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ところかまわずナスかじり

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ギャグの宝庫!理不尽の宝庫!何がなんだか・・・の宝庫!
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#理不尽

― 「ところかまわずナスかじり」第八十六話 誰が決めたんだ ―

 ウチの子が万引きをして、警察に呼ばれた。
 ただただ、すまない気持ちで、そして、恥ずかしさで、穴があったら入りたかった。

 会社では私は部長である。指導する立場である。そんな立場にある私の息子が万引きだなんて・・
 
 警察というところはいつ来ても殺風景で薄ら寒い。
 息子はどこにいるのだろうか?
 
 あ、いた。
 二人の警察官が一緒である。
 私は足早に彼らのもとに近づいた。
 と、その時

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― 「ところかまわずナスかじり」第八十二話 ドイツの言い分 ―

ドイツ:「ワシもなぁ、もう若くはないんぢゃ。いつどうなるか知らん。ワシが死んだらどうするつもりぢゃ!」

チェコ:「うっせぇ、ジジイ!さっさと死ね!」

ドイツ:「ああ、ああ。そんなこと言っちゃいかんぞ、年寄りに向かって・・・。お前も昔はあんなに可愛かったがなぁ。ほら、冬にはほっぺたを真っ赤に・・・」

チェコ:「もう何千回も聞いてんだよ!いまさらオヤジ面すんじゃねぇ!」

ドイツ:「まったく、そ

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― 「ところかまわずナスかじり」第八十一話 足から始める関係 ―

 ある日のことでした・・・

魚の目:「おい、タコ!」

タコ:「うっせーよ!誰がタコだ!お前こそなぁ、魚くせーんだよっ!」

水虫:「やめなさい、あんたたち!『目クソ、鼻クソを笑う』っていうでしょ!」

靴ズレ:「そりゃあいいや!はぁっはっはっは!」

― 「ところかまわずナスかじり」第八十話 モヒカンの独り言 ―

 俺には分からねぇ・・・
 なぜ、サチコは俺をふったのか・・・

 確かに俺は雄叫び上げるよ。当たり前じゃん。だって俺、インディアンだもん。

 頭のてっぺんだけ髪残してるよ。てっぺん以外は全部剃ってるよ。そりゃあそうさ、だって俺、モヒカン族だもん。それがかっこいいって思ってるもん。

 俺、馬乗れんだぜ・・・

 でも・・・
 サチコにさ、『だからなに?』って言われたんだ・・・

― 「ところかまわずナスかじり」第七十九話 店長 ―

 そうですかぁ、私はクビですかぁ・・・。
 いや、私、これでも一応店長なんですけどもねぇ。まぁ、時代といってしまえおじゅうばそれまでなんですけど・・・

 そうですかぁ・・・

 あの、ちょっとすいません、法律的にはどうなんでしょうかね?あの、バイトの方が、そのぉ、店長をクビにするって・・・。いや、深い意味はないんですけど・・・。

 あ、それはそうですよねぇ。専門家じゃないと、ねぇ?

 そうで

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― 「ところかまわずナスかじり」第七十八話 すいません、ラジオから火がでています ―

依頼者「すいません、ちょっと来てほしいんですけど。」

修理業者「はい、はい。どうされましたか?」

依頼者「いや、大したことはないんですが、ウチの洗濯機がちょっとうごかなくなっちゃって。」

修理業者「ああ、この季節よくあるんですよ。ではこれからすぐに伺いますね。」

依頼者「すいません、よろしくお願いします。あ、あと、すいません、ついでといってはなんですけど、一昨日からウチのラジオが出火しちゃ

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― 「ところかまわずナスかじり」第七十七話 けんちん汁と私 ―

 トイレにて・・・

夫「おぉい!お前、ちょっと来てみなさい!」

妻「なぁに、あなた?どうしたの?」

夫「まぁちょっと、これを見てごらん。今、生まれたばかりなんだけどな。」

妻「まぁ!まるでけんちん汁そっくりじゃない!」

夫「そうなんだよ!人参も入ってるだろう?」

妻「あらぁ、この赤いのがそうね!」

夫「こんにゃくもあるぞ!」

妻「まぁ!」

― 「ところかまわずナスかじり」第七十四話 ゆかいな彼 ―

 ふぅ~っ。ちょっとごめんよ。話の前にこの一本だけ吸わせてくれ・・・。ふぅ~。
 よっ、と。いや、最近本数も増えたな。一番のダチの信夫にも心配させちゃったしな。いや、信夫に言われたとき、確かにもうタバコは止めようって思ったし、じっさい半年くらい止めてたんだよ。でもさぁ~・・・。ふぅ~・・・。

 そう。あのとき、海をね・・・
 東京湾とかじゃない、ホントに潮の香りのする海を見に行こうぜって信夫を誘

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― 第三十七話 風の強い日にできること ―

@台風の場合
・凧あげ。
・新しい髪型。
・難易度の高い海での水泳。

@春一番の場合
・カツラが飛ばないようにする。
・手を広げると、飛べる。
・風と同じ速度で走ったら無風となるから、不思議な気持ちになる。

@風向がしょっちゅう変わる時の場合
・鶴拳の練習。
・道を歩いているとき、頭めがけて何かが猛スピードで飛んでくるが、反対に吹き流されたかと思うと、また飛んでくる、かと思いきや、また反対に、

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― 第三十六話 コブラ ―

子コブラ「ママ!またオレ呼ばれなかったよ!いったい何なんだよ、アイツ!」

母コブラ「よしおちゃんっ!パパのことをアイツなんて言っちゃいけません!」

子コブラ「だってママっ!アイツ、前はさ、よく俺を出してたくせにさ!最近は何かあるとすぐキングコブラのやつを呼ぶじゃん!あいつのあの首振りなんて、客もがっかりするよ!な?ママだってそう思うだろ?」

母コブラ「パパだってきっとよしおちゃんのこと考えて

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― 第三十五話 デジタル化 ―

祖父「こぉらぁっ!!まぁた朝からスマホいじってるのかぁっ!!たまには外で運動でもせんかっ!」

と叫ぶだけのソフトウェアをAIが開発した。

― 第三十三話 約束 ―

 この世の中はさ、すべて約束事でなりたってんだよ。分かるよな?
 考えてもみなよ。もしさ、この世から約束事が消えたら、お前、えらいことになるよ。盗む、殺す、騙す、が解禁されてみなよ?な?お前、この世は地獄になっちゃうよ。な?まぁ、そこまで大げさなことは言わないよ。でもさ、例えばよ?飛行機なんかさ、飛ばないよ?だってさ、誰も予約できないもん。だろ?あと、あの、あれ。電子レンジ。ずぅっと温め続けるよ。

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― 第三十二話 ホッチキス ―

<彼女>
 えぇ~!ワタシたちの馴れ初めぇ~?!
 いやだぁ~はずかしぃ~。
 だってこれまで誰にも言ったことないのよぉ、じつはぁ。
 ほぉっんとだってぇ!

 だってさ、ウチの彼氏ってさ、すっごい照れ屋さんなんだからぁ。
 いや、のろけてないってぇ!もうっ!

 でもさ、最初に彼に会った時間だけははっきりおぼえてんのよねぇ。二時。うん、夜中の。

 あのときワタシってさ、ほら、おぼえてるでしょ?

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― 第三十一話 三角関係 ―

メガネの左「ねぇっ!いったいどっちをとるのよっ!」

鼻「そ、そんなこと言ったってさぁ・・・。」

メガネの右「もぉっ!じれったいわねぇ!」