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Diary - FUJI ROCK FESTIVAL'23 感想
フジロック2023に参加してきました(1ヶ月前)。例年通り、聴いてきたライブの感想を残しておきます。ただの日記です。 前回はこちらから。 →Diary #FUJI ROCK FESTIVAL'2…
初期チバユウスケの歌詞の魅力(1/3)
チバユウスケが逝去した。
何ヵ月も前のことだが、もういないという事実がそのままずっとそこに在り続けている。もういない。でも、月並みだけど、その音楽は残り続けている。そして今更言うまでもなく、その音楽と声は滅茶苦茶カッコいい。語るべきものが残されている。だから……BUCK-TICKの時とおなじで、音楽について書きたい。すでに沢山語られているし、更にもっとたくさん語られていってほしい。
自分も書き
『Stop Making Sense』を語りたい - David Byrneが信じるもの
Talking Headsのライブフィルム『Stop Making Sense』が4Kリストアされた。
もう何度見たかわからないが、あらためて傑作だと心から思う。本作を映画館の大音量・音響であびるのは、この上ない聴覚・視覚の体験だ。
この記事は「本作をまだ観ていない方、こんな作品なので観てみませんか?」、そして「観たひと、語ろうや……」と、そういう内容です。
紹介(ネタバレなし)『Stop
audiot909 『JAPANESE AMAPIANO』(2023) 感想レビュー - カルチャーの呼応
audiot909がファーストフルアルバムを完成させた。
その経歴はtunecoreに詳しいが、彼は南アフリカで興った「Amapiano」に感銘を受け、日本での普及に取り組む第一人者である。
本作は音楽性の高さもさることながら、その表現姿勢も素晴らしい1枚だ。ここには普及だけでなく、「カルチャーを広げ、育むこと」の実践がある。
前段でキーワードを踏まえ、アルバムを見ていきたい。
前段■「A
【年間ベスト】2023年の個人的な41枚
2023年も年間ベスト的な日記をまとめます。
前年はこちら。
旧ブログから数えるとちょうど10年分年間ベスト書ききったみたいです。だいぶ時が積み重なってきた。次は20年くらい書けたらいいな。
毎年の口上から始めます。
何かのシーンを追ったりこの1年を解釈するものではなく、単に自分の好みや見方をまとめた感想日記です。ふだん「良かった」で終わらせているものに少しはちゃんと向き合おうという試み。読
SPOILMAN『COMBER』『UNDERTOW』(2023) 感想
東京のグランジ/ポスト・ハードコアバンドSPOILMANが、アルバム『COMBER』『UNDERTOW』を2作同時リリースした。
これはメチャクチャに強力な2作品だ。
まずは文章を流しこむ前に殺傷力の高い『COMBER』を聴いてほしい。
その音楽には、本人たちも愛情を公言するようにTooolやThe Jesus Lizardの影響、ポスト・ハードコアといったジャンルの要素、あるいはTouch
ロックリスナー、Charles Mingusとの遭遇(入門6選)
ポップスやロックから音楽を聴くようになった者として、「ジャズ」は強い憧れがあり、だけど微妙に馴染みづらくもあり、もっと理解(し)りたい世界であります。
自分はロック――オルタナティヴ・ロックやポスト・ロックという言葉から音楽沼にハマった者ですが、「シカゴ音響派」を聴いていった後にMiles Davis『In A Silent Way』を聴いた時の衝撃は凄かった。ロックで「革新的」と言われているこ