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133.【ゲームセンターのオジサンと似合わない制服】

ある日の夢は……

アタシは女の人を支えて歩いていた。
モデルのようにスラッとした黒人の女性だった。
酔っているのか、一人ではまともに歩けないらしい。
どこかの建物の中にいて、広い螺旋状の階段を慎重に下りていく。


アタシの前には知り合いっぽい男の人がいて
ちょっと手伝ってくれないのかな……なんて思いながら歩いていた。

ビルの外に出ると、目の前には大きな道路があった。
外は少し曇っているけど明るい。
男の人は左に歩いていくのでついていくと、ビルの角をまた左に曲がった。
アタシも女の人を連れて曲がった瞬間、目の前の道が夜に変わった。

ここは昼と夜の境目なのかもしれないと思った。

こんな風に切り替わるのか……。

夢の中だけどアタシは少しテンションが上がった。

暗い道を歩いて行くと、だんだんと周りの景色が変わっていく。
トウモロコシ畑のような背の高い草が道の両サイドに鬱蒼と生えている。


街灯とかも無くて暗いなと思っていたら、突然数メートル先がパッと明るくなった。
明るい場所に行くと、頼りなさそうなライトが上の方にぶら下がっていた。
その下には怖そうな黒人の男の人が立っていて、先を歩いていた男の人にドリンク用のプラカップのような物を渡した。
アタシにもくれるのかと思ったら
「これはキミには必要ないだろ?」と言って、笑いながらトウモロコシ畑の方へ放り投げてしまった。

「瓶ごと酒を飲めってことですねー」

アタシはプラカップが投げられた方を見ながら、皮肉のような何かを言って目線を前に戻した。
すると、先に歩いていた男の人も黒人の人もいない。
ずっと支えていたはずの女の人までいなくなっていた。

えっ、怖い……と思っていたら
「ほら、行くぞ」と横を誰かが通り過ぎた。

ライトに照らされた顔を見たら、アッチノ世界のゲームセンターで会ったオジサンだった。

何か聞こうと思ってもそんな暇もなく、すぐ先にまた明るい場所が見えてきた。
近づいてみると、小さいお店のような建物が草の中に埋まるように建っていた。
居酒屋とか、おでん屋さんみたいな雰囲気。
出入り口の前に誰かが立っている。

「お姉ちゃん、あの立ってる男の顔見て、思ったことをちょっと言ってみな」とオジサン。

「思ったこと?」

「そっ。その答えが相応しかったら、あの中に入れる」

そう言われて、ちょっとドキドキしながら男の人に近づいてみた。
男の人もそういう役目なのか、アタシが前に立っても何も言わない。

明るめな髪色をしていて、北欧にいそうな顔立ち。
男の人らしい筋肉質の体……
でも、フワッと感覚的に違うと思った。

「この人、女の人でしょ?」

何も考えずに言ってしまった。
男の人がそっぽを向いたので、ダメかと思ったら……
「よし、入るぞ」とオジサンがお店の中に入っていった。
合格なのかよくわからないまま、アタシも中に入ってみた。

中はやっぱりおでん屋さんみたいな雰囲気だった。
真ん中ら辺に調理ができそうな場所があって、スキンヘッドにねじり鉢巻をした大将みたいな人がいた。
結構な人数の人が座っているのに、なぜかみんな静かにしている。
オジサンは四人がけのテーブル席に座って、アタシを隣に座らせた。

「姉ちゃん、さっきなんでわかった?」とオジサン。

「いや、なんとなくそう感じて」

「そうか。この店はな、仕事を依頼する奴と受ける奴の交渉の場なんだ。ここにも来るぞ」とオジサンは空いている目の前の席を指差した。

「仕事って……」と聞きかけた時、夢の中の記憶なのか、自分が知りたかったことがわかってしまった。
オジサン達は復讐とか善悪とか、何かしらの理由で人物を消したり、難しい仕事を受ける闇の仕事人。
でも、その依頼人も命と引き換えなのか、病気なのか。
よっぽどの理由や覚悟が無いと依頼できない。
そんな感じだった。

「誰が依頼人かわかるの?」と聞いたら

「服装でわかるさ」とオジサンは自分が着ている服を摘んだ。
オジサンの服を見ると教会にいる牧師さんみたいな格好をしていた。

前に会った時は肌着みたいなタンクトップと短パン姿だった気がする。
だから、変な感じがした。

オジサン似合わないなぁ……。

そう思いつつ自分の服を見ると、自分も同じような雰囲気のワンピースを着ていた。

改めて周りを見てみると、みんなも同じ服を着ている。
でも、その中に違う格好をした人もいた。
中世の修道士といったらいいのか。
大きなフードがついた服だった。

「違う服を着てる奴は依頼人だな」と聞かなくても教えてくれた。

暫くすると大将みたいな人が料理を持ってきてくれた。
メニューは一品しかないのか、みんな同じ物を食べている。



置かれた丼の中を見ると煮込み料理のようだった。
手羽先みたいなお肉がゴロゴロ入っている。

「うーきたきた。ここの鶏料理は最高に美味いんだよ。依頼をするか受ける側にならないと食えない。だから、最後の晩餐だって思う奴もいるし、これを報酬にするやつもいる」

そんな風なことを言いながら、オジサンはガツガツ食べ始めた。
確かに見た目も凄く美味しそうだし、何より夢なのに料理の匂いまで感じる。
何時間ぐらい煮込まれていたのだろうか。
ほろほろ感が伝わってくる手羽先に見惚れてしまう。

いつものパターンだと、何かに邪魔されて食べられないことが多い。
今回もダメかなと思いつつ、手を伸ばしたら触れられる。

食べられるじゃん!

舞い上がりかけた時だった。

「お待たせしました」と言いながら、前の空いた席に依頼人の格好をした二人組が座った。

ほらね、やっぱり食べられないじゃんか。

もやもやしていたら
「話は俺が聞くから、お姉ちゃんは食ってていいぞ。冷めたらもったいないからな」とオジサン。
料理の熱気のせいか、こっちを向いたオジサンのメガネが曇ってて、夢なのに細かい設定だな……。

そう分析しつつ、「では、お言葉に甘えてー」と食べようとした瞬間にスーッと目が覚めてしまった。
ほんとに悔しい。
美味しそうだってあんなに思ったのは初めてかもってぐらい、ほんとに美味しそうだった。食べたかったな。


依頼人の姿を見て、129.【走るパイプベッドと金色マスク】の夢に出てきた金色のマスク姿の男の人を思い出す。

何かで見たアニメや漫画の影響なのか、よくありそうな設定だったけど、あのオジサンと久しぶりに話せて良かった。
前に助けてくれたお礼を言えなかったのも申し訳ない。

色々な意味でモヤモヤした。


そんな夢でした。


夢を見た日:2020年10月24日

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