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ゲストハウスで感動した瞬間。

――体力的にも精神的にも厳しいものはありましたが、ゲストハウスの醍醐味ともいえる、ゲストの方とのステキな時間に立ち合うこともできたので、頑張ってよかったなと振り返ることができているんです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。

今回は「ゲストハウスで感動した瞬間。」というテーマで話していこうと思います。


📚GWで知った醍醐味

僕は4月から木の家ゲストハウスのマネージャーとして働くことになりました。茨城県水戸市上水戸にある宿泊施設で、1年前にオーナーの宮田さんが自身の祖父母の実家を利用してオープンした場所です。少なからず需要がああることを知り、拡大化をはかり、現時点では7施設の宿泊施設を運営しています。

さすがにひとりじゃ回らなくなってきたと感じ、宮田さんは手伝ってくれる人を探すように。はじめは清掃バイトを募っていましたが、そのうち運営にがっつり関わる管理人を必要とするようになりました。なんだかんだあって、僕に白羽の矢が立ち、僕はそれを承諾したというわけです。

以前から宮田さんにGWが一番忙しいといわれていました。多くの人が旅行に行く大型連休ですから仕方がありません。しかも、水戸市の隣のひたちなか市にはネモフィラが見ごろなひたち海浜公園があるので、それを見にいく観光客が後を絶たないんですね。

案の定、蓋を開けてみればGWにはたくさんの宿泊の予約がはいりました。5月3日、4日は満室状態。7棟合わせて約80人収容できるんですが、お断りすつことも少なくなかったので、1日で100人以上の需要があったといっても過言ではありません。

そんな状況ですから、大変なことが多くて、イレギュラーもたくさんありました。体力的にも精神的にも厳しいものはありましたが、ゲストハウスの醍醐味ともいえる、ゲストの方とのステキな時間に立ち合うこともできたので、頑張ってよかったなと振り返ることができているんです。


📚ゲストハウスで感動した瞬間

5月4日の土曜日、すべてのチェックイン対応が終わって、ほっと一息つけるようになった深夜11時頃、僕らは木の家ゲストハウス3号館に向かいました。以前にも宿泊してくれたお客さんがその日宿泊されていて、交流が好きなおじちゃんということもあり、宮田さんと僕は出向くことにしたんです。

3号館のリビングには、3人の宿泊者の方が歓談していました。交流好きなおじちゃんの他に、バイクで日本旅をしている方、3号館に長期滞在している方がいたんです。僕らはそこに混ざることにしました。

それぞれの思い出話を語り合ったり、どうして今宿泊しているのかを分かち合ったり、僕らはGWの宿泊状況を伝えたり、とにかく隙間がないほど会話が続いていったんです。

その時間に、僕は「ああ、ゲストハウスってこれだよなあ」と心を動かされていたんですが、いちばん僕が眩しいなと思った瞬間は別にありました。

その日、他にも2組の家族が宿泊していたんです。どちらも小さな子連れの家族でした。僕らがリビングで会話しているさなか、その家族たちともコミュニケーションが生まれたんですね。そのとき、ぐっとくるものがありました。

「お風呂、先に使っても大丈夫ですか?」とお父さんに訊かれて、僕らがどうぞどうぞと薦めたり、「今日どこ行ってきたの?」と子どもに訊いたら、「美術館!」と元気に答えてくれたり。決して長い時間ではなかったけれど、僕たちのいたリビンがグ宿泊者たちの交差点になっていて、人と人とのつながりを感じられた。僕はそれを本当に尊く思えたし、僕たちはこういう場所をつくっているんだと仕事に誇りを持てたんです。


📚孤独から遥か遠くに

今、こうして振り返りながら文章を綴っていても鮮明に記憶が蘇ってきて胸が熱くなるくらい、僕にとっては感動的な出来事でした。

ホテルや旅館にはあまり見られない、体験できないものが、ゲストハウスには確かにあって、それは今後必ず求める人が多くなっていくものであると信じています。その正体はいうまでもなく、「仲間」や「交流」、「一期一会の出逢い」や「一度きりの宿泊体験」といった類のものです。すべてに共通しているのは、孤独から遥か遠くに存在しているということ。

つまり、ゲストハウスが孤独から遠い場所に成り得ると言い換えることができるわけで、孤独の解消が課題の昨今、その需要はさらに高まっていく予感がしています。

「孤独を消す」「人と人とが集まる場所」は僕自身興味がある対象なので、今後もゲストハウスを軸に追求していきます。最後まで読んで下さりありがとうございました。

20240505  横山黎


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