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国語王☠️
2022年10月26日 17:39
「カーテンを開いて/静かな木漏れ日の/やさしさに包まれたなら/きっと/目にうつる全てのことは/メッセージ」(荒井由美)武満徹「影絵の鏡」より問四「そして、やがて何かをそこに見出したように思った」(傍線部エ)とはどういうことか、説明せよ。内容説明問題。「そこ」とは「何も現れはしない小さなスクリーン」、「何か」とは老人が「何かを、宇宙からこの世界へ返すのだと言った」、「何か」と対応するもの
2022年10月25日 17:00
ゴールデンカムイの実写化が話題ですが、、今福龍太「風聞の身体」より問四 「象徴的な交感と互酬的な関係性の地平」(傍線部エ)とあるが、どういうことか、説明せよ。(60字程度)内容説明問題。A「象徴的な交感」とB「互酬的な関係性」について説明する。締めの「地平」については「広がり」くらいの意味だが、「どういうものか」ではなく「どういうことか」と問うているので、AとBの内容を具体化すれば事足
2022年3月20日 12:00
【2022東京大学/国語/第四問/解答解説】〈本文理解〉出典は武満徹の随想「影絵(ワヤン・クリット)の鏡」(『樹の鏡 草原の鏡』1975)。①段落。私がこれまでに作曲した音楽の量は数時間あまりにすぎない。たぶんそれは、私がひととしての意識を所有しはじめてからの時間の総量に比べれば瞬間ともいえるほどに短い。しかもそのなかで他人にも聴いて欲しいと思える作品は僅か数曲なのである。…②段落。寒気
2021年10月18日 15:54
【2013東京大学/国語/第四問(随想)/解答解説】〈本文理解〉出典は前田英樹『深さ、記号』。①段落。知覚は、知覚自身を超えて行こうとする一種の努力である。この努力は、まったく生活上のものとして為されている。(例/目の前の壺。私はこの壺が網膜に映るものだけとは見なさず、見えない側の張りや丸みや色さえも見ようとし、実際見ていると言える)。見えるものを見るとは、もともとそうした努力なのだ。なるほ
2021年4月20日 13:28
【2021東大国語/第四問/解答解説】〈本文理解〉出典は夏目漱石「子規の画」。前書きに「この文章は、夏目漱石が正岡子規を偲んで記したものである。子規は闘病のかたわら「写生」を唱えて短歌・俳句の革新運動を行い、三十代半ばで逝去した」とある。①段落。余は子規の描いた画をたった一枚持っている。亡友の記念だと思って長い間それを袋の中に入れてしまって置いた。…渋紙の袋を引き出して塵をはたいて中を検
2020年4月2日 10:59
【2010東京大学/国語/第4問(随想)/解答解説】 〈本文理解〉出典は小野十三郎「想像力」。筆者は詩人。①段落。もし詩人が自ら体験し、生活してきた事からだけ感動をひきだし、それを言葉に移すことに終始していたならば、「詩人なんてものは、人間にとって、あってもなくても一向にさしつかえのないつまらないものになるだろう」(傍線部ア)。詩が私たちに必要なのは、そこに詩人の想像力というものがはたら
2020年2月2日 11:40
【2014東京大学/国語/第四問(随想)/解答解説】 〈本文理解〉出典は蜂飼耳「馬の歯」。毎度ながら、味わい深い随想からの出題だが、今回のは特に難度が高い。①~③段落。仕事の打ち合わせでだれかとはじめて顔を合わせるとき。そんなときには、互いに、見えない触覚を伸ばして話題を探すことになる。(中略)。初対面の人と向かい合う時間は、「日常のなかに、ずぶりと差しこまれる」(傍線部ア)。先日は理系の
2019年2月19日 14:34
【2017東京大学/国語/第四問(随想)/解答解説】こんにちは。GV国語科の大岩です。毎度の長文です。東大の第四問を使って「随想(エッセイ)」を特集します。随想については、場面を正しく把握し的確に表現する力が求められます。特に、含蓄のある表現を、ただの言葉の継ぎはぎではなく、自力で言語化する力が必要になります。普段から地道に、直接的・間接的体験を言語化し深化させ、簡潔に的確に表現する力を磨き、
2019年1月30日 11:57
【2018東京大学/国語/第四問(随想)/解答解説】〈本文理解〉出典は串田孫一『緑の色鉛筆』。東大の第四問は文系のみで随想からの出題が基本である。①②段落。(有袋類の例を承け)どうして同じ哺乳類でありながら胎盤のない種類がいるのか。これは動物学では考えないことにしている問題である。それは学者にとっては用心しなければならない穽である。動物の中でもこれに似た奇妙な例がいくらでもあり、人間も例外
2019年3月16日 20:52
【2019東京大学/国語/第四問(随想)】 〈本文理解〉出典は是枝裕和「ヌガー」。筆者は、映画『万引き家族』で監督として2018年カンヌ映画祭のパルムドールを受賞した。①段落。迷い子になった。②段落。僕が六歳か七歳かの時だったと思う。乗り慣れた東武東上線の電車の中での出来事だった。車窓の風景を見るのが何より好きだった僕は、座っている母から少し離れたドアの前に立ち、夕暮れの町並みを目で追
2020年4月2日 12:05
【2020東京大学/国語/第4問(随想)/解答解説】出典は谷川俊太郎『詩を考える〜言葉が生まれる現場』。〈本文理解〉①段落。「あなたが何を考えているのか知りたい」小田久郎さんはそうおっしゃった。電話口を通してぼそぼそと響いてきたその肉声だけが、私にとってこんな文章を綴ろうとする唯一の理由だと、そんなふうに私は感じている。②段落。編集者である小田さんの背後に、無限定な読者を想定することは