マガジンのカバー画像

デザインと無

45
運営しているクリエイター

#デザイン

フィードバックとの向き合い方

フィードバックとの向き合い方

序おおよそデザインというものは、ただデザイナーの独力で行えるものではなく、常に内外問わず、「誰がしか・何がしか」の意図やコンテキストを含んでいる。

デザインの表層はシンプルに見えても、うちに混沌とした複合的な思惑を孕むのがデザインである。

また、何らかのアウトプットがあったとして、それを届ける対象が不在なのであれば、それは「アートを呼称した何か」であるか、もしくは「デザインっぽい何か」であり、

もっとみる
あなたのデザインは誰を排除しているか?インクルージョンとデザインについて、改めて

あなたのデザインは誰を排除しているか?インクルージョンとデザインについて、改めて

こんにちは。アル株式会社でCCOをやっている@ottieeです。

ちょっとしたきっかけから、インクルージョンとデザイン、そしてインクルーシブデザインについて改めて考える機会があったので記事にしておきます。

ちょっとしたきっかけある日のミーティングのあと、集まった6人のメンバーでランチに行きました。初めて訪れたお店で、渋谷駅近くの立地の割に値段も安く、店もゆったりとしていてソファ席もあり、良い雰

もっとみる
"悲劇的な"デザイン

"悲劇的な"デザイン

こんにちは。アル株式会社でCCOをやっている@ottieeです。

今日はデザインのネガティブな面について書いてみようと思います。

「デザインがユーザーの感情や行動にネガティブな作用をすることもある」ということは感覚的にも経験的にも、ほとんどの人がわかっていること事だと思います。

たとえば…

商品をカートに入れると標準でメルマガを受け取る設定になっているECサイト

ブラウジングをしている時

もっとみる
UIデザインを表現する曖昧な言い回し

UIデザインを表現する曖昧な言い回し

こんにちは。アル株式会社でCCOをやっている@ottieeです。

UIデザインに限らずデザインの現場において、初めて聞く人には独特な表現でデザインを評価していることが往々にしてあります。

非デザイナーからの指示や感想が曖昧になること自体は、指示が細かくなりすぎるより、個人的には良いと思いますし、それを汲み取って形にするのがデザイナーの腕の見せ所だと思うので、良いのかなと思っています。

よく言

もっとみる
デザインと無

デザインと無

こんにちは。アル株式会社でCCOをやっている@ottieeです。

こういう本を読みました。

常日頃、「デザインは無」と半分冗談めかして言っている(本心ですが)自分としては、「無=最高の状態」と言い切っている本書は大変興味深く、結果3周くらい読みました。

内容的には、どちらかというか人生の考え方・生き方の本で、すごくざっくり序盤の概要を書くと、

人間は「苦」がディフォルト設定であり、人類原初

もっとみる
雑記:納得と理解

雑記:納得と理解

こんにちは。アル株式会社でCCOをやっている@ottieeです。

アルは少数精鋭で回している会社で、デザイナーで常駐しているのが僕だけという事情もあり、複数のプロジェクトに関わることが常です。

色々なプロジェクトに参加している中で、よく問題になるのがチームの合意形成の話です。

チームの方針や戦略など大きな話、サービスの新機能の話だったり、UI改善のラベリングみたいな小さな話まで、合意形成をと

もっとみる
デザインの小話 no.7 / デザイナーでは無くても知っておくと良いデザインの話

デザインの小話 no.7 / デザイナーでは無くても知っておくと良いデザインの話

こんにちは、アル株式会社でCCO&デザイナーをやっている@ottieeです。

最近デザインの記事を書いていないなと思い立ち、たまにはデザイナーっぽいことを書こうかなと思いました。

デザイナーでなくても、日々の業務で資料作ったり、ワイヤーフレームを引いたり、ちょっとしたバナーを作ったり…

そんな時、知っておくと効率を上げたりアウトプットが良くなったりしそうなデザインの知見を紹介します。

グル

もっとみる
2022年の振り返り

2022年の振り返り

仕事も収めたので2022年を振り返ります。

アルでのお仕事2022年も引き続き、アルのデザイナーとして仕事してました。

新しくリリースされたものとしては、ハロマス、dango、marimoがあります。

上記3つの内、2つがNFT関係のプロダクトなのですが、アル社として大きくweb3の事業に注力することになったという文脈があります。

流行りとか時流にのるとかそういう側面もあるにはありますが、

もっとみる
行列ができるデザイン

行列ができるデザイン

追記:2023/5/1また改悪されてしまっていました…ネットニュースにもなっていましたね…
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2304/27/news183.html#smartnews_nl

追記:2022/11/8この記事は2022/10/18に初稿を書きました。2022/11/8、20日ぶりに同じ牛丼屋に再訪したら、記事で指摘した戸惑いそうなUI

もっとみる
marimoのデザインができるまで

marimoのデザインができるまで

こんにちは、アルでデザイン全般を担当している@ottieeです。

今回はアル社で初めてのweb3領域、NFTプロダクトとなるmarimoのデザインについて書いてみようかと思います。

marimo is 何?漫画やイベントでの配布など、NFTが一部盛り上がりを見せていますが、(怒られを覚悟で)ざっくりいうと、所有権や来歴が公になったデジタルデータ、みたいなものです。

marimoも形や色の違っ

もっとみる
Figmaでワイヤーフレームを作り効率化をした話

Figmaでワイヤーフレームを作り効率化をした話

こんにちは、もしくはこんばんは。

今回はアル社での、Figmaを使ったワークフローの話です。

アルでは2022年1月にハロマスというサービスをリリースしました。

ハロマスは、クリエイターが作ったオリジナルのギフトを買えるサービスで、デザインはFigmaで制作されています。

UIデザインはFigmaで作り、エンジニアが参照しながら開発を進める、それだけならば至って普通なのですが、ハロマスの場

もっとみる
良いところを指摘する方がデザインは良くなる

良いところを指摘する方がデザインは良くなる

ポジティブフィードバックって大事だなーと改めて思うことがあり、昔のブログを掘り起こしてきました。

---

デザイナーという職業柄、クリエイティブやサービスやアプリなどなど、デザインという観点で意見を求められることが多いのですが、こういう時って気を抜いているというか油断してると、悪いところの指摘が先行して、良いところの指摘を忘れるので、気をつけているという心がけがあります。

デザインに対して、

もっとみる
デザインと想像力とYAZAWA

デザインと想像力とYAZAWA

デザインについて最も重要な要素は、他者を思いやる想像力、みたいなことを書きます。

---

受け取る側が「どう思うか?」「どう解釈するか?」「どういう気持ちになるか?」という視点を持つのは、当たり前のようで欠けがちです。

最近話題になった品川駅の広告もそうですが、受け手の状況や心理を想像できていなかった時、デザインは凶器にもなり得ます。

Googleで何かのサービスを検索をした時、競合他社が

もっとみる
KPTについてうんぬんします

KPTについてうんぬんします

9月もそろそろ終わりです。こんにちは。

このツイートを拝見して、KPTについて自分なりに振り返ることがあったのでメモ的に書いていきます。

KPTとはKPTとは、ある期間の仕事をチームで振り返り、業務改善を加速するフレームワークのひとつで、Keep・Problem・Tryの頭文字をとって、「ケプト」とか「ケーピーティー」とか言われます。

1週間とか2週間とか定期的に、もしくはプロジェクトの終わ

もっとみる