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104.【侵入者:人型ロボットと感染】

ある日の夢は……

見知らぬ建物の中から始まった。
そこは壁などの仕切りがなく、横長に十メートル以上はありそうな細長い形をしていた。

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誰かの家なのか、家具や小物が置いてあるのが見える。
建物の片側は端から端までガラス張りの窓になっていて、窓の外は暗かった。

今さっきまで部屋の中には誰もいなかったのに、話し声が聞こえる。
振り返ると、いつの間にか部屋の真ん中あたりに人が立っていた。
警察官のような格好をした男の人と人型のロボットが二体。
すぐそばには縦長の大きな四角い箱があった。

人型ロボットには良い思い出が全く無い。
かなり警戒モードで様子を見ていたら、気がついた警察官が隣にいた人型ロボットに何か話しかけた。
すると、一体の人型ロボットから丸い光が出てきた。

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大きくなったり小さくなったりを繰り返しながら四角い箱の中にスーッと入っていく……。
丸い光が見えなくなったと思ったら、四角い箱の一部が扉みたいに開いて、中から女の人が出てきた。
服の上からでもわかるぐらい筋骨隆々な体つきをしている。

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アタシの方を見ると早歩きで近づいてきて、静かに話しかけてきた。

「どうも。あのボディよりこっちの方が話しやすいと思って……ちょっとお話聞かせてもらえます?」

腰に手を当てながら話す女の人の体には、機械のパーツみたいな物がいくつも埋め込まれていた。
それを見て義体化や電脳化の世界を舞台にした某アニメみたいだと思った。

「最近、物騒なことが続いてて……ちょっとこっちに来てもらえます?」

そう言って女の人は窓の外にあるバルコニーにアタシを誘導した。
今いる場所は建物の上の階にあるのか、バルコニーの側には葉っぱが生い茂った木がたくさん並んでいた。
葉っぱの隙間から外を見てみると、目の前には海外のアパートメントみたいな外観の大きな建物があった。
一階部分は店舗になっているのか、光りに照らされたショーウィンドウが見える。
二つの建物の間には大通りがあって、チカチカとライトを光らせた車と警察官らしき人達がたくさんいた。

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暗くてすぐには気が付かなかったけど、ここは前にも夢で見た場所だと思った。
103.【 アンティークカフェと辿り着けない駅 】で出てきた大通り。
他の夢でも見た気がするけど、毎回断片的過ぎて書き残せていない。

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女の人の話も聞かないで、そんなことを考えていた時だった。
道路の左側から、警察官の格好をした男の人が犬みたいに四つん這いになって走ってきた。
アタシは視力も悪いし離れた場所にいるのに、夢だからか顔まではっきりと見える。
その男の人の顔はペンキでも塗ったみたいに派手な青色をしていた。

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青い顔をした人が四つん這いで他の警察官に近づくと、近づかれた警察官の目の色が白黒反転したみたいに変わった。
黒くなった目を大きく見開いて腰に手を当てたと思ったら、両手には銃のような物……。
ゆっくりと両腕を左右に広げると、振り回しながら辺りに乱射し始めた。
まるで16.【XXロード : 危ない隠し芸】の夢で見た人型ロボットみたいだった。
でも、あのロボットとは違って黒目の男の人の口元は笑っている。
その笑い顔を見て、今度は17.【XXロード : 天使と悪魔】の夢の時の殺人鬼が浮かんでゾッとした。

黒目の男の人が銃を乱射しているのと同時に、青い顔の男の人が他の警察官の方へ走って行く。
銃を乱射する警察官が増えていく中、青い顔をした人に接触した警察官の一人が体を仰け反らせ始めた。
ぐーっと顔を上に向けた途端、下から何かを吸い上げるように顔の色が青色に染まっていった。

「感染した……!」

アタシは気になって身を乗り出しながら見ていた。
すると、女の人が頭を押さえるようにアタシをしゃがませた。

「さすがに弾が当たるから、もうちょっと頭下げなきゃ! 」

そう言うと女の人はアタシの手を掴んで、小走りで部屋の中へ入った。
バルコニーの出入口の近くには、L字型の小さなキッチンがあった。

「このボディは身軽だけど力が足りないから、私一人じゃ守りきれない。私が戻るまでこの中に隠れていて」

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女の人はキッチンにあった大きな物入れの扉を叩くと、どこかへ行ってしまった。
言われた通り物入れの扉を開けてみると、なぜか中に猫がたくさん入っていた。
ぎっちりとか、みっちりとか言いたくなるぐらいたくさん。

これじゃ、入れないじゃん……。

他に隠れられないかと別の扉を次々と開けていると、ご飯だと勘違いしたのか猫達がワラワラと出てきてしまった。
たくさんの猫達にあたふたしていたら……

「おやおや。この物騒な時にお一人ですかぁ~?」

背後から声がした。
振り返ってみると、ミリタリー風な格好をした男が三人立っていた。
他の二人の顔は忘れてしまったけど、真ん中の男は白い肌と派手なオレンジの髪色をした目鼻立ちはっきりの外国人だった。

「こっちの世界じゃ、いくらアンタが不死身でも恐怖は感じるだろ? 大人しく俺等と一緒に来てくれませんかねぇ……」

漫画のセリフみたいな話し方、派手な格好、ドヤ顔で立っている三人。
まるでアニメか何かの演劇を目の前で観ているみたいだった。

オレンジの男がニヤニヤしながら自分の太ももを軽く叩いた。
すると、男の背後から狼みたいな大きな動物が走ってきた。

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あんなのに咬まれたら絶対に痛いじゃん。
女の人も戻ってこないし……。

そう思っていたら、猫が入っていた扉の奥からハスキー犬が颯爽と出てきて驚いた。

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ハスキー犬は側にあったテーブルの上に飛び乗ると、アタシを守るみたいに唸り始めた。
でも、狼みたいな動物の方が体が大きくて明らかに強そうだった。

ダメダメ……危ないからダメ!

なんて思っていたら、携帯のアラームが鳴って目が覚めてしまった。

猫達やハスキー犬がどうなったのか気になるけど……
あの人達はアタシをどこに連れて行こうとしていたのか。

それも気になる夢でした。


別サイト初回掲載日:2015年 05月28日


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