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2023年ルヴァンカップグループステージ第4節横浜FC-名古屋グランパス「こういう時に限って」

平日水曜!平日休みの方にとっては待ってました!の観戦日和になると思うが、土日休みの自分にとってはなんだかんだ平日夜は観戦しづらい。年チケ組でもリセールする人多いだろうゲーム。が、こういう時に限って自分は春分の日も仕事をしていたおかげで、この日を代休に充てることに成功したのだった。
が、好事魔多し。昨年転職してからは毎日激務で、その影響なのか起きたら既に15時すぎ。寝すぎもいいところである。余裕もってスタジアムに行くとか、たまっていた洗濯物をとか、少しを掃除をなどという願望は、腕時計を見た瞬間に吹っ飛んでいた。
そして試合前には、注文して店舗受け取りにしていたワークマンに防水ウェアを引き取りに行く。空は快晴。雨が降る気配は微塵もない。雨の試合が続いて、雨天用の装備を増強すると途端に降らなくなる。こういう時に限ってモヤモヤしてしまう。

こういう時に限って その1

いつものようにスタジアムについてカメラの準備をしていると、シャッターが切れない。エラーコード001「通信不良」が表示。カメラとレンズの接点の接触不良が主な原因。端子のホコリを飛ばして再度レンズをつけてみるが直らない。これはあかんかも。結局写真は一枚も撮れない状態のままお亡くなりになった。(帰宅後ベンジンで拭ってみたが、結果は変わらず。他のレンズを挿しても同様なので、カメラ本体がどうやら故障の様子。2月に別件で修理対応して基板交換したばかりなのにまた壊れました。)
でも、こういう時に限って、とんでもないゴールや圧勝劇が生まれたりするのがスポーツだったする。この日はカメラを置いて、観戦することに。

考えてみると今から15年ほど前には一眼レフどころかデジカメもないまま観戦記を書いていたと思うと、そもそもそれが自分のスタイルだった訳で、久しぶりにゲームをしっかり見ているのかもしれない。

前半横浜はよいテンポでゲームを進める。左サイドがかなり安定している。和田の気遣いの良さが出ている。左サイドバックに入った橋本がボールを持った時には、すでにサイドライン近くにポジションを取り選択肢を彼とセンターバックと2つ作っている。サイドバックが相手を捕まえに行くときに裏のケアもする。一手先を考えてスペースにポジションを取れる和田の良さを改めて感じさせられる試合となった。
ボランチの相棒はユーリララが復帰。ガツガツとボールホルダーに身体を寄せてボールを奪って、和田が回収し、前線に展開。ボールの奪いどころがリーグ戦とは違って明確に生まれているのがよい。

ただし攻撃はその先進められずにいると徐々にに名古屋のカウンターが横浜のゴール前を脅かす展開になっていく。

こういう時に限って その2

前半40分、岩武が名古屋・河面を倒してPK献上。この日ゴールマウスを守るのは前節のルヴァンカップアウェイの名古屋戦で復帰したブローダーセン。キッカーの名古屋・酒井のシュートを読み切ってブロックし、こぼれたボールも山下が掻き出してコーナーキックに逃れる。沸く三ツ沢。PKストップしただけでなく、こぼれ球もしっかり詰めてゴールを許さない。
が、その歓喜も一瞬で絶望に。その直後のコーナーキックを名古屋・貴田に押し込まれて失点。こういう時に限って、決められてしまうとは。PK止めて、よし!これからと勢いが出てくるのがよくある光景なのに、そのセーブが無になるかのようにゴールを許してしまった。名古屋の長谷川監督が試合後の記者会見で試合後以下のように話していたが、まさしくその通りである。小川航基以外の選手のゴールが少ない今の横浜において、先に先制点を与えることはかなり厳しい展開を強いられるからである。

1点目のPKを外したあとのCKで得点が取れたことはすごく大きかったと思います。あれが今日の試合のすべてではないですか。

試合後の監督インタビュー

こういう時に限って その3

後半も悪い立ち上がりではなかった。むしろ、中村から山下へのパス。そして山下のパスに反応してシュートを放ったヒアンのシュートは名古屋のポストを叩き、反撃体制を見せる。後半の入りで何度も失点している横浜にとってこの時間帯は締めるどころか、意識的に相手ゴールに迫りたい時間帯だった。ところがその跳ね返りを繋がれて、名古屋・ターレスのスルーパスを受けた貴田が再び横浜ゴールネットを揺らした。後半7分。こういう時に限って、そこ決められますかと。貴田のマークをしていたのは岩武で間合いが甘く、ボールを外側でコントロールされて寄せることも出来ずフリーでシュートを放たれては、ペナルティエリア内ではさすがにブローダーセンもセーブすることはできなかった。

こういう時に限って その4

後半17分には途中から出場した三田がコーナーキックの競り合いで大きく広げた手にボールが当たってペナルティキックをまた与えてしまう。

貴田に代わって入っていた名古屋・レオナルドが蹴るもポストに直接当たり、その跳ね返りをレオナルドが触れてしまった為に失敗。2度連続で同じ選手が触れないルールとポストに救われた。

よし!これでゴールを!とこういう時に限って選手交代してチャンスを窺うが、リズムはやや単調なままで流れは変わらず。途中交代の坂本と山根が左右からクロスを入れる機会もあるが、狙うのは中央ばかりでは守備の固い名古屋からゴールを奪えるとは思えなかった。サイドで崩し切らなくてもアーリーで上げる、カットインしてミドルシュートを放つ。同じリズムでなく違う仕掛けを求めるのは難しいのだろうか。
奪われるリスクを考えると、簡単に上げてもとなるが、相手がブロックを作る前に、足の速い選手を前線に置いているのであればもっと裏を取るようなボールがあってもよかった。復帰したてのサウロはまだまだだが、相手DFとしつこく戦っても前を向くチャンスもあった。

左サイドバックで出場した橋本が語っている。

いまの課題は、最初の入りは良くても徐々に強度が落ちてきたり、相手に局面で上回られて間延びしていってやりたいことができなくなっている

試合後の選手インタビュー

結局この試合も、先制点を許し、その後追加点を与え、もがき続けるもゴールを得ることは出来ずそのまま試合終了となった。下を向いても仕方ないが、2021年とも違いここ数戦やや淡白に時間が流れている気がする。執着するなら、もっと選手の起用方法や交代の時間に工夫があると思うが、ベンチワークからそれを感じられない。

その一方で、選手たちはやや連携が向上し、3月のような状態ではない。理想を掲げたところからガブリエウと永井が負傷し離脱し、理想から少し離れて現実路線にベースを置きながら、その中で可能性を模索している。特にここ数試合は前半の強度が高く相手を上回る試合内容が続ている。そういう時間帯にどう仕留めるか。どうボールをつなぐか、運ぶかの段階から進化はしている。だからこそ惜しい。苦しい。

流れは決して良いとは言えない。最下位がどこのチームにも強くは出にくい。でもこういう時に限って、ポンと勝ち始めるのが横浜だと私は信じている。歴史も期待にも逆らって戦い続けてきたクラブはまだ終わらない。


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