サム

いろいろな記録。「こんなのもあるのか」「もう一回聴いてみよう」が好きで、「これだけ聴け…

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いろいろな記録。「こんなのもあるのか」「もう一回聴いてみよう」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い 以前の音楽ブログ「WITHOUT SOUNDS」→https://slapsticker.blog.fc2.com/blog-entry-224.html

マガジン

  • Sonic Youthの軌跡

    Sonic Youthについて、主要アルバム16枚(+α)を追いながら、その軌跡、功績、音楽性やらを辿っていく企画記事。

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最近の記事

『Stop Making Sense』を語りたい - David Byrneが信じるもの

Talking Headsのライブフィルム『Stop Making Sense』が4Kリストアされた。 もう何度見たかわからないが、あらためて傑作だと心から思う。本作を映画館の大音量・音響であびるのは、この上ない聴覚・視覚の体験だ。 この記事は「本作をまだ観ていない方、こんな作品なので観てみませんか?」、そして「観たひと、語ろうや……」と、そういう内容です。 紹介(ネタバレなし)『Stop Making Sense』(SMS)はアメリカのニューウェーブバンドTalkin

    • audiot909 『JAPANESE AMAPIANO』(2023) 感想レビュー - カルチャーの呼応

      audiot909がファーストフルアルバムを完成させた。 その経歴はtunecoreに詳しいが、彼は南アフリカで興った「Amapiano」に感銘を受け、日本での普及に取り組む第一人者である。 本作は音楽性の高さもさることながら、その表現姿勢も素晴らしい1枚だ。ここには普及だけでなく、「カルチャーを広げ、育むこと」の実践がある。 前段でキーワードを踏まえ、アルバムを見ていきたい。 前段■「Amapiano」とは? まずは「Amapiano」(アマピアノ)と呼ばれる音楽

      • 【年間ベスト】2023年の個人的な41枚

        2023年も年間ベスト的な日記をまとめます。 前年はこちら。 旧ブログから数えるとちょうど10年分年間ベスト書ききったみたいです。だいぶ時が積み重なってきた。次は20年くらい書けたらいいな。 毎年の口上から始めます。 何かのシーンを追ったりこの1年を解釈するものではなく、単に自分の好みや見方をまとめた感想日記です。ふだん「良かった」で終わらせているものに少しはちゃんと向き合おうという試み。読んでみて「聴いてみようか」「聴き直してみるか」ってなれば幸いです。今年は紹介より

        • 聴き語りtr.5:B'z 「コブシヲニギレ」 - ワイはこれからお前を殴る

          曲を聴いてひたすら語るシリーズ、トラック 5。 洋楽に影響を受けつつも、ここ日本でヒット・メーカーとして活動し続けているミュージシャンの音楽は大体が面白いです。何故なら、"洋"のインプットがありながらも楽曲はあくまで"J"として出力する必要があり、そこに謎のフィルターが必ず通される、つまり謎の調味料を加えた化合物が創造されるからです。 今回取り上げる「コブシヲニギレ」はB'zが最もヘヴィな音に傾倒していた時期、2000年作『ELEVEN』に収録された楽曲です。「言うてもB

        『Stop Making Sense』を語りたい - David Byrneが信じるもの

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        • 【年間ベスト】2023年の個人的な41枚

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        • Sonic Youthの軌跡
          サム

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          BUCK-TICKの好きな曲の話(90年代編その1)

          BUCK-TICKの好きな曲について綴ります。 このタイミングでBUCK-TICKを聴くと悲しくなるかと思ったんですが、むしろ「なんて優しい曲たちなんだ」と慰められてしまうような感じがしました。一方で、死生観に基づく歌詞があまりにダイレクトに響いてきて胸が苦しくなったり。 ともかく改めて感じたのは、「良い」曲が沢山あるということ。その「良い」には「かっこいい」「泣ける」ほか「面白い」「すごい」そして「こいつら正気か?」「そんなんアリなのか?」などが含まれるわけですが、語る

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          SPOILMAN『COMBER』『UNDERTOW』(2023) 感想

          東京のグランジ/ポスト・ハードコアバンドSPOILMANが、アルバム『COMBER』『UNDERTOW』を2作同時リリースした。 これはメチャクチャに強力な2作品だ。 まずは文章を流しこむ前に殺傷力の高い『COMBER』を聴いてほしい。 その音楽には、本人たちも愛情を公言するようにTooolやThe Jesus Lizardの影響、ポスト・ハードコアといったジャンルの要素、あるいはTouch and Go辺りのレーベルやシーンの音美学がうかがえる。Shellacのようにバ

          SPOILMAN『COMBER』『UNDERTOW』(2023) 感想

          黒澤清『蜘蛛の瞳』 - 虚無は飽和する

          1997 - 1998年の、キレた黒澤清にハマった人の記録シリーズ④。 前回は『復讐 消えない傷跡』。 「あらすじ」「紹介(ネタバレなし)」「感想(ネタバレあり)」の3セクションで綴っていきます。 あらすじこのあらすじは微妙に合っていない。最初30分くらいを見て想像を膨らませたんじゃないかと思う。が、全編みてもどう書いていいかは分からない。 紹介(ネタバレなし)黒澤清の臨界点。すべてが虚無化していく真空の85分。 初見で見た時は「なんだよこれ……」と悪い意味で呆然と

          黒澤清『蜘蛛の瞳』 - 虚無は飽和する

          黒澤清『復讐 消えない傷痕』 - 意味を見出さんとする虚無

          1997 - 1998年の、キレた黒澤清にハマった人の記録シリーズ③。 前回は『復讐 運命の訪問者』。 「あらすじ」「紹介(ネタバレなし)」「感想(ネタバレあり)」の3セクションで綴っていきます。 あらすじあまりにも短い公式あらすじ2だがやはり実際これで十分であり、しかしそこに至るまで余りに蛇行運転がすぎる一作である。 紹介(ネタバレなし)非常にハードボイルドだった前作をうけて、「復讐を始めてしまった人間は一体どこまで落ちてしまうのか!?」そういった更なる緊張感と羅刹

          黒澤清『復讐 消えない傷痕』 - 意味を見出さんとする虚無

          黒澤清『復讐 運命の訪問者』 - 哀川翔は撃たれない

          1997 - 1998年の、キレた黒澤清にハマった人の記録シリーズ②。 前回は『蛇の道』。 「あらすじ」「紹介(ネタバレなし)」「感想(ネタバレあり)」の3セクションで綴っていきます。 あらすじあまりにも短い公式あらすじだが実際これで十分である。復讐に足る動機を持ってしまった人間が、その殺意でもって映画をひとつ駆動する。それだけの話だ。 紹介(ネタバレなし)黒澤清 × 高橋洋の初タッグ作。「悪意の軽さ、善意の重さ。」とは『蛇の道』につけられたキャッチコピーだが、どう考

          黒澤清『復讐 運命の訪問者』 - 哀川翔は撃たれない

          黒澤清『蛇の道』 - 裁きのウロボロス

          1997 - 1998年の、キレた黒澤清にハマった人の記録シリーズ。 「あらすじ」「紹介(ネタバレなし)」「感想(ネタバレあり)」の3セクションで綴っていきます。 あらすじ紹介(ネタバレなし)緊張感というより、無機質な不穏を張り詰めさせたような90分。こんな奴らと絶対関わりあいたくない、同じ空間にいたくない。そんなシーンが車中、廃工場といった乾いた風景のなか反復・展開し続ける。居心地の悪さの演出力が異常なまでに研ぎ澄まされている生理的サイコ・ホラー(?)。どう考えても「そ

          黒澤清『蛇の道』 - 裁きのウロボロス

          1997-98年のキレた黒澤清を観る(蛇の道、蜘蛛の、復讐 - 運命の訪問者、復讐 - 消えない傷跡)

          仕事に疲弊し生活にくたびれた無表情のなか、偶然、1997年ごろの"キレた黒沢清"に出会った。 黒沢清。キャリアも重く、カンヌでの評価を踏まえれば日本を代表する映画監督の1人といって差し支えないだろう。でも、映画の門外漢として言えばこの人の映画は明らかに「変」である。「奇妙」といった方がいいかも知れない。そこには「そうはならんやろ」が渦巻いており、人物の行動はこちらの理解をポーンと超えていく。 だけどその飛躍にはそこには確かな「重力」が作品に宿っている。……と感じられるもの

          1997-98年のキレた黒澤清を観る(蛇の道、蜘蛛の、復讐 - 運命の訪問者、復讐 - 消えない傷跡)

          Diary - FUJI ROCK FESTIVAL'23 感想

          フジロック2023に参加してきました(1ヶ月前)。例年通り、聴いてきたライブの感想を残しておきます。ただの日記です。 前回はこちらから。 →Diary #FUJI ROCK FESTIVAL'22 感想 社会人になってからもフジロックの休みだけは何とか何とか確保してたんですが、今年はついにチケットを1日分ムダにしてしまった。金曜日。一番行きたい日でした。ヨラテンゴ、ストロークス、ともかく全方位に魅力的な面子が揃っていた。無念。ともあれ満身創痍のなか土・日は参加したので日記を

          Diary - FUJI ROCK FESTIVAL'23 感想

          ロックリスナー、Charles Mingusとの遭遇(入門6選)

          ポップスやロックから音楽を聴くようになった者として、「ジャズ」は強い憧れがあり、だけど微妙に馴染みづらくもあり、もっと理解(し)りたい世界であります。 自分はロック――オルタナティヴ・ロックやポスト・ロックという言葉から音楽沼にハマった者ですが、「シカゴ音響派」を聴いていった後にMiles Davis『In A Silent Way』を聴いた時の衝撃は凄かった。ロックで「革新的」と言われていることのプロトや完成形が、20, 30年前のジャズの各地で見出せることへ強いリスペク

          ロックリスナー、Charles Mingusとの遭遇(入門6選)

          『ポケモンSV』プレイしたから良かった所と悪かったところ挙げる

          『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』をプレイした。何だよコレと思った所も、マジで良かった所もあった。そして何か文章を書きだしたくなるくらいの感情は得られた。なので感想記事をおく。 こんな人が書きだしている。 ・ポケモンは「赤・緑」「金」「ブラック」「剣」をクリア済み。 ・『ポケモンスナップ(N64)』にも思入れがある(Newは未プレイ)。 ・アルセウスはやってないのでオープンワールドのポケモンは初めて。 ・対人戦はしていないので文章でも全くふれない。 ・「ス

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          Pavement来日するらしいからセトリ妄想して語る

          ペイヴメントが13年ぶりに来日する。 来日公演決定は2022年4月のニュースだったが、もう公演1週間前だ。そしてチケットは特に売り切れていない。12月には前座テコ入れとしてDYGL、ミツメがサポートアクトに決定したが、まだ微妙に売り切れていない。 昨年のPrimavera Soundでの演奏は素晴らしかった。しっかりユルい、しかし割とパワフル、齢55ですこし枯れ、いや全然いまだ”したり顔" 。締まりのない、まさにペイヴメントだった。 チケットが完売しないのもそれはそれで面

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          聴き語りtr.4:Prince「Illusion, Coma, Pimp & Circumstance」('04) - J-ROCKの理外・ファンクのペダルトーン

          曲を聴いてひたすら語るシリーズ、トラック 4。 前段Prince。その存在感や功績は理解しつつも、ミスチル・スピッツといったJ-POP和音族から出発してロックに向かったリスナー(自分)にとって、その音楽はクエスチョンマークだらけでした。もちろん「Purple Rain」はスタジアムアンセム、「Raspberry Barrett」などはポップスとして受け止められた。が、ファンク方面の楽曲。自分の耳、J-POP/J-ROCKの美学には存在しない回路と音楽観から楽曲が形作られてい

          聴き語りtr.4:Prince「Illusion, Coma, Pimp & Circumstance」('04) - J-ROCKの理外・ファンクのペダルトーン