週刊少年松山洋_タイトル_調整

売れたら頑張ります!という人達

漫画家、漫画原作者、小説家、本を書いている人達、そしてゲームクリエイター。

この世界には様々なクリエイターが存在します。

また同時にそれを支える人達も存在します。

漫画家や小説家にとっては出版社の編集担当者。

ゲームクリエイターにとってはメーカーの担当プロデューサーがきっとそれにあたります。

作り手である漫画家や小説家、ゲームクリエイターは日々“モノ作り”の過程において様々な局面でそれぞれの編集担当やプロデューサーと打ち合わせしたりアイデアを出し合って様々な検討と苦節を乗り越えてその作品を世に出します。

私自身20年以上もこの世界で仕事をしてきてずっと違和感を抱えていることがあります。

私はゲームソフトを作るゲームクリエイターという本業を行いつつ、今までに本も執筆して2冊ほど世の中に出版されているちょっと珍しい経験の持ち主。

ゲームソフトの企画・原案・制作というゲームクリエイターであり、本の著者でもあります。

また周りにも沢山の漫画家や小説家の友人がいますので、彼らからもよく話を聞きます。

その上でやっぱり感じている違和感というのは

いざ完成した本や漫画作品&ゲームソフトを発売するときの話です。

それまでは共にその作品をより良いものにするために二人三脚で歩いてきたはずなのに、いざその作品の発行部数(生産数)を決めるときになると、決まってこう言うのです。

「いやあ、今回はやっぱり営業からあがってくる数字が厳しくて。○○○○冊からのスタートとなります。(出版)不況なのでやっぱり厳しいですね。大丈夫ですよ。良い作品になりましたし、きっとリピート(重版&追加注文)がすぐにかかりますよ。そうなると宣伝するための予算も増えるかもしれませんし。頑張っていきましょう!」

ってね。

いや、もちろん私だってこの業界や出版社の仕組みや、会社の構造は理解してますので。担当の一存だけで決められることではないことは重々承知しています。

そう、承知した上で。あえて、誤解を恐れずに。言わせていただくと。

これって

「売れたら頑張ります!」

って言われてるようにしか聞こえないんですよね。

だから、やっぱり私は“んんー?”ってなってしまうのです。

作品を生み出すまでは一緒に苦労してやってきたのに、一番肝心な“売るターン”になったら“人まかせ”になってしまっているように感じるのです。

“売れたら頑張る”のではなく“売れるようにするために頑張る”のではないの?

これは別に“今になって思っていること”では決してなくて、この20年どんな作品を作って世の中に出すときにも常に感じてきたことです。

“営業からあがってくる数字が~……”

“今回は宣伝の予算が~……”

“今期の部署の方針で~……”

といった感じで“できない理由”をさんざん聞かされてきたので。

正直、慣れっこというか、随分前に気づいたのです。

“ああ、こりゃ、あれだ。良い作品を生み出した上で、それをしっかりと売って結果を出すためには、コッチ(著者)側がしっかりしなきゃならないんだ”

という現実に。

なので、だから、私はおよそ以下のようなやり方(方法)を実践するようにしています。

方法は①~④まであります。

【注意】今回の話の要点は“編集担当やプロデューサーは信用ならん。彼らは作るのは頑張るけど、売るときには知らん振りだ。”ということでは決してありません。担当とクリエイターは本当に二人三脚で一心同体でないと、そもそも良いモノ作りはできません。ただ、どうしても出版社や会社の構造上、当の担当を同じように悔しくて苦しい思いをしているのです。だから、私自身の経験則としてこういうことを担当に提案したり実行したりすると有効ですよ、ということをお伝えしたいのです。

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