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イベントの名前の付け方。

――もちろん既存のイベント名にあやかるのも共感を持ちやすいから良い側面もあるけれど、長い目でみたら、意味を重ねて、個性のある名前をつけた方が良いよね


人生は物語。
どうも横山黎です。

今回「イベントの名前の付け方。」というテーマで話していこうと思います。


📚「イベントをつくる」ということ

僕は作家として活動しています。本をつくることがメインの活動ではありますが、何もそれだけが僕のやりたいことではありません。最近のことを取り上げても、「Lullaby」という曲をつくったり絵本「桃太郎」をつくりはじめたり、今度は舞台をつくりたいなあと考えています。

とにかく何かをつくることが好きで、自分のつくったもので誰かの心を動かしたり、人生にヒントを与えたりする瞬間が僕の大好物なんです。



「イベントをつくる」こともそう。ここ最近の話にはなりますが、魅力的なイベントをつくるためにはどうすればいいのかを考えることにも興味を持ち始めているのです。

きっかけは、自分の本を届けるためでした。

僕は去年『Message』という小説を出版したんですが、まだ無名の大学生作家の本が見つかるはずもないので、届ける作業をしてきました。その一環として、オフラインイベントを開催することにしたんです。

どれだけオンラインの選択肢が増えようと、いつどこでも何でもコンテンツを楽しめる時代になろうと、「リアル」「対面」「オフライン」の力は残っていて、というより、むしろ強くなっていて、オンラインで誰とでもつながれる時代だからこそ、オフラインの価値が高まっているといえるのです。

僕は2年以上noteで記事を毎日投稿していて、何かにつけて小説『Message』を宣伝していますが、手っ取り早く効果が出るわけではありませんでした。世界中の人に届く可能性を秘めているけれど、フォロワーにすら届けられない可能性もあるわけで、最後に大切になってくるのは直接会って届けることなのです。

というわけで、オフラインイベントを開催しようと思い立ったのが今年のはじめ。本を届けるイベントを企画したのです。その名も「BOOK TALK LIVE “Message”」。小説『Message』にまつわるエピソードを物語るトークライブです。

告知も集客も準備もいろいろ大変だったけれど、イベント自体は想像以上の結果を出すことができて、事後アンケートを眺めているとお客さんの満足度も高いことが分かりました。「イベントをつくる」ことの楽しさややりがいを知った日でした。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回はそんなイベントについての話。イベントの「名前」に焦点を絞って話していこうと思います。



📚イベントの名前の付け方

先日、作品のタイトルに関しての記事を投稿しました。「名は体を表す」という記事で、簡単にいえば、作品のタイトルは作品そのものの本当の姿を顕しているべき、という持論です。

本なら、その本を読み終わったときにもう一度タイトルに戻って噛み締めることができるような、そんなタイトルが僕は好きなんです。初見のイメージと、味わったあとのイメージが別にある。つまり、複数の意味を持つタイトルが、個人的には好きなんです。

さっきも紹介しましたが、僕の初書籍『Message』に関していえば、「ダイイングメッセージ」「未来の自分へのメッセージ」「読んでくれた人へのメッセージ」という3つの意味が重なっています。

同じようなことはイベント名にもいえると思っていて、ただテキトーに名付けるのはもったいない。中身との親和性が高ければ高いほどお客さんの満足度も高まるし、イベントの個性も生まれます。



最近お世話になっているシェアハウス「はちとご」では、定期的に様々なイベントが開催されているんですが、そのイベント名からも気付きや学びをもらいました。

たとえば、「TALK ABOUT!!」というトークイベントがあります。約5分間で自分の好きなもの、伝えたいことについて物語る内容です。今までに3回開催されているんですが、毎度アットホームで優しい空間をつくることが実現していて、ステキなイベントだなあと心底思っています。僕は2回目の「TALK ABOUT!!」に登壇したので、このイベントの空間の魅力を身をもって知っています。

で、この「TALK ABOUT!!」というイベント名ですが、この「ABOUT」には2つの意味が込められているんです。「~について」という意味と、「だいたい」という意味。

イベント名を見ただけでトークイベントだって予測できるし、「好きなこと、伝えたいことについて、約5分間で語る」というイベント説明に必要な要素が全部入っているんですよね。そのうえ覚えやすいし、響きもいいので、参加者が覚えやすい。ステキなネーミングだなと思うのです。


第2回 TALK ABOUT!!


📚本のイベント「FAVORITE!!」

さっき紹介した「BOOK TALK LIVE “Message”」の話に戻りますが、このイベント名にしたのは、「本について語るライブですよ!」と一目で表現したかったから。そして、個性を持たせたかったからです。

学校の図書室や地域の図書館でブックトークというイベントはあります。BOOK TALK LIVEと同じように、ひとつのテーマのもと本についてのエピソードを物語るものです。だったら、ブックトークイベント!のように打ち出してもよかったんですが、それだと個性が生まれないんですよね。どこにでもあるブックトークのイベントのうちのひとつになってしまう。同じような理由で「講演会」や「トークライブ」という言葉を使うことも避けました。

やっぱりアイデンティティを持たせた方が価値は高まるし、長い目で見たらブランディングをする上で効果的。だから、聴き馴染みがないけれど、イベント名みれば内容が伝わる名前にしようと思い至ったわけです。



さて、実は今度、本のイベントを開催するんです。以前からビブリオバトル(自分のおすすめの本を5分間で紹介する書評合戦のこと)のイベントを開催したいなあと思っていたんですが、それを今週の金曜日にやるんです。

そこで悩んだのがイベント名でした。

本を紹介するイベントはたくさんあるし、それを「読書会」というイベント名で開催する人(団体)もたくさんいる。今回はビブリオバトルの側面を強くしたいけど、「ビブリオバトル」の名前を全面的に押し出すのも違います。現にビブリオバトルのイベントはたくさんあるし、僕は魅力的な本を紹介した人が勝者になるイベントを開催したいわけではないので。



悩んだ末、「FAVORITE!!―お気に入りの本を紹介する会―」というイベント名にしました。

僕はビブリオバトルの説明をするとき、「おすすめの本」という言葉を使うことが多いんですが、「お気に入りの本」という言葉に代えても差し支えありません。むしろちょっとステキな表現になる。キラキラしてるじゃん?
#伝われ

あと、横文字で一言でずばっときまるイベント名が好きなこともあって、「FAVORITE(=お気に入り)」という単語を使うのは妙案だと考えました。

一番の決め手は、このイベントを開催する場所の名前が「The FAVORITE」というクラフトビールバーだからです。「The FAVORITE」で「FAVORITE!!」というイベントを開催するので、その名前にする必然性がある。これしかないと思いました。

もちろん既存のイベント名にあやかるのも共感を持ちやすいから良い側面もあるけれど、長い目でみたら、意味を重ねて、個性のある名前をつけた方が良いよねという話でした。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20230828 横山黎


「FAVORITE!!ーお気に入りの本を紹介する会ー」

日時 : 18:30~20:00

場所 : クラフトビールバー「The FAVORITE」
〒310-0041 茨城県水戸市上水戸3丁目8−7

※お気に入りの本を1冊ご持参ください。

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