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Books

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世界中のカフェ、図書館、古本屋、書店で出会って読んだ本たち。 本を持って旅に出て、その土地に合った本を置いて、また新たな本と旅に出る。
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2021年8月の記事一覧

保存でもあり、同時に開発でもある、という微妙で曖昧な何か【本:隈研吾による隈研吾】

保存でもあり、同時に開発でもある、という微妙で曖昧な何か【本:隈研吾による隈研吾】

ある国立美術館で、飛行機内で読む本を探していた。正確には、国立美術館の展覧会を見ている時間は無く、お土産屋にしては多くの本が置いてあり、少しの時間を潰すのには最適だった。

数年前に読んだ『自分の仕事をつくる』という本や、ドイツの建築家ブルーノ・タウト氏の紹介本。本当は、タウト氏本人の『日本美の再発見』『忘れられた日本』『建築とは何か』等の本があったら選んでいたけれど、それらは販売されていなかった

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優しい社会を目指して【本:デジタルとAIの未来を語る】

優しい社会を目指して【本:デジタルとAIの未来を語る】

台湾のデジタル担当の政務委員であるオードリー・タン氏は、とても優しい言葉で話す。「デジタルとAI」という言葉に埋もれる私たちにとって、それでも、「人々を繋げる」「インクルージョン」「多様性」が先にあるので、あくまでもツールとして、この2つを語っている。

大学院でオードリー・タン氏と「語る会」が開かれた。この機会自体も、タン氏は一方的に話すよりも、「皆さんのことが知りたい」といって、双方の座談会の

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寛容さが試される場所【本:パリの国連で夢を食う】

寛容さが試される場所【本:パリの国連で夢を食う】

スリランカの建築家のジェフリー・バワ氏は、38歳のときに法律家から建築家へ。そして、この『パリの国連で夢を食う』という本の著者、川内有緒さんは38歳のときに国連やコンサルの仕事から作家へ。こういう、破天荒というか、異色の人生キャリアの持ち主の話が好き。とはいえ、きっと当の本人からしてみれば、自分の直感に従ったとか、それが点と点が繋がった結果なのだったとも思う。周りにも、政府関連の仕事をしながらも、

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