秘密主義な彼女

高校生の時、陸上部だった。当時マネージャーがいなくて、同じクラスの完全にインドア系の子を勧誘して、マネージャーになってもらった。

彼女は勉強が良くできた。マネージャー業も完璧で、私がイライラしているときもずーっとサポートしてくれた。高校を卒業して、私は孤独な女子大生になり、彼女は（当時の）郵政に就職した。

しばらく会っていなかったんだけど、大学で友達ができなさすぎて悩んでいた私が酔って号泣し始めたら「ずっと寂しかったんだね」といって抱きしめてくれた。それから今まで、会う頻度は減ったけど、ずーっと仲良くしている。

私と彼女の共通点は「彼氏ができたことがない」/「不器用」なことだった。私に先に彼氏ができて、彼女はたまに恋の話があるものの、ずっとできていない。頭のいい人なので、コミュニケーションや性格・見た目に問題がある、わけでもない。

スピリチュアルはあまり信じていない。けど、いつも彼女のことを思い出してからほぼ3日以内に、連絡がくる。今回も思い出してから次の日に連絡がきた。東京に来たことは話していた。次の週末、北海道に帰るからランチしようという話になった。

毎回、私が遅刻する。10分～15分程度は必ず。仕事では遅刻する人は嫌いだし、他の友達との待ち合わせにもあまり遅れないのだけれど、甘えているのか彼女との待ち合わせはどうしても遅れる。

最後にあったのは昨年の4月だった。もともと普通体型だったのに劇的に痩せていて心配したが、自炊⇒夕食を食べる前にしていた間食をやめてみたら痩せた、という話を思い出していた。笑

いちばん最近きいた恋の話は2年ほど前で、既婚の人との話だったのでそれも心配していた。

10ヶ月ぶりにあった彼女は痩せたままだった。髪も伸びていて"キレイになったなぁ、"と思った。二人で赤レンガテラスという（札幌では）おしゃれビルに行き、海鮮丼ランチを頼んだ。

私は東京に行ってからのことを話した。彼氏と婚姻届を出さずに東京に行ったこと、仕事のこと。他のしがらみもあるが、"アレ"がレスで、彼氏にも心配を打ち明けたけど改善しないこと。別れたほうが良いのかもしれないこと。たまに浮気をしていること。

彼女には彼氏がいたことがないので、もちろん経験がない。でも、他の誰にもレスのことを話す気にはなれなかった。私には何でも話せる友人が彼女も含めて3人もいるが、他の2人にも結構長いこと、隠していた。

「あんまりさ、レスになってから回復した話ってきいたことないよね。なんでだろうね…どうしたらいいんだろうね。」優しい口調で返してくれる。私の人生に、なんでも話せる人がいてくれてホッとした。

「ぺぷ、別れたからもう言うんだけど、私さ、2年くらい付き合ってる人いたんだよね。」

…え？

待ってまって、2年？

その間、ずーっと私にも隠してたの？

怒りとか、悲しさとかは全く無かった。彼女と私は正反対の性質なので、「またやってくれたな～」と思った。それと同時に、すごく嬉しくなった。だからキレイになったんだなぁ、と思った。LINEの感じとかも、明らかに数年前に比べると女性らしくなっていた。だからだったんだ。

どうして話してくれなかったの？と、試しに聞いてみた。

「私が彼氏できたっていうと、周りが焦りだすから。焦らせたくなかった。まぁ、ぺぷには話して、焦らせて結婚させたほうがよかったのかもしれないけど。笑」

考えすぎだよ、と私は彼女に言ったけれど、どこまでも優しい子なんだな、と思った。もう１度書くけど、本当に嬉しかった。

今回の２人で着地したのは、結婚はしたいけど旦那を疎ましがるようになりたくないよね。というところ。

そしてなにより彼女は昇進したので、お互い仕事をがんばろう。という話で終わった。笑

秘密主義な彼女と、なんでも話したい私。

几帳面な彼女と、大雑把な私。

きっと彼女とはおばあちゃんになっても関係がつづくだろう。

彼女のこと書いたら、またすぐ連絡きそうだな。

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