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自動車シェア50%を維持し続けたゼネラルモーターズから学ぶ『計画的陳腐化』と『分散モデル』


AppleのiPhoneは、何年か経過すると新機種がでますよね。


新型機を出し、古い型を持っているとダサいと思わせるマーケティング方法を『計画的陳腐化』と呼びます。

今回は、『計画的陳腐化』と『分散モデル』を生み出しアメリカで30年間、自動車シェア50%を維持したゼネラルモーターズについて紹介していきます。

車にファッション性を求めたゼネラルモーターズ


ゼネラルモーターズのアルフレッド・スローンは、フォードのダサくて頑丈な自動車とは違いファッション性を重視した車を開発することにしました。

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消費者は、毎年の流行りで新しいブランド服を買うので、車もブランド化して毎年流行をつくって消費者の手元にある車を時代遅れにする「多ブランド化」と「計画的陳腐」というマーケティング手法を取り入れます。

スローンは、商品を毎年モデルチェンジして大量の広告宣伝を打ち、開発生産方式・広告宣伝・販売方式・自社組織もすべて変えることにしました。


デザイナーが車の外形をデザインする


スローンは、スタイル担当部門を創設することにしました。


エンジニアではなく、デザイナーが車の外形をデザインすることによって、ライバル会社のフォード車と差を作りました。

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また、生産方式もフォードのように専用機械・専用部品ではなく、車種共通の汎用機械・共通部品を用いることで多品種の生産と頻繁に行われるモデルチェンジを可能にしました。

販売・広告にも力を入れる


販売方法では、「中古買取」や「オートローン」を導入して、消費者が新しい車を簡単に買い替えられるようにしました。


広告宣伝も、毎年のモデルチェンジを社会的イベントにして、アメリカ人にその後50年間「この車どこの何年式?」とあいさつで聞かせる文化を作り上げました。

車種ごとに分けた事業体に競わせる『分散モデル』


ゼネラルモーターズは、シボレー、オールズ、オークランド、ビュイック、キャディラックと多ブランド化に成功したので車種ごとに独立事業体を作り上げました。

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5つの独立事業体を競わせ、市場調査と財務管理を本社で行うようにしました。

市場調査では、全米各州の月別登録台数の調査を始め、消費者調査も頻繁に行い、財務的にはセールスレポートの標準化と投資収益率(ROI)を中心とした評価基準を作り上げました。


できあがったデータをもとに、本社は事業部を評価して資源配分や役員報酬を決定するようになりました。


ゼネラルモーターズの分散モデルは大成功し、1940年代にはアメリカ市場シェア50%を握る世界最強の自動車会社になりました。

最後に

今回は、『計画的陳腐化』と『分散モデル』を生み出しアメリカで30年間、自動車シェア50%を維持したゼネラルモーターズについて紹介しました。

ゼネラルモーターズのアルフレッド・スローンは、フォードのダサくて頑丈な自動車とは違いファッション性を重視した車を開発することにしました。


スローンは、デザインした新型機を出し、古い型を持っているとダサいと思わせるマーケティング手法である『計画的陳腐化』と車種ごとに独立事業体を作り競わせる『分散モデル』を作り上げ大成功しました。


ゼネラルモーターズの『計画的陳腐化』と『分散モデル』は、現代企業も取り入れているほど優秀な仕組みで、1940年代にはアメリカ市場シェア50%を握る世界最強の自動車会社になりました。

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