見出し画像

Diary - FUJI ROCK FESTIVAL'23 感想

フジロック2023に参加してきました(1ヶ月前)。例年通り、聴いてきたライブの感想を残しておきます。ただの日記です。
前回はこちらから。
Diary #FUJI ROCK FESTIVAL'22 感想

社会人になってからもフジロックの休みだけは何とか何とか確保してたんですが、今年はついにチケットを1日分ムダにしてしまった。金曜日。一番行きたい日でした。ヨラテンゴ、ストロークス、ともかく全方位に魅力的な面子が揃っていた。無念。ともあれ満身創痍のなか土・日は参加したので日記を残しときます。いま文にしてもそこかしこに後悔の念が滲んでおり、不完全燃焼でしたが、今年も楽しかったです。

フジロックに来ること2(飛ばせもする)

ライブ感想に入る前に、ひとつ書いておきます。飛ばせます。

これは去年の続きです。いつもノリを思い出すため去年の日記記事を見かえすのですが、みたら2000文字弱「今年参加することに対する思い」を綴ってました。あらためて読んでみて、妥当性はともかく「何かしらの思い・思考があったこと」は確かに感じられました。手前味噌ながらよく書いておいたなと。これを今年の自分が無視するのは不義理(?)、すくなくとも不誠実だと思ったので、楽しくないですが23年版を綴っておきます。

率直にいえば、今年はコロナ禍であることを意識してフジロックに参加していません。コロナは5類へ移行しました。当たり前ですが存在が消滅した訳ではありません。ただ、この4年間を踏まえたうえで、「重症化・後遺症の恐れがあり爆発的に感染が広がる恐れもある」けれど「基本的にリスク受容した」のが国の決定および今の現状と認識しています。自分も近いスタンスです。
とはいえ音楽フェス、正確に言うと”お祭り”が高い感染リスクを持つイベントなのは疑いようがない。自分としては、"普段は最低限の対策をする。だけど個人としてここは行かせてもらう。楽しみます。負担をかけている、そこは申し訳ないです。"この姿勢です。いちおうフジ・サマソニとも陽性判定なく過ごせました。ほぼ一人参戦なのもあるでしょうが、これは単なる運でしょう。

一方で、フェス主催側に関しては、個人の見解としてもう入念な対策は求めていません。今年のフジでも手洗い回りはしっかり用意されていましたが、それ以上求めるのは酷だと。ゴールはない、援助もない(十分な援助はそもそも不可能)、でもリスク受容した政府の決定・世間の空気も顧みず「対策し続けろ」は非現実的です。「対策出来ないならやるな」にも反対します。芸術の価値を説かずとも"お祭り"は雇用・地域・経済つまり社会の一部であり、贔屓目抜きにそう簡単に無くしていい大きさのピースではない。そして、「でも対策や呼びかけなど出来ることはあったはず」はその通りだと思います。『超気持ちいい』を謳う場面だったのか。


やっぱり昨年より芯が文章に浮かび上がってきません。つまり今年、自分は行きたいからヌルッと参加してきた。それだけになったのです。普段なら書いたあと消すような文章ですが、去年への返答・記録として残します。


はい!
ここから音楽の感想です。

2日目(7/29)

■KOTORI

初手はRED MARQUEEの音漏れに惹かれてフラリ立ち寄ったKOTORI。音漏れから新しい出会いがあるのは音楽フェスの醍醐味ですね。埼玉県の4人組ロックバンドだそうで。マス気味のフレーズ含め、「エモ」を全身からまっすぐ出力している感じがとても気持ちよかった。

フェスってやっぱり非日常空間なので、最初にその空気に"入る"のにはちょっとしたハードルがあると思うんです。今年はKOTORIがそこを突き破ってくれた。気恥ずかしくて弱弱しく構えていたミットに、最高のボールを投げつけてくれたような。観てる側としても気合が入りました。「unity」かっこよかったな。後半のアンセム連打感もすごくて、ダイブも起きてましたね。真昼間のレッドに相応しいアクトでした。


■WEYES BLOOD

往年のポップスをドリームポップの霞でオーロラのように仕立て上げた優雅な音楽性。浮世離れした存在感は本人曰く「ノスタルジックな未来主義者」ことワイズ・ブラッド。独特な立ち位置でアメリカの音楽界にその存在感を確立しており、年間ベストでも名前は見かけてました。ただ、これまではあまりにその音が自分の生活と遠すぎて縁はなかった。しかし出張と重労働の中で、ある種の"ロマン"や"避暑地"として聴けるようになりました。代表曲は「Andromeda」ですが、個人的に推したい名曲は「Wild Time」であります。後半の壮大なハーモニーが美しすぎる。

すごい期待して観たのですが、今回のライブは音響の輪郭がボヤけすぎていたのが残念でした。元々ドリームポップとは音が溶けあうものだけど、この日の音像は、コーヒーにミルクと砂糖をいれてスプーンで混ぜなかったようなバランスの悪さだった。ある曲では低音もヴヴヴと地鳴りしており、この音楽にそれはないだろうと。肝心のボーカル音量も控えめでしたね……。レッドマーキーはキックが映えるロックバンドやDJが映えるイメージです。ワイズ・ブラッド、次はホワイトかヘブンで観たい。不完全燃焼でした。

ただ、白衣のドレスをまとった彼女の立ち振る舞いはどこまでも素敵だった。ロマンというかファンタジーの域でした。会場も幸福な雰囲気が漂っていただけに、音響の残念さが心から悔やまれる。また来てほしい。


■GOGO PENGUIN

マンチェスターのピアノ・トリオ。ドラマチックな楽曲展開は実質「叙情派ポストロック」(本ブログにおいて多用される文言。要出典。いつか説明します。)としてもイケるもので、その横断的な「楽曲美意識」の提示は2010年代中盤にいろいろなインタビューで見かけました。

内容は「流麗」その一言なライブでした。端麗でもよい。ジャズながらtoeとかと並べられるロマンチックさ、曲展開の美意識を持っているのが伝わってくる。流石にエモ流儀ではないけど幅広い層に響くのでは。ただ、個人的には端正なピアノのメロディを仕立て上げていく曲より、荒々しいベースリフで展開していく曲のほうが予測不能で好きでした。自分は「オルタナ教PIXIES派"美は乱調にあり"」信者なので……。でも素晴らしかった。


■UA

本日のベストアクトその1。今回のフジはWEYES BLOOD、YUKI、LIZZOと歌姫を多く観ましたが、飛び抜けて不可解、超自然的な存在でした。日本のDIVAの一角ここにあり。どこまでも自由で開放的な貫禄のライブでした。

この日はまずセトリの塩梅が素晴らしかった。代表曲でグッと観客を惹きつけつつ、個性全開の新旧曲アレンジで突き放す。当時のR&Bヒット曲やシティポップもとより、民謡、ポストロック、ジャズボーカル、ゴスペルへも自在に飛躍してみせるその佇まい。そして何を歌っても完全に「UA」であるその懐は、歌姫というより音楽の女王。あるいは音の巫女。圧巻でした。バンドリーダーが誰で、アレンジの方針をどうやって決めてるのか超気になる。鋭角なアルペジオフレーズで生まれ変わっていた「閃光」、ぶっ飛んでいた「TIDA」→「AUWA」など、音楽のマジックに溢れていた。現役すぎる。

ところで「ミルクティー」これマジ良い曲です。昔だったら「まぁ良いけど地味目だよね」で終わってたんですが、30歳になってからこういう曲が死ぬほど沁みてきました。この温度感なんですよね、生活って(?)。沁みた。「離れててもキスをして」という祈りの所作、「ベランダのミルクティー」がそこに二人の距離と一人の光景を浮かびあげる。ちょっと泣くまであった。みんなも、聴こう!

俺も愛をもって生きていくぞ。ありがとうUA。


■CORY WONG

本日のベストアクトその2。そして大優勝枠。自分としての接点はまずPrinceであります。ミネアポリス出身の彼はNPG(ニューパワージェネレーション)のバンドにも所属していたんですね。そして今年出たライブアルバム2作を聴いた時点で勝利を確信しておりました。

もう開幕一音から、その場にいた全員が「優勝」を確信したでしょう。そして1分後には、「あっ、コイツ待ち時間全部コレで行く気だ」とも確信したでしょう。とにかく全編とめどない音のアップリフト。前項のライブ盤から更にBPM+10したアクセルスピード。完璧に構築されたエンターテイメント・ファンク。おそらく演者それぞれのステージ上の振舞いも決まってるんだろうけど、それを感じさせないくらい開放的で自由(にみえる)、つまり「ファンキー」。最高のパーティであり、こういうアクトを120%で迎え入れるのがヘブンステージの雰囲気。ともかく演者・観客ともども最高の空間でした。あまり言葉を添えたくないくらい、どストレートに最高だった。

ともかく全員の演奏精度が尋常ではなく、この領域に至るまでの彼らの研鑽、そしてその研鑽に至らんとするキッカケとなっただろう先人たちの遺産、つまり音楽の、文化と継承の歴史……人間の営み…………と、宇宙的な感動を覚えてしまいました。ありがとう、全ての楽器。全てのミュージシャン。人類よ。
これくらいのテンションで観ていました笑。

余談を添えておきましょう。とにかく周りが「いつルイス・コールに行くか」を相談してて笑いました。いや、ホントここは罪づくりな被りですよ。しかも向こうが始まるあたりでゲストReiが登場して最高潮を迎えましたからね。延々続くファンクショー、どう山を作るんだろうと思ったら「プレイヤーを増やす」という超物理で笑いました。そして終盤手前、いちどソロ・アンビエントプレイに変化した時の「あぁ、やっぱ一回挟むよね」感笑。

帰宅したあと直近の他フェス出演模様も観たんですが、やっぱりフジの盛り上がりは頭抜けてました。これ、今年は配信なかったけどオフィシャルでフル公開とかされないかなぁ。本当に良い時間だった。たぶんバンドと観客お互いに!こういう時間のためにフジへ来ている。


■LOUISE COLE(チラ見)

CORY WONGで燃え尽きていたのでここはチラ見でした。ただ、とにかく「カオス」なことになってるのは理解った。チルな曲をやっていたかと思えば一気にアシッドな楽曲に流れこむ。どこまで本気で何をやらかすつもりなのか全く読めない。完璧に統制されていたCORY WONGに対して、無軌道な混沌を遊泳するLOUISE COLEという感じ。うーんやっぱここは2組ともフルで観比べたかったですね!



ブレークタイム:フェス飯

土曜はこれにて終了。今回はぜんぶ大人しくシャトルバスで帰りました。文字ばかりなのもアレなのでフェス飯も置いておきましょう。

■讃岐のおうどん 花は咲く

今年のイチオシです。実際に本店を食べたこともあるのですがフジロックの場でも美味しかった。特に天ぷらのトッピングが最高で、フェスとは思えないサイズのがついてきます。3個500円。この場所でこの値段なら十分すぎる。このチクワの大きさ見てくれよ。来年も出店希望。美味しかったって人は本店も行ってみてね。

■ラーメン えにし

信頼と実績の、ところ天国煮干し醤油ラーメン。音楽フェスの真夜中で食べるラーメン、美味しくない訳ないよね。写真が2枚あるのは2日とも食べたからだよ。ちなみに2日目はWEEZERの音漏れをトッピングに食しました。


3日目(7/30)

■YARD ACT

わんさか出てきてる新世代UKポストパンクバンドのひとつ。正直に言って音源にそこまで魅力は感じられてなかったんですが、いやメッチャ良かった。このライブ……これは皆大好きディスコ(ポスト)パンクじゃないか。演奏は音源の10倍、ボーカルの魅力は音源の100倍だった。モーターヘッドのカバーもあったみたいで、音源のクールな(自分はスカしたと感じてしまった)印象とは違う、熱気のこもったライブアクトでした。この魅力をパッケージした音源リリースしてくれ〜。


■OKI DUB AINU BAND

このへんのヘブンアクトが外れることはないだろうという信頼で突撃。音楽的なアイヌ要素は使っている楽器にしか正直感じられない時間が多く(もちろん自分が無知なのも大いにある)、楽曲展開の盛り上げ方は西洋のそれだったんじゃないかな。自分の感想としては、"ダブは最強"に尽きてしまった。楽曲の骨格は明らかにドラムでした。数え歌は面白かったし凄く良かった。

ところでダブワイズが最高潮に達した時間帯をiPhoneで録画していたんですが、当然ながら全然その音響は記録されませんでした。やっぱり「鳴り」は会場の空間、その特権ですね。


■失敗(ROTH BART BARON - JOHN CARROLL KIRBY)

そしてここからは後悔の時間帯です。やっぱり連日の出張と仕事の疲れが響いていたのか、何を聞いても耳を素通りする、集中して音楽を楽しめない体調になってしまった。当たり前のことですが、素晴らしい音楽が目の前になっていたとしても、それを受け取る"構え"が聴き手側にないとダメなんですよね。それは環境・周囲、知識、気分・体調とか自他諸々から成るわけですが、この時は自分の体調がダメだった。

ROTH BART BARONは素晴らしい音楽を高らかに鳴らしていた。それがわかる。のに、受けとれない。これじゃダメだと気力を振り絞ってRED MARQUEEまで移動してJOHN CARROLL KIRBYを観ようとするも、逆に力尽きて椅子の上で寝てました。このへんの時間帯はホントにもったいなかった。

来年はちゃんと心身整えて臨みたいですね……。いや俺は悪くないと思うよ。悪いのは仕事だよ。いやでも頑張ります。頑張れ。


■YUKI

ということで、仮眠ですこし体力は回復しつつもこの辺はかなりテンションが低かったです。そこで出会ったのが、YUKI。予定ではNEAL FRANCISだったけど足が止まった。でもこれはポジティブな意味です。YUKIの音楽、ステージングが素晴らしかった。変な言い方ですがここで救われました。

開口一番あれですが、YUKIより良い曲書くひと居なくないですか?そんなこと言いたくなるくらい、言葉と音、そして佇まいの全てが胸をついてきた。まず前述の精神状態相まって「JOY」のフィーリングにグッ゛ッ゛と掴まれてしまった。そして「うれしくって抱きあうよ」「プリズム」。すまん、YUKIより良い曲書くやつおる?

瑞々しい手つきで景色から光をすくい上げるような。その光が世界と僕らの一歩先を優しく照らしてくれると信じられるような。齢30、その歌詞がやっと理解ってきた。なんてポジティブなんだ……。

なにより50歳を超えた彼女がまだ天真爛漫にYUKIをやっていること、それ自体に強く感じ入ってしまった。UAが女王なら、YUKIは母や(錯乱)。単純にボーカリストとしての声量、音感と体力もすごかった。なんだか今年は歌姫にやられっぱなしでした。この印象はフジのラインナップが素晴らしかったということでもあります。


■G. LOVE & DONAVON FRANKENREITER

一転して、ダンディズム(?)漂う大ベテランたちの宴へ。いやこれも良かったですね。正確無比なCORY WONGと違い、人生にアルコールを許容するような緩み・遊び・余裕があり、これもひとつのスタイル。カッコイイ大人だな~なんて感じたり。何度でも書きますが、自分がフジロック好きな理由の何割かはヘブンステージのバイブスにあります。

と言ってすぐの苦言ですが、毎年ながらも羽虫の量がほんとにヤバかった。ミュージシャンも演奏中に手で振り払うし、観客も肌についた虫を振り払う。お互い集中できやしない。それでもまず上の感想が出るくらいの魔法はかかってるんですが……。切にヘブンステージは虫除け対策が行われてほしいです。とはいえ殺虫はフジのスタイルじゃないでしょう。が、ここまでノーガードなのはヤバすぎる。対策求ム。昔カマシ・ワシントン観たときのロナルド・ブルーナーも苦しんでたよ


■LIZZO

はやいものでラスト。今年のフジはDIVAで締めました。あらためて振り返ると本当に女性ミュージシャンが印象的な年でしたね。元々は完全ノーマークでしたが、金曜いけなくなった以上「ここで楽しむぞ!」と珍しく予習しまくり臨みました。

いやぁ、大きかった。どの角度から見てもただただ巨大だった。ステージ規模、お金のかけ方。音楽スケール、ファン交流の懐。単純に声量、物理。生物の本能として「勝てねぇ」そんな巨大さでありました。見どころだけで作られたような90分弱のステージング、目を奪われるどころか貼り付けさせる密度。明らかにカロリー過多なんだけどアドレナリンで飲み込ませてしまう胆力。

思えば、この手のDIVAを観たのは同じくフジのモネイ以来ですね。JANELLE MONAEが行為で表現していたとすれば、LIZZOはその存在全体で表現を行っていた。そんな感じがしました。優劣の話ではないです)。ヘッドライナーとして貫禄のアクトでした。※1

今回の宿は越後湯沢だったので、フォロワーさんと1時間ほど談笑した後はシャトルバスで直帰。これは完全に個人のワガママですが、深夜割増で1000円でも払うので深夜1時以降もシャトルバス少数走ってくれませんか……。運転手さんに相応のお金は出します……。


ということで二日間のフジロック参加でした。この記事を書くころにはサマーソニックも終わってしまいましたが。やっぱり夏フェス(ライブ)の存在でバイオリズムを整えている節があるなって。来年もまた来たいです。

そんな感じで終わり。




よもやま話

ということで楽しんだわけですが、ここからは、あまり楽しくないエピローグです。

■今年のフジロック環境

2日しかいませんでしたが、今年のフジには環境的な問題が目立ちました。この辺は内本順一さんも記していました。4年ぶりのフルキャパ観客への対応だったことは考慮されるべきですが、いやーいろいろ厳しかった。

第1に飲食店まわりの見たことない行列。第2にネット回線。
4年ぶりのフルキャパ、電子決済の問題、フジロックプラスという試み、いろいろ要因はあったと思います。でも飲料回りや回線は端的にインフラなので今回の状況は危なすぎる。ツイ廃なだけの自分はともかく、海外客や家族客は。あるいは災害が起きたら……。

第3に酷暑と陽ざし。第4に越後湯沢シャトルバス待ち列(土曜)。
帽子を必需品としてもヤバかった。もともとフジは開放的な自然のロケーションが魅力なので日陰は少な目なのでエグい。それがシャトルバス待ちに響く。前回エルレ来た時同様、土曜は2時間弱待ちました。待ち列は日陰がほぼない修羅の道。逆に3日目は待ち時間ゼロで、この辺の配分どうにかならないのか?と思わずにいられない。「終わり良ければすべて良し」で清算されない「ユルサナイ」がある。こんな通過儀礼はムゴすぎる。子連れの方大丈夫だったんかな……


■LIZZOが提訴された件

フジロックの興奮冷めやらぬ中、即座にパワハラ・セクハラで訴訟を起こされました。どんなタイミングやねん!というのは置いといて。現状で野次馬的外野から言うことは特にないと思っています。どれだけ「それらしい」文章を書いたほうが「信じられそう」とか、そういう広報とポジション合戦にも付き合いたくない。「信じたい」みたいな姿勢も誠実ではない。LIZZO側が築いてきた全てを「それらしい」というだけで根本から否定するのも現時点では性急すぎるし、告発者の方を「何だかあやしそう」くらいで非難・疑問視するのもおかしい。一方でファンの方が反応を示すのは当然だと思います。冷静に受け止められる外野側として、疑惑をむやみに騒ぎ広げるほうに立ちたくない、それで世界が良いほうに向かうとは思えない、が自分のスタンスです。

これもまぁ最初のコロナ話と同じで、単に「フジのLIZZO!巨大だった!感動した!」だけで終わらすと不誠実かと思ってつらつら書いてる訳ですが、書くのが正しいのかはよく分からないのが正直なところです。もう少し書きたいですが、本筋とそれるのでこの辺に……。

昨年のフジロック参加もそうですが、「自分が○○をして、(微小ながらも)どんな影響が出るのか」を考えることが年齢的にも増えてきました。このひとつに「SNS上で、ある情報を拡散しようとすること」もあると思います。拡散しようとする行為、それだけであっても責任は持ちたい、もとい責任を感じられるくらいの構えでもってアクションするべきだよな……とか。「不誠実でないか」を最近よく考えています。当然、自分の行動すべてを"良い"や"正解"に紐づけることなんて出来ませんが。

何の話?音楽は最高だぜ。そして音楽を契機にして何かを考えさせられることは多いし、そういうキッカケであることを含めて音楽は大切な人生の糧だぜという話なのでした。



サポートがあると更新頻度が上がります。