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【ショートショート】記憶
「ついに完成したぞ!!」
ヒッチ博士は歓喜の声を上げた。実験に実験を重ねた結果、長年待ち望んだ薬がついに完成したのだ。
「これを飲めば、前世の記憶を全てを引き継いで、生まれ変われる。」
博士は、以前から人が死んで生まれ変わる時、全ての記憶が失われるのは、あまりにもったい無いと思っていた。知識を学び、素晴らしい経験をしても、死んでしまえばそれは全て無に帰す。高く積み上げた積み木がある時、バラ
【作詞】梅雨と白いアジサイ
私は雨が好き 濡れた髪の毛なんて気にもせずに
公園の角のあの場所 傘で隠れてキスしたね
ザーザーぶりの雨を見て 僕がため息をついた時
君は嬉しそうにまるで子供のように無邪気に笑った
6月のカレンダー 白いアジサイ 移り気な君に
振り回される僕 まるで昨日のことのように
全て順調だった もう少しで夏が来る前に
君は冷たくなった 熱を帯びた頃が幻みたいに
目の前にいたから 触れていたから
離れ
【作詞】グレーでブルーな気持ち
今日も1日が終わる 矛盾を軽く飲み込んで
ため息混じりの 愚痴に沈んでいく
あいもかわらず先のこと 考え過ぎて眠れなくなる
早く今日に 見切りつけたいのに
反省と後悔と嫉妬が頭の中でぐちゃぐちゃに混ざる
比較の魔物が 僕を焚きつける
グレーでブルーな気持ち
間違い探しのゲームで 目の前が急にぼやけて
何が間違いか わからなくなる
何もかもうまくいかなくて 才能に恵まれないと
やめる理由をつ
【作詞】雑音だらけの毎日で
あれもこれもあなたには必要なんです
時に優しく時に甘美な言葉で
あなたの耳元にそっと囁きかけます
次から次へとテーブルを埋め尽くします
悪魔のやつは天使の顔をしていて
したり顔でこれが真実と語ります
上も下も右も左も正しくて
今日も明日も世界はカオスなんです
どうやら雑音だらけの毎日で
正気保つのが仕事みたいです
自分を信じてみなよって
信じられる自分がなくて
ちっぽけな悩み抱えて
それでも
[作詞]やればよかった
星の数ほどある後悔の轍 誰もがみんな他人事だった
ベッドに横たわりふと悟った あぁ僕もそうだった
窓から見える青い空の下 あそこには数多の可能性があった
誰かの顔色気にして 可能性にバツをして
誰もが人生の初心者のはずなのに 失敗なんてみんな隠してるだけなのに
笑われることに怯えてばっかで 自分が笑うのを後回しにしてた
目をつぶり呟く 空の彼方に
消えいるような ありし日のこと
瞳が濡れてい
【作詞】愚か者なのさ
思い込みの迷路に迷い込む
どの道も正解に思えて
頭抱えてその場でうずくまる
誰かに憧れ 誰かに焦がれて
2番煎じにすらもなれなくて
硬いベッドに体を投げ込む
愚か者なのさ 自分が溶けてく
愚か者なのさ 楽に飲まれて
灰色の今日が過ぎてゆく
分厚い盾に身を潜めたまま
頑なに心を閉ざしている
何を信じればいいのかわからない
優しかったあの人の笑顔も
側にいたあの人の温もりも
時の流れに追いやら
【ショートショート】罠の図鑑
放課後、ツヨシは学校の図書室に来ていた。明日の国語の授業で、読んだ本の感想を発表しなければならなかったのだが、ツヨシの家にはゴシップ雑誌か漫画ぐらいしかないので、明日までに活字の本を用意しなければならなかった。
はじめは以前、何度か万引きした本屋で本を調達しようかと考えたが、最近店員の警戒が厳しくなりハードルは高い。また、いつもならこうした課題をやらせるクラスメイトのタクヤは、ここ数日、風邪で