野瀬奈緒美

イラストレーター。浜松出身、東京在住。『第九の波』(書肆侃侃房)の装画など。'…

野瀬奈緒美

イラストレーター。浜松出身、東京在住。『第九の波』(書肆侃侃房)の装画など。'19年「ザ・チョイス」準入選(佐藤亜沙美氏の選)。パレットクラブ、山田塾修了。メーカー広報、子供向け教材編集者等を経て活動中。 勉強グレして、"普通の優等生コンプレックス"を罹患してた人です。

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固定された記事

非美大卒の私がイラストレーションの沼にハマるまで

この3月で「パレットクラブスクール」というイラストレーションの学校の「卒業生コース」を修了した。パレットクラブは「あ、パレット出身なんだねー」と会話できるくらい…

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羽が生えた日

野瀬奈緒美
3週間前
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野瀬奈緒美
4か月前
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漂う夏の休日

野瀬奈緒美
9か月前
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スタートボタンが押せない

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いろいろまちがえても、大丈夫。

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「こんこん」

小さい頃の自分は、都合の悪いことがあると仮病を使って、わざとらしく咳を「こんこん」と言っていたらしい。「都合の悪いこと」というのは色々あって、たとえば上半身を脱…

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210810

仕事の日記。自分の感覚の備忘録。 先週末、我ながらひどい仕事の進め方でひとつの山を乗り越えた。土日も含めてほぼ毎日その仕事のことばかりを考える状態。過去に経験し…

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疎遠になったコミュニティ

みなさんには「疎遠になってしまったコミュニティ」はありますか?私は、いくつもあります。そのことに向き合うのはあまり心地のよいことではないこともあるけど、1つのコ…

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『イラストレーションファイル2021』にnoteの「みんフォト」の絵を掲載した話

仕事として絵を提供できる人間になりたい、という自分の思いに向き合って、かれこれ5年近く経ちました。それからほんの少しずつ、お仕事がいただけるようになり、先月、初…

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2021年も始まって1ヶ月経つけど、2020年の自分史を絵でふり返ってみた

本当は2021年の年始に公開しようと思っていたのだけれど、ばたばたしてるうちに、うっかりほったらかしていました。やや季節はずれになりつつありますが、去年のふりかえり…

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「うしろめたさの人類学」 (読書感想文)

ずっと「見なかったことにしていた記憶」が溢れ出てきて辛い。 読後の感想はこの一言に尽きる。 中学2年生になったころだと思う。父親が「発展途上国」と呼ばれるところ…

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最近のドローイング

最近のドローイングを掲載します。 風景中心のペン画です。 すべて、東所沢〜所沢で見つけた、気になった景色たちです。 これまでの人物・ファンタジーの世界も大好きなの…

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自分で選んだ場所に飛んで行く

ごく個人的な記録なので、有料設定にします。興味ある方だけどうぞ。 つい先日「まだここでやりたいことがある!」と書いていたくせに、10月いっぱいで12年間勤めた職場を…

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2020年の夏休み

2020年の夏休みがステイ・ホームで終了する。連日、気温が35度だ36度だと報じられて、もしオリンピック開催してたら死人が出そうな暑さだ。 今日の明け方に見た夢は、気持…

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「グループ展」というかたち

「グループ展」という展示の形を、絵をちゃんと描くようになってから認識した。 複数人が寄り集まって一つのギャラリーで展示するスタイルのことを「グループ展」と呼ぶ。…

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非美大卒の私がイラストレーションの沼にハマるまで

非美大卒の私がイラストレーションの沼にハマるまで

この3月で「パレットクラブスクール」というイラストレーションの学校の「卒業生コース」を修了した。パレットクラブは「あ、パレット出身なんだねー」と会話できるくらい、その界隈には出身者が大勢いるスクールで、イラストやデザイン業界で活躍する超一流の講師陣が授業をしてくれる。4つのコースがあり、私の場合は、2016年に基礎コース、2017年にイラストコースに通ったのち、1年空けて今年度に卒業生コース…と合

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スタートボタンが押せない

スタートボタンが押せない

隠してきたわけではないけれど、私には苦手な家事がいくつかある。
そのひとつが「洗濯」だ。
洗濯が苦手だ。
全然できないというわけではないけれど、すごく苦手だ。

もう少し詳しく言うと、
「洗濯機のスタートボタンが押せない」。

一度始まってしまえば、意外にも問題ない。洗濯物を干すことも、たたむことも、意外にもさほど苦痛ではない。(ちなみに、料理をするのも楽しいし、お風呂掃除もまあまあできる。)

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「こんこん」

「こんこん」

小さい頃の自分は、都合の悪いことがあると仮病を使って、わざとらしく咳を「こんこん」と言っていたらしい。「都合の悪いこと」というのは色々あって、たとえば上半身を脱いでタオルで体をこすってあっためる「寒風摩擦」(保育園の慣例だった)とか、苦手なスイミングスクールとかだ。身体を動かすのが昔から大嫌いだったから、今でも幼少期の自分に同情する。「なおみちゃん、お風邪ひいちゃったみたい。こんこん。」とか言って

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210810

210810

仕事の日記。自分の感覚の備忘録。

先週末、我ながらひどい仕事の進め方でひとつの山を乗り越えた。土日も含めてほぼ毎日その仕事のことばかりを考える状態。過去に経験したことのないタイプの追い詰められ方で、連日「もうダメかも」と自宅で唸っていた。余裕を失い、家事も完全に放棄し、(私よりも絶対に忙しいはずの)夫に甘えた。ほかの同僚にすれば、きっとどうということもない仕事だと思う。でもやっぱり転職してきた身

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疎遠になったコミュニティ

疎遠になったコミュニティ

みなさんには「疎遠になってしまったコミュニティ」はありますか?私は、いくつもあります。そのことに向き合うのはあまり心地のよいことではないこともあるけど、1つのコミュニティについて思い出したことがありました。長く下書きに残っていた文章ですが、公開します。



ここ数年、Facebookをおろそかにしていた。何となく、居場所ではなくなったような気がして敬遠していた。
しかし、最近イラストレーターの

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『イラストレーションファイル2021』にnoteの「みんフォト」の絵を掲載した話

『イラストレーションファイル2021』にnoteの「みんフォト」の絵を掲載した話

仕事として絵を提供できる人間になりたい、という自分の思いに向き合って、かれこれ5年近く経ちました。それからほんの少しずつ、お仕事がいただけるようになり、先月、初めて玄光社さん発行の年鑑『イラストレーションファイル2021』に掲載いただけました。

この年鑑の存在感は、たとえるなら「日本人歌手にとっての紅白歌合戦」といったところでしょうか。この1年で活躍された大御所イラストレーターさんが載る、由緒あ

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2021年も始まって1ヶ月経つけど、2020年の自分史を絵でふり返ってみた

2021年も始まって1ヶ月経つけど、2020年の自分史を絵でふり返ってみた

本当は2021年の年始に公開しようと思っていたのだけれど、ばたばたしてるうちに、うっかりほったらかしていました。やや季節はずれになりつつありますが、去年のふりかえりと今年の抱負を公開しておきます。
(公開日:2021年1月23日)

絵と仕事を両輪で続ける30代も後半戦。
2020年は、いいこともあったし、かなしいこともあった。2021年は正月早々に落ち込むようなこともちょこっとあった。

かなし

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「うしろめたさの人類学」 (読書感想文)

「うしろめたさの人類学」 (読書感想文)

ずっと「見なかったことにしていた記憶」が溢れ出てきて辛い。
読後の感想はこの一言に尽きる。

中学2年生になったころだと思う。父親が「発展途上国」と呼ばれるところへ単身赴任した。インドネシアのジャカルタだ。赴任してわりとすぐの夏休みに、父の赴任先へ母と妹と3人で遊びに行った。父のおかかえ運転手付きの車に乗り込み、大規模な渋滞にはまりこんだ時、私は衝撃を受けた。「ストリートチルドレン」の存在だ。花飾

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最近のドローイング

最近のドローイング

最近のドローイングを掲載します。
風景中心のペン画です。
すべて、東所沢〜所沢で見つけた、気になった景色たちです。

これまでの人物・ファンタジーの世界も大好きなので描いていますが、こんな絵も楽しく描きます。

(最後に謝辞:
私が”この景色熱いですね!”とほざいた場所で、いちいち車を止めてくれて、所沢スポットを隈なく案内してくださった、最高にクールで優しい元ベネッセのO.M.先輩に心からの感謝を

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自分で選んだ場所に飛んで行く

自分で選んだ場所に飛んで行く

ごく個人的な記録なので、有料設定にします。興味ある方だけどうぞ。

つい先日「まだここでやりたいことがある!」と書いていたくせに、10月いっぱいで12年間勤めた職場を退職した。
われながら、色々な人を「まさか!」と驚かせてしまった。申し訳ない。

でも、自分としては長らく考えていた選択肢の一つだったので、衝動的な退職ではない。熟考して、納得して決めたことだった。

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2020年の夏休み

2020年の夏休み

2020年の夏休みがステイ・ホームで終了する。連日、気温が35度だ36度だと報じられて、もしオリンピック開催してたら死人が出そうな暑さだ。

今日の明け方に見た夢は、気持ちいい夢なのに珍しくおぼえていた(いつもは怖い夢しかおぼえていないのに)。澄んだプールに潜ると、赤くてきれいな珊瑚や、ヘンテコでかわいい生き物がいる。きれいだなあと興奮しながら泳ぐ。それだけの夢。きれいだったから忘れないように絵に

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「グループ展」というかたち

「グループ展」というかたち

「グループ展」という展示の形を、絵をちゃんと描くようになってから認識した。

複数人が寄り集まって一つのギャラリーで展示するスタイルのことを「グループ展」と呼ぶ。私のように絵のキャリアをこれから築こうという人にとって、グループ展というのはとても身近な存在だ。

しかしあえて言う。「グループ展」というのは、(場合によっては)リスクのある展示方法だ。下手すると「モヤっ」としかねない。もちろん私はグルー

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