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【目印を見つけるノート】132. 数寄者のきっかけはケガでした

朝からむしむししています。
このじとっとした感じはたまりません。
そんな中、
朝から赤いペディキュアを塗っていました。


⚫陶磁器に助けられたこと

タイトルがすべてを言い表していますが、少し書いてみましょう。
陶磁器。
どちらかといえば、年配のかたが好まれるというイメージがあるのでしょうが、私が好きになったのは26歳のときでした。

その前の年にケガをして、膝の靭帯を切ってしまいました。
26歳の正月明けから入院して人工靭帯でつなぐ内視鏡手術を受けました。3~4週間入院しました。手術は無事に済んで、抜糸も終わって、多少のリハビリ……。

退屈でした。
同室の女の子からは、
「本を読んでいるか、音楽を聴いているか、何か書いているかですね」
と言われました。
あ、車椅子になった途端にアイスを買いに行って、それが日課になりましたw

違う部屋に英会話教室を運営しているアメリカ人の男性がいたので、
『LIKE A ROLLING STONE』を聴き取って、
答え合わせをしてもらったりもしました。
スクラウンジング、がバツでしたね。

今はできるかな。

あ、歌詞が全部書いてある……書いてない?あれ。

でも、ちょっと不安だったんです。
膝はつながったけれど、
しばらく松葉杖で仕事に通えるかなあとか、
新宿ロフトの階段降りられるかなとか、
(あ、今の場所ではないときですね)
正座できないなあとか、
外れたら今度は切り開くのかなあとか、
まあ、あまりいいようには考えないものですね。

そんなとき、病棟の給湯室で
小さな花瓶を見つけました。
給湯室には退院した人が置いていった花瓶がいくつか置いてあったのです。

でも、この花瓶に一目惚れしてしまったのです。
看護師さんに聞くと、患者さんが自分でこねて焼いたものだということでした。
この花瓶が来てから、いただいた花のアレンジメントからカスミソウやスイートピーをほんの少しこの花瓶に移してながめるのが日課になりました。
小さな花が本当によく似合って、素敵でした。

退院するときに、本当は望ましくないのですが、看護師さんにお願いをして、この花瓶を持ち帰らせていただきました。

ひとり暮らしの日常生活はしばらく不便でした。松葉杖では段差が何より怖かったです。新宿ロフトの階段はすぐには下れませんでした😭
お風呂がね、思いのほか厄介でした。

そんな日々に、花瓶を見るとものすごくホッとしたのです。

それまで、モノで心底ホッとするということがあまりなかったので、自分でも不思議でした。

それから、陶磁器、焼物好きがはじまりました。

ロフトの階段が下れるようになると、さっそく陶磁器探しに出かけました。

渋谷の東急東横店の美術サロンで、備前焼が並んでいるウィンドウを見ていたら、色味が深くて美しい徳利を見つけました。
伊勢崎淳さんという作家さんの手によるものだということでした。少しお値段はしたのですが、思いきって買いました。

それがこちらです。

もう、触って眺めるだけで精一杯、もったいなくてお酒を入れられない感じでした。

それから、いろいろ見て回ったりするようになりました。
本郷焼(福島)、益子焼(栃木)、瀬戸焼(愛知)、常滑焼(愛知)、美濃焼(岐阜)、越前焼(福井)、九谷焼(石川)、大樋焼(石川)、伊賀焼(三重)、信楽焼(滋賀)、京焼(京都)、丹波焼(兵庫)、備前焼(岡山)、萩焼(山口)、砥部焼(愛媛)、波佐見焼(長崎)、有田焼(佐賀)、伊万里焼(佐賀)、唐津焼(佐賀)、薩摩焼(鹿児島)、琉球焼(沖縄)……われながらポコポコ出てきますね。

ここから外国のものにも興味を持って、ウェッジウッド、リモージュ、アラビア、ドレスデン、フッチェンロイター、マイセン、アウガルテン、ロイヤルデルフト、リヤドロ、ロイヤルコペンハーゲンなど西洋ものから中国、台湾、韓国、ベトナムのものまでよく見るようになりました。

東南アジアの焼物は味わい深いなあとよく思います。

『なんでも鑑定団』(テレビ番組)の鑑定も、値段はともかく真贋はけっこう分かるようになりました。あと、茶道は簡易的なものしかしたことがないですが、お茶碗の話だけ10分ぐらい伺ってしまいました。作法には合っていたようです。

好きこそものの上手なれ、でしょうか。

やっぱり、はじめに気に入ったのが「土もの」でしたので、好みははっきりしていて、備前、唐津、丹波、伊賀など土の色のものが今でも好きです。
唐津はその中でも灰色のものが素敵でいくつか買いました。

さて、備前徳利の話に戻りますが、
作者の伊勢崎淳さんは人間国宝となられているそうです。備前焼の第一人者なのですね。

前の引っ越しのときに箱を誤って捨ててしまったので、知った途端に売ったりはしなかったですよ(微笑)。

箱の中身は大切にしています。
素敵なお品をいつも拝見できて、とても幸せです。

今はできることなら、飴釉の美しい大樋焼が見に行けたらいいなと思います。あれは本当にきれいです。


⚫お籠りクラフトとばら

きょうはマーガレットのモチーフでブレスレットを2種類です。

あと、ターコイズ系の貼り付けイヤリングです。

ばらは少し剪定したほうがいいなあ。

それではまた、ごひいきに。

おがたさわ
(尾方佐羽)

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