もし小説『Message』を紹介したらどうなるんだろうと疑問に思ったのです。

本屋に並ぶということは、その本が出版社や取次会社を通した商品であるわけですが、小説『Message』は売っているとはいえ、出版社も取次会社も通っていない本。ビブリオバトルで紹介された本は勝敗に関係なく並んでいたので、ちょっと実験してみようと考えたのです。


というわけで、ビブリオバトルで前代未聞の事例をつくってしまいました。自分で書いた本を自分で紹介したのです。

本の魅力を1番理解しているのは、その本の作者じゃないですか。それに、作者は自分の作品を1人でも多くの人に届けたいという思いが強いわけです。ビブリオバトルに理にかなっているのです。

大学予選、地区予選で好成績を収め、全国大会に出場することができました。再び、大舞台に立つことができたのです。

「高2のときのリベンジを果たそう」
「1人でも多くの人に、小説『Message』を届けよう」

この2つの思いを胸に、僕は誰よりも準備して、いろんな人にプレゼンを聴いてもらって、ぎりぎりまで原稿を練り直して、挑みました。

結果、準決勝敗退。またしても、唇を噛み締めざるを得ない結果を残してしまったのです。




📚ただの大学生が夢を追い続ける


ビブリオバトルでは残念な結果でしたが、そのご縁でいくつもの新しい出逢いがありました。


さっきの実験の結果から話しましょう。

結論からいうと、大学前のTSUTAYAに小説『Message』が商品として置かせていただくことになりました。ビブリオバトルで紹介された本のコーナーが組まれたので、どうにか小説『Message』を置くように仕向けないといけません。書店側もいろいろ考えたのでしょう、委託販売という形で契約することになったのです。

僕の実験は成功を収めました。他にも、同じような経緯から、大学生協の書籍部にも商品として置かせてもらい、大学図書館にも置かせてもらうことになりました。


さらに、大学広報室の方と知り合い、先日取材を受けてきました。その様子は、大学のホームページに記事として掲載されました。

さらにさらに、茨城新聞社の方から連絡をいただき、取材を受けてきました。12月25日観光の茨城新聞に記事として掲載されました。思っていたより大きな記事だったのでびっくりだったんですが、さらに驚いたことには、その記事がヤフーニュースにも乗ったこと。

自著でビブリオバトルに挑戦するという僕のひとつの経験は、こんなにも多くの出逢いと、大きな反響をいただきました。僕の信じた道は間違っていなかったんだなと思うことができました。


大学前のTSUTAYA
大学生協の書籍部
大学図書館


小説『Message』を届ける作業はこの先も続けていきますが、来年は大学4年生、僕には自由に使える時間が残されていないから、今年のように生半可な努力じゃ高みを目指せません。

ちゃんと結果に結びつくような努力を続けていかなければ、僕の本当の夢は叶えることができません。ちゃんと勉強して、ちゃんと努力しなきゃいけません。明日、2023年の抱負を記事にするので、そのときに詳しく語りますね。


最後になりますが、僕からメッセージを贈らせてください。


今までありがとう

これからもよろしく

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横山黎


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