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横浜FC観戦記2023

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#横浜FC記部

2023年J1第22節横浜FC-ヴィッセル神戸「永い間」

2023年J1第22節横浜FC-ヴィッセル神戸「永い間」

後半アディショナルタイム5分、近藤がクリアしたボールが大きな弧を描いてる最中に試合終了の笛が鳴った。90分フル出場でボールを追い続けた伊藤翔のガッツポーズには、長いこと待ちわびた勝利への思いが込められていた。5月にはリーグ戦3勝と調子を取り戻したかに見えたが、6月から7月かけてリーグ戦は7試合勝利なし。天皇杯ではJFLの高知に敗戦。前節はGKブローダーセンがボールを放した隙にボールを奪われて失点し

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2023年J1第20節川崎フロンターレ-横浜FC「マッチ」

2023年J1第20節川崎フロンターレ-横浜FC「マッチ」

死生マッチ

このゲームは川崎市制記念マッチだったようだ。だから近藤真彦(マッチ)が来場していたのだろうか。チケットが完売に近い等々力でスーパーフォーミュラのプロモーションも兼ねて。マッチしている。

横浜にとっては、「来週は富士スピードウェイだね!」の前に、この試合は死生マッチ、つまり生きるか死ぬかの試合だった。5試合勝ちなしで、浦和やガンバと善戦どまりで勝ち点3を奪えなかった。小川航基の期限付

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2023年J1第16節横浜FC-サガン鳥栖「間が悪い」

2023年J1第16節横浜FC-サガン鳥栖「間が悪い」

もう金曜日である。試合のあった週末どころか、世の中は天皇杯も過ぎ高知やヴェルスパの躍進で沸いた木曜日も過ぎている。もっと言えば日曜日はリーグ戦である。それなのにこれから前節の観戦記を書こうという愚かな人間がここいる。まったく間が悪い。

守備の間

この試合、GKブローダーセンが戻ってきたボールを左足で蹴るシーンが多かった。敢えて左足で蹴るというよりも、鳥栖のプレスが早いのでバックパスなどで戻って

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2023年J1第15節セレッソ大阪-横浜FC「繰り返す」

2023年J1第15節セレッソ大阪-横浜FC「繰り返す」

試合の途中ではあるが、頭の中をとある曲が流れ始める。この中毒性の高い曲が頭を駆け巡る時は、概ね試合の展開が芳しくない時だ。
後半セレッソが落ち着きを見せてから横浜の攻撃の回数は増えていったのだが、ゴール前で決定的なシーンを作るまでには至らない。自分たちのボールにはなるが、切り替えが遅くミスをしてはボールを奪われ、セレッソの攻撃を自陣深くまで受け、後手を踏みながらも必死に対応して取り返すか、シュート

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2023年ルヴァンカップグループステージ第5節横浜FC-サンフレッチェ広島「突き上げ感」

2023年ルヴァンカップグループステージ第5節横浜FC-サンフレッチェ広島「突き上げ感」

サッカー経験者あるあるかもしれない。スパイクを履いた時の独特の突き上げ感は慣れないものがある。ポイントの上に板を置いてそれを踏んでるあの感じは苦手だった。
ただ、何度も履いて脚に馴染んでくるといくらか低減していく。馴染みすぎるとグリップ感は悪くなるし、突き上げ感が強いと脚を痛めてしまう。適度な突き上げ感は必要なのかもしれない。

ギラギラしている

スタメンが発表になり、どんなシステムで臨むかと思

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2023年J1第14節横浜FC-川崎フロンターレ「Circle of Life」

2023年J1第14節横浜FC-川崎フロンターレ「Circle of Life」

選手生命は人生のうちで長いものではない。ある者は1年足らずでその世界から離れ違う道を歩む。ある者は何十年もプレーをするが、それでもやがれその世界から離れていく。ある者は、その世界に水をやり、薪をくべ、また芽が出るのを見守っている。そうして、サッカーの世界はグルグルと回り続けている。

交差する16

この試合、両チームの16番に注目が集まった。横浜の16は川崎から移籍してきた長谷川である。成長の機

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2023年J1第13節柏レイソル-横浜FC「太陽王と青白革命」

2023年J1第13節柏レイソル-横浜FC「太陽王と青白革命」

浦和とガンバ大阪の試合を見ていた。ガンバ敗戦。これにより横浜は最下位を脱出することになった。ガンバは浦和戦ではボールを保持するのも難しく、支配率でも負け、試合でも敗戦。ガンバの試合を見て、ああ自分たちもこんな風に失点したよなと一種の懐古をしていた。強化の仕方はクラブによって異なるので、結果が出ないから解任、休養として監督を交代させるのが正しいかといえばまたこれも難しい。つなぐサッカーが一種神格化さ

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2023年J1第12節ヴィッセル神戸-横浜FC「まだ調わない」

2023年J1第12節ヴィッセル神戸-横浜FC「まだ調わない」

試合当日、熊本から伊丹空港を経由して三宮入り。そして雨。熊本でも大雨が降っていたが、それは三宮でも変わらず。今年の横浜は雨に祟られたかのように、試合日の半分近くは雨。しとしとではなく、霧雨でもなく、ざあざあと希望を打ち消すかのような強い雨。
こんな時は観光ではなく、サウナを選択。三宮の駅付近は良質のサウナや風呂が何か所もある。昼頃まで心身を整えるには十分な環境であった。たっぷり2時間近く使って、サ

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2023年J1第11節横浜FC-アルビレックス新潟「ハッピーターンオーバー」

2023年J1第11節横浜FC-アルビレックス新潟「ハッピーターンオーバー」

ホーム側からは選手も重なってよく見えていなかった。後半アディショナルタイムに新潟・三戸の放ったシュートの結末は、新潟サポーターの落胆のため息とGKブローダーセンの雄たけびで理解をした。その続きのコーナーキックのこぼれ球も吉野がゴールライン近くでかき出して難を雅れた。その数分後、横浜の今シーズン初勝利の歓喜と新潟の3連敗の失望のコントラストが三ッ沢に広がった。

奇策か

ゴールデンウィークの連戦の

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2023年J1第10節横浜FC-北海道コンサドーレ札幌「壁を超える」

2023年J1第10節横浜FC-北海道コンサドーレ札幌「壁を超える」

強い風が吹いたのは、、、

「強い風が吹いたらなぁ」と思っていたのは横浜の選手たちだったろう。ここまでリーグ戦未勝利だったが、前節のガンバ大阪戦に引き分けて勝ち点1を積み上げた。ガンバの猛攻に遭うもゴールポストに何度も弾かれるラッキーもあり、最後は5バックにして相手の攻撃を跳ね返し苦しみながら最少失点で凌いだ末の勝ち点だった。そうして勝ち取った勝ち点を胸に挑んだ札幌戦は結果から言えば1-4の惨敗と

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2023年J1第9節ガンバ大阪-横浜FC「ドキッ!ポストだらけの勝ち点1」

2023年J1第9節ガンバ大阪-横浜FC「ドキッ!ポストだらけの勝ち点1」

大黒柱を下げてでも

ゲーム終盤、1-1ながら横浜がガンバに一方的に押し込まれる展開の中、最後の5人目のカードをどう使うかに注目した。誰に代えて誰を出すのか。あるいはそのままステイでも勝ち点3を奪える根拠があるのか。ベンチ入りしたメンバーで残っていたのは、GK市川を除くとDFの武田とマテウスだけのシチュエーションでどう次の手を打つのかに注目した。

四方田監督の選んだ選択肢はチームの得点王である大

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2023年ルヴァンカップグループステージ第4節横浜FC-名古屋グランパス「こういう時に限って」

2023年ルヴァンカップグループステージ第4節横浜FC-名古屋グランパス「こういう時に限って」

平日水曜!平日休みの方にとっては待ってました!の観戦日和になると思うが、土日休みの自分にとってはなんだかんだ平日夜は観戦しづらい。年チケ組でもリセールする人多いだろうゲーム。が、こういう時に限って自分は春分の日も仕事をしていたおかげで、この日を代休に充てることに成功したのだった。
が、好事魔多し。昨年転職してからは毎日激務で、その影響なのか起きたら既に15時すぎ。寝すぎもいいところである。余裕もっ

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2023年J1第8節横浜FC-サンフレッチェ広島「春雨に」

2023年J1第8節横浜FC-サンフレッチェ広島「春雨に」

それにしても横浜は雨に降られ続けている。J1リーグでいえば金Jとなったアウェイ湘南戦、京都戦、横浜ダービーのマリノス戦、ルヴァンカップのアウェイ名古屋戦の消化した10試合のうち計4試合が雨。この広島戦も試合開始前からザァザァと強い雨が叩きつけた。悪い影響を与えることを、影を落とすなどというが、横浜にとってはシーズンの約半分で雨が落ちている。ちなみに調べたら、横浜は雨に弱い。Jリーグ上のデータで天候

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2023年J1第7節横浜F・マリノス-横浜FC「Fの焦点が合わない」

2023年J1第7節横浜F・マリノス-横浜FC「Fの焦点が合わない」

なぜ横浜ダービーは盛り上がらないのか

後ろ向きだった。サポーターが?選手が?いや、クラブが。アウェイゴール裏の座席に座った方ならわかるだろう。試合中、記録用にカメラをゴール裏に向けたまま、試合内容とは関係なくクラブスタッフはゴール裏を逐次確認している。まるでこのゲームに勝ちたいよりも、ゴール裏のサポーターが悪さをしないか監視することが優先されていたように感じる。そういったサポーターに寄り添ってい

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