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これからの、小売の話をしよう。

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ショップは、ただモノを"売る"だけの場所ではなくて。そしてお客様は"買ってくれる"だけの相手でもなくて。明日がくるのが楽しみになるような、そんなショップがそこら中にある世界につい…
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#お店

「文章が苦手」派のお店に試してみてほしいnote活用法

「文章が苦手」派のお店に試してみてほしいnote活用法

「お店の発信にぜひnoteを活用してほしい!」
と話すと必ずと言っていいほど相談されるのが

「文章を書くのが苦手なんです…」

という悩み。

noteは文章のイメージが強いのか、文章を書き慣れていないことによって一歩が踏み出せない人も多いように感じています。

しかしnoteは「書く」だけでなく「まとめる」にも適したプラットフォームで、noteにまとめることによって他のSNSとの相乗効果も見込

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「テイクアウト」以外の価値の作り方

緊急事態宣言や東京都の休業補償制度の発表もあってか、通常営業からテイクアウトに切り替えて運営する飲食店が増えてきました。

しかしすでに多くの飲食関係者が語っている通り、テイクアウトだけで店舗を維持していくのは至難の技。
特にもともとの客単価が高い飲食店ほど通常メニューの価格とテイクアウト価格のギャップが大きいため、損失を埋めるには程遠いというところも多いのではないかと思います。

また、席間をと

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「緊急事態」の今、お店の発信で取り組んで欲しいこと

「緊急事態」の今、お店の発信で取り組んで欲しいこと

昨日「緊急事態宣言」が出され、これまで以上に実店舗の運営が厳しくなってきました。
大手百貨店や駅ビルなどの商業施設も次々に臨時休館を発表しています。

アメリカではニーマン・マーカスの倒産を筆頭に、どの百貨店も支払いサイトの引き延ばしや買い付けのキャンセルを行うなど混乱を極めていますが、おそらく同じことがこれから日本でも起きていくはずです。

また商業施設が休業することによって、テナントとして入っ

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オンラインでも、店舗は「メディア」になっていく

私が「店舗はメディアになる」と考え始めたのは百貨店勤務時代のこと。
気づけばもう10年近く、店舗とメディアの関係について考え続けてきたことになる。

この2、3年は、「店舗」といえば実店舗を指すことが多かった。
アメリカやヨーロッパを中心に体験型店舗が増え、デジタルネイティブブランドたちもこぞって実店舗を持ち、実店舗のメディア化こそがこれから小売がやるべきことだと考えられてきた。

しかし世界中の

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いま、商業施設ができること。

外出自粛が広がる今、商業施設も客数が大幅に減り、苦境に立たされている。
時間短縮を行う施設や週末の休業を発表した企業も増え、小売業界全体の大打撃は避けられない状況だ。

そんな中でルミネはいち早く最低保証家賃の減額を発表し、テナントへの配慮を見せている。

いまだ国の補償の目処も立たない中で半額まで家賃を引き下げるのは体力に余裕のあるルミネだからこそできることではあるかもしれないが、長期戦の覚悟が

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こんなときこそ、もっと「伝える」ために。

こんなときこそ、もっと「伝える」ために。

コロナ感染拡大が重大局面を迎え、いよいよ日本も諸外国と同じく外出規制が発生する可能性が高まっています。
先月からすでに飲食店や商業施設の困窮や不安がSNS上でも散見されていますが、ここから2週間ほどはこれまで以上に人が出歩かない期間になるはずです。

小売の視点から考えると、店舗だけではなくものづくりや物流といった人が介在する事業すべてにストップがかかる可能性があるため、オンライン専業だからといっ

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外出自粛の時期に「店舗」ができること

外出自粛の時期に「店舗」ができること

※noteに関する言及箇所以外はすべてnoteプロデューサーとしてではなく、リテールフューチャリストとしての個人の見解です。

先週、政府から不要不急の外出を控えるよう声明が発表され、企業もリモートワークを推奨する動きが出てきました。

出張や旅行もキャンセルが相次ぎ、小売店、飲食店、ホテルなどリアルの場所を起点にサービスを行う企業は軒並み打撃を受け始めています。

特にこの2、3年はリアル店舗で

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店舗というメディアにしかできないこと

店舗というメディアにしかできないこと

店舗はメディアになる。
これは「小売再生」の中でダグ・スティーブンスも語っていたことだ。

私も百貨店で働いていたとき、ずっと「これから百貨店のライバルは雑誌になる」と考えていた。

「売る」という機能も「新しいものを紹介する」という機能も店舗の専売特許ではなくなった今、店舗に求められる役割は何なのか。

この数年、そのことをずっと考えてきた。

先週月刊koeの創刊イベントとして月刊koe編集長

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@cosme TOKYOという「メディア」の本質

@cosme TOKYOという「メディア」の本質

1月10日、原宿駅目の前のGAP跡地に@cosme TOKTOがオープンした。店舗はその名の通り、@cosmeが運営している。

遅まきながら先日店舗に足を運んだところ、『これこそがまさにメディアとしての店舗である』と感銘を受けたのでそのポイントについて整理しておきたい。

「とりあえずここに行けばいい」という第一想起としての店舗@cosme TOKYOの売りは、通称「デパコス」「ドラコス」と呼ば

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まずは、自分たち自身が『愛せるモノ』をつくること #note感謝祭

まずは、自分たち自身が『愛せるモノ』をつくること #note感謝祭

約半年前、イケウチオーガニックの代表・池内さんの「『ストーリーを売る』への僕の違和感」を読んだことが、私がイケウチオーガニックに興味を抱いたきっかけでした。

『ストーリーで売る』がトレンドになりつつある今、むしろいいものを作ること自体がストーリーになっていくという考え方は、ものづくり企業としてとても本質的で、それこそが顧客への誠実な向き合い方だと思ったからです。

私はいつも、noteは誠実に発

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百貨店は出版社化する

百貨店は出版社化する

店舗はメディアになる。
これは約10年前、百貨店に勤務しながら自分の肌で感じたことだった。

『買う』だけなら検索から決済までオンラインで完結する時代、人がわざわざ店舗に足を運ぶ理由はそのキュレーションとコミュニケーションから生じる新たな学びに集約されると考えたからだった。

だからこそ、当時から私は『なぜモノを"売る"ことに固執しなければならないのだろう』と疑問を持っていた。

モノを売ってその

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私たちは、本当は接客「されたい」生き物だ

一時期、『接客不要バッジ』が話題になったことがあった。
買い物中に店員さんに話しかけられるのが嫌な人のために、『話しかけないでください』と意志表示するためのアイテムだ。

実際にバッジを使う人が少なかったのか運用面に問題があったのか、こうした取り組みは結局たいして広がることはなかった。
しかしこうした取り組みが実験されるほど、私たちの多くは店員さんに話しかけられることにストレスを感じている。

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「気持ちよくお金を払えるポイント」をどれだけ作れるか

「気持ちよくお金を払えるポイント」をどれだけ作れるか

小売業、その中でも特に実店舗が好きな私にとって、「店舗経営」は常に興味の尽きないテーマです。

とはいえ自分の資本で店舗を経営した経験はないので、無責任にあれやこれや言っているだけではあるのですが、最近の私は「キャッシュポイントをどれだけ多く作るか」についてよく考えています。

キャッシュポイントが多いということは、その場を楽しむための方法に多様性があるということだと思うからです。

例えば、小売

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