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132.総理大臣には肖像権がないって、本当なの?(警察官や公務員、政治家さんも?)

36.警察官には肖像権がない?
 
Q34.兵庫県警察警官がユーチューブの投稿動画に登場し、職務質問をしている場面で、撮影している人に「肖像権の侵害だ!」と言っています。しかし、警察官は公務であり、肖像権はないという人が圧倒的に多いのは事実だと思いますが、どうお考えでしょう?

©NPО japan copyright association

公務中の警察官であっても肖像権はあります。

確かに、「公務中の警察官には肖像権はない」「どうして、必要あるのか?」「必要ない…」という考えの人が多いでしょう。

このユーチューブの投稿画像の問題点は、あえて警察官の検挙不審者に対する職務質問に対して、明らかに動画を撮影することが目的であり、単なる偶然には思えないというフシがあります。

確かに問題になっている男性警察官の口調、態度はいらだった様子で撮影されていますが、職務質問し、免許証を提示することを拒めば、警察官も声を荒げます。それをわざと撮影し、ネット上に動画を流しているのです。
この動画はホームページ(ユーチューブ)の投稿で7万回以上再生され、驚いたことに、400件ものコメントが集まっていました。

さらに2009年3月10日神戸新聞が記事で取り上げると、ネット上で大反響を呼びました。兵庫県警は、「冷静に毅然として職質することなどして各警察署に文書で指示した」と言いました。
 
また、警察官への撮影や投稿を規制する法がないと兵庫県警はコメントしているのですが、勝手に撮影され、その映像を警察官の不利な材料となる編集、加工されているわけなのですから、「肖像権侵害だ!」となぜ言い切らないのでしょうか?
公務中の警察官自身には、肖像権がないと信じているのでしょうか?
 
公務を行う公務員には肖像権がないという考え方が世界ではかなり浸透していると思います。
また、「公務員には肖像権がある」とお考えの特定非営利活動法人著作権協会としてのわかりやすい説明をお願い致します。」

公務を行う公務員にも人間としての人格があり、人間である以上、肖像権はあるというのが私たちの考え方です。
 
しかし、報道やニュース、新聞や雑誌、フリーペーパーや会報、ホームページや各出版物などに関しては「報道の自由」「表現の自由」として他人の肖像を扱うことは認められていると解釈しています。
 
ただし、判例に出ているように、肖像者の「人格的利益の侵害」を及ぼすものには一定の制限があります。
つまり、肖像者を傷つけてはならないということです。

確かに、他の著作権団体や様々な出版物では「公務を行う者には肖像権がない」と書かれていますが、現実には肖像権という法律用語がないため、このようなあいまいな見解がはびこっています。
 
しかし、判例では「当人の承諾なしに容貌(ようぼう)・姿態(したい)をみだりに撮影されない権利や当人の承諾なしで顔写真や肖像画を公開されない権利」といわれています。
 
また、憲法一四条では、「すべて国民は、個人として尊重される。自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他国政の上で、最大の尊重を必要とする」となっています。
このように、「すべての国民」ということは、当然公務員も含まれます。
 
では、どうしてこのようなあいまいな肖像権神話が蔓延してしまうのでしょう?
それは、公務員の方々、警察の方々も含めて、著作権や肖像権に関する知識不足が原因と思われます。
 
例えば、靖国神社での小泉元総理大臣の「純ちゃんまんじゅう」や福田元総理、安倍元総理、麻生総理大臣のまんじゅうなど、肖像権侵害です。

無許可で販売しているにもかかわらず放置しています。

おそらく自民党も「公人だから肖像権はない」と考えているのかもしれません。このような考え方で放置してしまっているため、公人の肖像権が無法地帯になってしまっているのです。
もちろん日本国のトップの責任といえます。
 
もし、これら販売商品で食中毒事件が起こったらどうするのでしょう?
食べ物ですから、そのために亡くなる方が出たら、一体どうするのでしょう?
業者が勝手にやったことだからといって解決するのでしょうか?
政治家の肖像をそのまま放置しておいて一切の責任はないといえるのでしょうか?
放置するということは、認めたことになってしまうことがわからないのでしょうか?
 
以前、宮崎県の東国原知事のところでも土産品で食中毒が起こり、慌てて肖像キャラクターの使用を考え始めたように、いずれ必ず責任が生まれます。

なぜなら、当然のごとく、その商品パッケージには肩書きと、名前と肖像が入るのですから、消費者はそれだけで信用してパッケージに、知事の名前や日本国の総理大臣の名前が記載されてしまえば、指定ブランドと思われてしまいます。

いくら関係ないとは言っても公人(政治家)のブランドの責任は重いものです。
 
これでも「公人には肖像権はない」「必要ない」といえるでしょうか?

また、「公務中」「公人ならば自由」という考え方がはびこれば、何にでも利用できてしまいます。自分の都合の良い場面を勝手にホームページ上で掲載され、自分の思想や考え方、政治的、宗教的な部分にも公人の肖像を勝手に掲載することができてしまいます。

これでは完全に無法地帯といえるでしょう。

ですから、「公務員には肖像権がない」とも「公務員には肖像権がある」とも明確な判例がない以上、「公務員には肖像権がある」と考えて、注意した方が良いとの見解です。

37・指名手配の犯人には肖像権がある?
 
Q35.警察が公開している指命手配犯の顔写真を自分のホームページに掲載して、犯人逮捕の協力が出来ればと考えています。しかし、一般的にはそのようなホームページがありませんがどうしてでしょう。また、著作権や肖像権はあるのでしょうか?


 

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もちろん写真には著作権、人物には肖像権があります。
自動写真機(無人証明写真)などは、機械が撮影するため著作権はありません。しかし、撮影者に著作権はなくとも、本人の顔写真には「肖像権」があります。
撮影者が顔写真を撮れば、撮った者には「著作権」撮られた者は「肖像権」が発生しています。また指名手配犯であっても人間である以上、肖像権はあります。
 
では、なぜ本人の承諾なしで肖像を使えるかといえば、指命手配犯は公益上の目的があるため、違法ではないといわれています。
 
余談ですが、「指命手配犯」といっても、警察の捜査段階で犯人と特定しているだけで、厳密にいえば、裁判所の判決が出るまでは推定無罪といえます。つまり、犯人でない場合もあるということです。

そして、著作権は警視庁が製作した物、外部に依頼し、警視庁に著作権が譲渡されているものの著作権はすべて警察庁に属しています。
 
また、指名手配犯の公開は社会的な責任、必要性において、警察庁の使用においてのみ肖像権の侵害には当りません。
このような諸事情において民間では、特別な理由、申請、許可がなければ勝手に利用できません。

ちなみに警視庁のホームページでは、
「警視庁ホームページ上の文書や画像等の各ファイル、及びその内容に関する諸権利は、原則として警視庁に帰属します。また、一部の画像等の著作権は、原著作者が所有しています。」
「警視庁ホームページ上の文書や画像等の無断使用、転載を禁止します。」と掲載されています。

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追伸:安部元総理大臣がお亡くなりになりました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

ここで、一言。


元総理総理大臣であっても「肖像権」はあります。公開されている公の演説等は報道としてのニュースを放送しても問題はありませんが、YouTube、tiktokなどもテレビニュース、ツィッターなどのSNS等での投稿されて、スマホ映像などで拡散されているもの、すべては「肖像権侵害」にあてはまります。ましてや、一般市民の顔などが勝手に公開されているわけですから、ほとんどが違反行為だと言わざる得ません。


また、天下のNHKさんが、安部元総理大臣の倒れている姿、表情及び血痕等を映し出した映像を公表し、慌てて修正しましたが、現実にはその映像が出回っています。これも配慮の足りない「肖像権侵害」です。事故、事件現場での撮影はよほどの注意がないとたくさんの人を傷つける場合も多く、報道の自由、表現の自由だからといって、残されたご家族を傷つけてしまう行為は許される問題ではありません。



「クリエイター著作権全般」特定非営利活動法人著作権協会(NCA)


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トラブルに巻き込まれた時のために、次の連絡先を自分の「お気に入り」に保存しておくとよいでしょう。
 
 
■警察庁:インターネット安全・安心相談
http://www.npa.go.jp/cybersafety/
http://www.npa.go.jp/cyber/
■各都道府県別相談(サイバー犯罪)
https://www.npa.go.jp/cyber/soudan.htm
■文部科学省
「24時間いじめ相談ダイヤル」 0570-0-78310
http://www.mext.go.jp/ijime/detail/dial.htm

総務省電気通信消費者相談センター
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/madoguchi/tushin_madoguchi.html
法務省 人権侵害の窓口
http://www.moj.go.jp/JINKEN/index_chousa.html
 ■インターネットの人権相談
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/200808/3.html
 
相談できる内容:インターネット人権相談受付、みんなの人権110番など人権相談窓口があります。インターネットによる人権侵害のほか、様々な人権問題についても相談を受け付けています。
■インターネット人権相談受付窓口
パソコンからの相談はこちら / 携帯電話からの相談はこちら
全国共通人権相談ダイヤル(みんなの人権110番)
電話:0570-003-110(ゼロゼロみんなのひゃくとおばん)
最寄りの法務局につながります。
子どもの人権110番(フリーダイヤル)
電話:0120-007-110(ぜろぜろななのひゃくとおばん)
「いじめ」や虐待など子どもの人権問題に関する専用相談電話です。
女性の人権ホットライン
電話:0570-070-810(ゼロナナゼロのハートライン)
女性の人権問題に関する専用相談電話です。
内閣府 
児童虐待、いじめ、ひきこもり、不登校についての相談窓口
http://www8.cao.go.jp/youth/soudan/map.html
国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/map/
相談できる内容:消費生活全般に関する苦情や問い合わせ。高額請求、ネット詐欺など
JADMA通販110番
http://www.jadma.org/DM110/index.html
  相談できる内容:通信販売のトラブル全般
違法・有害情報相談センター
http://www.ihaho.jp/
相談できる内容:インターネット上の違法有害情報相談窓口
迷惑メール相談センター
http://www.dekyo.or.jp/soudan/
相談できる内容:迷惑メール全般
セーフライン/一般社団法人セーファーインターネット協会
http://www.safe-line.jp/
■通報フォーム
https://www.safe-line.jp/report/
  できる事:違法・有害情報を通報→場合によっては削除
■インターネット・ホットラインセンター http://www.internethotline.jp/
相談できる内容:インターネット上の違法・有害情報の通報受付窓口
 ■一般財団法人インターネット協会 http://www.iajapan.org/hotline/dantai/1-039.html
  相談できる内容:インターネットのルール&マナーに反すると思われること
 ■著作権情報センター/著作権相談室 http://www.cric.or.jp/counsel/index.html#soudan
相談できる内容:著作権全般
web100
http://www.web110.com/
googleからの情報の削除の通報フォーム
https://support.google.com/websearch/troubleshooter/3111061?hl=ja
検索結果から削除してもらう場合の通報フォームです。 必ず削除されるとは限りませんし、元のサイトの情報はそのままです。 元サイトを削除されなければ、さらにコピー拡散もあります。
■Twitterの不適切画像の報告窓口 https://support.twitter.com/forms/cse
 
■「クリエイター著作権全般」特定非営利活動法人著作権協会(NCA)

 
 

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