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コピーライティングにおける「書く」ということ。

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せっかくなので、広告文(コピー)を切り口に、「書くこと」を見つめてみました。 noteであまり見ない「文体」についても考察します。
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#文章を書く

7つのトーンで枕草子_文章のトーンを変える(7)ハルキムラカミ風に

7つのトーンで枕草子_文章のトーンを変える(7)ハルキムラカミ風に

「文章のトーンを変える」7回目は、
これまで通り「枕草子」現代語訳
(一般的な現代語訳を私的にアレンジ)を
原文に、
村上春樹さんを意識したテイストで書いた。

私はある不動産広告で
およその内容が書かれた文章を渡されて
「小説風に書いてほしい」
と依頼されたことがある。
しかし結局、オーダーの意図は、
ただ硬い文体を陰影のある高尚なトーンに
してほしかった、ということだった。
コピーライターへの

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6つのトーンで「枕草子」_文章のトーンを変える(6)スノビッシュに

6つのトーンで「枕草子」_文章のトーンを変える(6)スノビッシュに

「文章のトーンを変える」6回目は、
これまで通り「枕草子」現代語訳
(一般的な現代語訳を私的にアレンジ)を
原文に、
スノビッシュなトーンで書いた。

スノビッシュ。

辞書的に言えば、
上品ではなく「上品ぶった」、
「教養・知識などを鼻にかけた」、
などの意味になるが、
私は一度
「スノビッシュなトーンで書いて」と
コピーをオーダーされたことがある。
兵庫県宝塚市にあるホテルの婚礼パンフレットの

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文章のトーンを変える(2)硬質に

文章のトーンを変える(2)硬質に

硬質な文章トーン“やさしいトーン”の次は、「枕草子」の現代語訳
[原文A]を、“硬質なトーン”に変えてみます。
「枕草子」がそもそも逆の世界で、
広告に適当な事例はないのですが、
一般的には、B2Bの機械や車輌、
自動車などもその範疇に入るかもしれません。
ここでは「硬質」を演出するために、
「である調」と言われる「常体」を採用し、
トーン

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文章のトーンを変える(1)やさしく

文章のトーンを変える(1)やさしく

原文は「枕草子」で広告文、俗に言う「コピー」がエッセイや評論、
あるいは小説と異なるのは、
発信者が書き手(コピーライター)ではなく、
広告主である企業・団体である点です。
コピーライターは、その関係のなかで発信される
商品やサービス、メッセージにふさわしい
「トーン(文体)」を選びます。
ここでは、トーンを変えるという行為を
note上で行ってみることにしました。

変更前の原文は清少納言「枕草

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