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122.【石造りの街・新たな他の彼等】

ある日の夢は……

だだっ広い建物の中にいた。
大きな体育館みたいな場所。
板張りの床の上にとんでもない数の人達が雑魚寝をしていた。
まるでスーパー銭湯の寝られる休憩所のようだった。
みんな古代ローマの人達みたいな服装をしている

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アタシは建物の外に出てみた。
建物は上から下を見下ろせるような高い位置にあって、出入り口の直ぐ側に幅の広い緩やかな階段が下まで続いていた。

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暑さは感じないけど、日差しが眩しくて砂漠とかが近くにありそうな場所。
105.【 パラレルワールド:スキンヘッドともう一人 】の夢に出てきた遺跡っぽい場所と建物も周りの雰囲気も似ていると思った。

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辺りを見渡していたら、下から騒がしい声が聞こえる。
覗いてみると、建物の右側にグラウンドみたいな平地があった。
その周りをたくさんの人達が取り囲んでいて、中ではサッカーみたいな競技をやっているようだった。
観客と選手の距離がやたらと近い気がする。

アタシも上から競技を見ていたら、歓声とは違う騒がしい声が聞こえてきた。
そっちを見ると、階段を下りた先にある広い場所に黒っぽい集団がいた。
黒い集団は兵士なのか、頭も顔も全部隠れたヘルメットみたいな物を装着していて、手には大きな銃を持っている。
まるでSF映画に出てくる兵士みたいな姿をしていた。
観客はローマ時代の人達みたいな姿をしているのにマッチしない格好の兵士達。

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そんな兵士達の中に観客と同じ姿をした男がいた。
何か悪いことでもしたのか、二人の兵士に両腕を掴まれている。
どこかへ連れて行こうと兵士が強めに男の腕を引っ張った時、男が逃げようとした。
その瞬間、ちょっと離れたところにいた兵士が突然発砲した。
焦っていたのか、兵士は仰け反るような信じられない体勢で数発撃った。
そのせいで弾は男がいる場所とは全く違う場所にいる人達に当たった。
観客と近くにいた選手っぽい人が倒れているのが見える。

いつの間にか夢が切り替わって、アタシは違う建物の外にいた。
さっきと同じ高い位置にあるような建物だった。
その建物の前には横向きの大きな道が数本、奥まで続いていた。
一番奥にはさっきアタシがいた建物っぽい場所と競技をやっていた平地が見える。
大きな道には両サイドに石造りの建物がズラッと並んでいて、上から見ると碁盤の目……というより、あみだくじみたいに見える街並みだった。

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街の所々に大きなスピーカーが設置されていて、そこから何か流れていた。
誰かの名前とどんな生い立ちで、どんな人物だったか……そんな感じに聞こえる。
それを聞いて、さっきの騒ぎで亡くなった人を追悼するための放送だと思った。
しんみりしながら、道を行き交う人達を上から見ていると、すぐ近くの建物から男の子が出てきた。
ショッピングカートみたいなのを押しながら歩き始めた。

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「あっ、 ◯◯だ!」

夢の中のアタシは急いで階段を下りた。

「◯◯!」

起きたら忘れてしまったけど、彼の名前を呼ぶと男の子はゆっくりと振り向いた。
12~13歳ぐらいの歳の子に見える。
クルクルの金髪に青色の瞳、もっちりしていそうな白い肌。
絵画とかでよく見るような子供の天使が少し大きくなったみたいな見た目だった。
アッチノ世界では、金髪と青色の瞳の人に遭遇することが多い。

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男の子はアタシの顔を見ると、ニコッと笑って何も言わずに歩いて行ってしまう。
気になってアタシもついて行ってみた。

大きな道同士を繋ぐ横道をあみだくじをするみたいに歩いていくと、街の中心あたりに辿り着いた。
そこにはひときわ大きな建物があって、入り口には銃を持った人達が立っていた。
でも、さっきの黒い集団みたいな近未来っぽい姿はしていない。
どんな姿だったかは起きたら忘れてしまった。

男の子は入口の前で銃を持った人達にニコっと微笑むと、足早に建物の中に入っていく。
アタシも急いで後について行った。
石造りの建物の中は薄暗かった。
夢なのに石床のでこぼこした感触が凄くリアルに伝わってくる。

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通路の右側にはいくつか部屋があった。
その前を通り過ぎる度に必ず誰かがこちらを覗いてくる。
そのまま通路の突き当りを右に曲がると、広い部屋に繋がっていた。
男の子はほんの少し笑みを浮かべて大きな目をキラキラさせながら、何も言わずにその場に立っていた。
雰囲気なのかオーラというやつなのか、ポジティブな何かが男の子から溢れ出ている。

部屋には大きなテーブル席があって、広い部屋を分断するように布のような何かが上から吊るされていた。
旗のような気もするし地図のような気もするけど、起きたら思い出せなかった。

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部屋の右奥には、黒いビーズカーテンで仕切られた別の部屋があって赤い壁が見える。
静かに待っていたら、中から呻き声のような声が聞こえてきた。

さっき捕まってた人が中にいるんだ。
あの人、確か兄弟がいたよね。

兄か弟か忘れてしまったけど、そんなようなことを夢の中のアタシは頭の中で考えていた。
暫くすると、部屋の奥から口髭を生やした濃い顔の男が出てきた。
男の子の顔を見ると「おー来たか」と言って、布の後ろから持ってきた何かを男の子のカートの中に放り投げた。

「それ持ってってくれ。アイツに宜しくな」

そう口髭の男が言うと、男の子はニコッと笑って後ろに数歩下がり、カートを回転させるとそのままスタスタと歩き始めた。
アタシも口髭の男に軽く会釈をして、急いで男の子を追いかけた。
建物の外に出てからも男の子は全く話さない。
アタシは男の子の横顔をちらちら見ながら歩いていた。

「◯◯ってさ、ほんと綺麗な顔してるよね。肌も赤ちゃんみたい」

アタシがそう言うと男の子はこちらを向いて、少し悪そうな顔でニヤッと笑った。
でも、やっぱり無言。
そのまま真っ直ぐ道を歩いていると、大きな木が見えてきた。
道の真ん中に生えていて周りは日陰になっている。
その木の下あたりに人がいた。
映画監督が座りそうな椅子に座った男の人と、その隣に黒髪ストレートヘアの女の人が立っていた。

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男の人はアロハシャツっぽいシャツに短パン、サンダル姿で、現代っぽい格好をしていた。
茶色っぽい髪を後ろでラフに束ねて、色付きのメガネをかけている。
近くまで行くと男の人はこちらを向いた。
女の人は前を見つめたまま動かない。
クレオパトラみたいな濃いめのメイクをしていて、横顔しか見えないけど凄く美人だと思った。

「やぁ、配達ご苦労さま。キミも一緒だったんだね?」

そう言いながら、男の人が色付きメガネを少しずらして上目遣いでアタシの顔を見た。
男の人の目元を見た瞬間、81.【アパレルガール:双子と金髪の欠陥品】に出てきた『他の彼等』の一人だと思った。
男の人も女の人もよく見ると『他の彼等』と同じ顔。
それに気がついた途端に目が覚めてしまった。

『他の彼等』に会った夢は
81.【アパレルガール:双子と金髪の欠陥品】
94.【ピラミッド型のビル・他の彼等と夢の再確認】

改めて思い返すと
76.【謎の黒服男とツインテールと妊婦】の夢に出てきた黒服の男の人とツインテールの女の人も『他の彼等』な気がする。

『他の彼等』は何人いるんだろうか。
必ず女の人とセットなのも気になる。
アッチノ世界にある、それぞれの場所の管理人みたいな存在なのか……
なんて色々と妄想してしまう。

そんな夢でした。

別サイト初回掲載日:2019年 04月21日 


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