WITHOUT SOUNDS

いろいろな記録。「こんなのもあるのか」「もう一回聴いてみよう」が好きで、「これだけ聴け…

WITHOUT SOUNDS

いろいろな記録。「こんなのもあるのか」「もう一回聴いてみよう」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。 以前の音楽ブログ→https://slapsticker.blog.fc2.com/blog-entry-224.html

マガジン

  • Sonic Youthの軌跡

    Sonic Youthについて、主要アルバム16枚(+α)を追いながら、その軌跡、功績、音楽性やらを辿っていく企画記事。

最近の記事

チバユウスケが残したもの - ROSSO、The Birthdayへ(3/3)

個人的な追悼記事、最終回。 第一回で自分が好きな初期チバユウスケもといTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの魅力を書いた。第二回では『THEE MOVIE』と『GIRLFRIEND』を取りあげることでミッシェルの先への話をした。 今回が一番書きたかったところで、チバにとってのミッシェルのその先──その代表的な活動としてROSSOとThe Birthdayの話をする。 まず、自分はミッシェルが好きで、ROSSOとThe Birthdayは今までシックリ来て

    • 記録

      ブログを書き出しSNSを始めて10年ほど経ち、いろんなサイトをまたがってきたので、ここに何となくまとめておきます。 Twitter(メイン) →リンク Bluesky(あまり更新してない) →リンク Soundcloud(稀に曲をつくる) ピックアップ記事 過去記事の抜粋。ほかにも色々更新しているのでもし気になったら各ブログから漁ってみてください。 note時代(2020~)・音楽についての文章に何の価値があるのか? ・Sonic Youthの軌跡を辿る ・ス

      • 『THEE MOVIE』- ミッシェルからその先へ(2/3)

        個人的な追悼記事、続きから。 前回の記事では、自分が「昔から感じていたミッシェル(チバユウスケ)の魅力」を書いた。もともとブログを始めた理由のひとつにミッシェルがあったのだ。 話が一貫してないものの素直にそう主張したかった。そんな、約10年前に更新していたアルバム感想シリーズも、昔の文章なので内容は拙いけれど一応完結させておいた。 今回あらためて振り返って、やっぱりTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTが好きだ。そして過去の自分は、その後のROSSOやTh

        • 初期チバユウスケの歌詞の魅力(1/3)

          チバユウスケが逝去した。 何ヵ月も前のことだが、もういないという事実がそのままずっとそこに在り続けている。もういない。でも、月並みだけど、その音楽は残り続けている。そして今更言うまでもなく、その音楽と声は滅茶苦茶カッコいい。語るべきものが残されている。だから……BUCK-TICKの時とおなじで、音楽について書きたい。すでに沢山語られているし、更にもっとたくさん語られていってほしい。 自分も書きとめておきたい。「初期チバの歌詞の魅力」、「ミッシェル末期」、「ROSSOやTh

        チバユウスケが残したもの - ROSSO、The Birthdayへ(3/3)

        マガジン

        • Sonic Youthの軌跡
          5本

        記事

          『Stop Making Sense』を語りたい - David Byrneが信じるもの

          Talking Headsのライブフィルム『Stop Making Sense』が4Kリストアされた。 もう何度見たかわからないが、あらためて傑作だと心から思う。本作を映画館の大音量・音響であびるのは、この上ない聴覚・視覚の体験だ。 この記事は「本作をまだ観ていない方、こんな作品なので観てみませんか?」、そして「観たひと、語ろうや……」と、そういう内容です。 紹介(ネタバレなし)『Stop Making Sense』(SMS)はアメリカのニューウェーブバンドTalkin

          『Stop Making Sense』を語りたい - David Byrneが信じるもの

          audiot909 『JAPANESE AMAPIANO』(2023) 感想レビュー - カルチャーの呼応

          audiot909がファーストフルアルバムを完成させた。 その経歴はtunecoreに詳しいが、彼は南アフリカで興った「Amapiano」に感銘を受け、日本での普及に取り組む第一人者である。 本作は音楽性の高さもさることながら、その表現姿勢も素晴らしい1枚だ。ここには普及だけでなく、「カルチャーを広げ、育むこと」の実践がある。 前段でキーワードを踏まえ、アルバムを見ていきたい。 前段■「Amapiano」とは? まずは「Amapiano」(アマピアノ)と呼ばれる音楽

          audiot909 『JAPANESE AMAPIANO』(2023) 感想レビュー - カルチャーの呼応

          【年間ベスト】2023年の個人的な41枚

          2023年も年間ベスト的な日記をまとめます。 前年はこちら。 旧ブログから数えるとちょうど10年分年間ベスト書ききったみたいです。だいぶ時が積み重なってきた。次は20年くらい書けたらいいな。 毎年の口上から始めます。 何かのシーンを追ったりこの1年を解釈するものではなく、単に自分の好みや見方をまとめた感想日記です。ふだん「良かった」で終わらせているものに少しはちゃんと向き合おうという試み。読んでみて「聴いてみようか」「聴き直してみるか」ってなれば幸いです。今年は紹介より

          【年間ベスト】2023年の個人的な41枚

          聴き語りtr.5:B'z 「コブシヲニギレ」 - ワイはこれからお前を殴る

          曲を聴いてひたすら語るシリーズ、トラック 5。 洋楽に影響を受けつつも、ここ日本でヒット・メーカーとして活動し続けているミュージシャンの音楽は大体が面白いです。何故なら、"洋"のインプットがありながらも楽曲はあくまで"J"として出力する必要があり、そこに謎のフィルターが必ず通される、つまり謎の調味料を加えた化合物が創造されるからです。 今回取り上げる「コブシヲニギレ」はB'zが最もヘヴィな音に傾倒していた時期、2000年作『ELEVEN』に収録された楽曲です。「言うてもB

          聴き語りtr.5:B'z 「コブシヲニギレ」 - ワイはこれからお前を殴る

          BUCK-TICKの好きな曲の話(90年代編その1)

          BUCK-TICKの好きな曲について綴ります。 このタイミングでBUCK-TICKを聴くと悲しくなるかと思ったんですが、むしろ「なんて優しい曲たちなんだ」と慰められてしまうような感じがしました。一方で、死生観に基づく歌詞があまりにダイレクトに響いてきて胸が苦しくなったり。 ともかく改めて感じたのは、「良い」曲が沢山あるということ。その「良い」には「かっこいい」「泣ける」ほか「面白い」「すごい」そして「こいつら正気か?」「そんなんアリなのか?」などが含まれるわけですが、語る

          BUCK-TICKの好きな曲の話(90年代編その1)

          SPOILMAN『COMBER』『UNDERTOW』(2023) 感想

          東京のグランジ/ポスト・ハードコアバンドSPOILMANが、アルバム『COMBER』『UNDERTOW』を2作同時リリースした。 これはメチャクチャに強力な2作品だ。 まずは文章を流しこむ前に殺傷力の高い『COMBER』を聴いてほしい。 その音楽には、本人たちも愛情を公言するようにTooolやThe Jesus Lizardの影響、ポスト・ハードコアといったジャンルの要素、あるいはTouch and Go辺りのレーベルやシーンの音美学がうかがえる。Shellacのようにバ

          SPOILMAN『COMBER』『UNDERTOW』(2023) 感想

          黒澤清『蜘蛛の瞳』 - 虚無は飽和する

          1997 - 1998年の、キレた黒澤清にハマった人の記録シリーズ④。 前回は『復讐 消えない傷跡』。 「あらすじ」「紹介(ネタバレなし)」「感想(ネタバレあり)」の3セクションで綴っていきます。 あらすじこのあらすじは微妙に合っていない。最初30分くらいを見て想像を膨らませたんじゃないかと思う。が、全編みてもどう書いていいかは分からない。 紹介(ネタバレなし)黒澤清の臨界点。すべてが虚無化していく真空の85分。 初見で見た時は「なんだよこれ……」と悪い意味で呆然と

          黒澤清『蜘蛛の瞳』 - 虚無は飽和する

          黒澤清『復讐 消えない傷痕』 - 意味を見出さんとする虚無

          1997 - 1998年の、キレた黒澤清にハマった人の記録シリーズ③。 前回は『復讐 運命の訪問者』。 「あらすじ」「紹介(ネタバレなし)」「感想(ネタバレあり)」の3セクションで綴っていきます。 あらすじあまりにも短い公式あらすじ2だがやはり実際これで十分であり、しかしそこに至るまで余りに蛇行運転がすぎる一作である。 紹介(ネタバレなし)非常にハードボイルドだった前作をうけて、「復讐を始めてしまった人間は一体どこまで落ちてしまうのか!?」そういった更なる緊張感と羅刹

          黒澤清『復讐 消えない傷痕』 - 意味を見出さんとする虚無

          黒澤清『復讐 運命の訪問者』 - 哀川翔は撃たれない

          1997 - 1998年の、キレた黒澤清にハマった人の記録シリーズ②。 前回は『蛇の道』。 「あらすじ」「紹介(ネタバレなし)」「感想(ネタバレあり)」の3セクションで綴っていきます。 あらすじあまりにも短い公式あらすじだが実際これで十分である。復讐に足る動機を持ってしまった人間が、その殺意でもって映画をひとつ駆動する。それだけの話だ。 紹介(ネタバレなし)黒澤清 × 高橋洋の初タッグ作。「悪意の軽さ、善意の重さ。」とは『蛇の道』につけられたキャッチコピーだが、どう考

          黒澤清『復讐 運命の訪問者』 - 哀川翔は撃たれない

          黒澤清『蛇の道』 - 裁きのウロボロス

          1997 - 1998年の、キレた黒澤清にハマった人の記録シリーズ。 「あらすじ」「紹介(ネタバレなし)」「感想(ネタバレあり)」の3セクションで綴っていきます。 あらすじ紹介(ネタバレなし)緊張感というより、無機質な不穏を張り詰めさせたような90分。こんな奴らと絶対関わりあいたくない、同じ空間にいたくない。そんなシーンが車中、廃工場といった乾いた風景のなか反復・展開し続ける。居心地の悪さの演出力が異常なまでに研ぎ澄まされている生理的サイコ・ホラー(?)。どう考えても「そ

          黒澤清『蛇の道』 - 裁きのウロボロス

          1997-98年のキレた黒澤清を観る(蛇の道、蜘蛛の、復讐 - 運命の訪問者、復讐 - 消えない傷跡)

          仕事に疲弊し生活にくたびれた無表情のなか、偶然、1997年ごろの"キレた黒沢清"に出会った。 黒沢清。キャリアも重く、カンヌでの評価を踏まえれば日本を代表する映画監督の1人といって差し支えないだろう。でも、映画の門外漢として言えばこの人の映画は明らかに「変」である。「奇妙」といった方がいいかも知れない。そこには「そうはならんやろ」が渦巻いており、人物の行動はこちらの理解をポーンと超えていく。 だけどその飛躍にはそこには確かな「重力」が作品に宿っている。……と感じられるもの

          1997-98年のキレた黒澤清を観る(蛇の道、蜘蛛の、復讐 - 運命の訪問者、復讐 - 消えない傷跡)

          Diary - FUJI ROCK FESTIVAL'23 感想

          フジロック2023に参加してきました(1ヶ月前)。例年通り、聴いてきたライブの感想を残しておきます。ただの日記です。 前回はこちらから。 →Diary #FUJI ROCK FESTIVAL'22 感想 社会人になってからもフジロックの休みだけは何とか何とか確保してたんですが、今年はついにチケットを1日分ムダにしてしまった。金曜日。一番行きたい日でした。ヨラテンゴ、ストロークス、ともかく全方位に魅力的な面子が揃っていた。無念。ともあれ満身創痍のなか土・日は参加したので日記を

          Diary - FUJI ROCK FESTIVAL'23 感想